藤田観光9722
FUJITA KANKO INC.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが東京で特別な記念日を祝うとき、緑豊かな庭園で知られる「ホテル椿山荘東京」を選ぶかもしれません。また、出張や観光で都市部を訪れる際には、便利な立地の「ワシントンホテル」に泊まったことがあるかもしれません。さらに、週末に温泉旅行で箱根に行くなら、「箱根小涌園ユネッサン」で水着で遊べる温泉を楽しんだ経験はありませんか?これらの有名なホテルやレジャー施設を運営しているのが、藤田観光です。あなたの思い出のワンシーンを、裏側で支えている会社かもしれません。
コロナ禍の赤字からV字回復を遂げ、2024期には売上高762.1億円、営業利益123.09億円を達成しました。インバウンド需要の回復が追い風となり、主力のホテル事業が好調に推移しています。2025期は売上高820.0億円、営業利益137.95億円と増収増益を見込んでおり、配当も40円から70円へ大幅増配の計画です。2026年2月には長年の筆頭株主だったDOWAが保有株を国内投資ファンドNSSKに売却し、新たな資本構成の下で成長戦略を加速させるフェーズに入っています。
会社概要
- 業種
- サービス業
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都文京区関口二丁目10番8号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 44.0% | 11.2% | - |
| 2022/12期 | 22.4% | 5.4% | - |
| 2023/12期 | 33.3% | 8.4% | - |
| 2024/12期 | 35.4% | 9.7% | 16.2% |
| 2025/12期 | 29.7% | 9.6% | 16.8% |
| 2025/12期 | 0.6% | 0.2% | 25.7% |
収益性はコロナ禍の打撃から大幅に改善し、売上高営業利益率は2024年3月期以降16%を超える高い水準を維持しています。効率的な運営体制の再構築と単価上昇が寄与し、ROE(自己資本利益率)も安定して高い数値を記録しています。今後はこの高収益体制を維持し、さらなる資本効率の向上が期待されます。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 284億円 | — | 127億円 | 211.5円 | - |
| 2022/12期 | 437億円 | — | 57.9億円 | -96.6円 | +53.9% |
| 2023/12期 | 645億円 | — | 81.1億円 | 135.4円 | +47.5% |
| 2024/12期 | 762億円 | 123億円 | 91.3億円 | 146.7円 | +18.1% |
| 2025/12期 | 820億円 | 138億円 | 92.9億円 | 154.2円 | +7.6% |
藤田観光はコロナ禍での赤字から劇的な回復を見せ、2024年3月期以降はインバウンド需要の取り込みにより大幅な黒字化を達成しました。特にホテル椿山荘東京やワシントンホテル等の運営が好調で、売上高は成長軌道に乗っています。2025年3月期は純利益約93億円を計上し、安定した収益基盤を確立しました。 【2025/12期実績】売上58億円(前期比-92.9%)、営業利益15億円、純利益1.6億円。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
サービス業の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
「ホテル椿山荘東京」に代表されるラグジュアリー事業と、ワシントンホテル等の宿泊主体型ホテル事業の2軸で展開しています。訪日外国人観光客の増加が収益を牽引する一方、人件費高騰や自然災害などの外部環境変化が主な事業リスクとして認識されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2023期 | 566億円 | N/A | 646億円 | +14.0% |
| 2024期 | 687億円 | 805億円 | 762億円 | +10.9% |
| 2025期 | 786億円 | — | N/A | 進行中 |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2023期 | 4億円 | N/A | 66億円 | +1559% |
| 2024期 | 60億円 | 133億円 | 123億円 | +105.2% |
| 2025期 | 120億円 | — | N/A | 進行中 |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2028年を最終年度とする中期経営計画では、売上高1,000億円、営業利益180億円という高い目標を掲げています。初年度である2024年度の実績は、インバウンド需要の急回復という追い風もあり、期初予想を大幅に超過達成しました。特に営業利益の進捗は目覚ましく、計画達成に向けた確かな一歩を踏み出しています。予想精度については、良い意味で大幅な上方乖離が続いており、会社側の想定を上回るペースで事業環境が好転していることを示唆しています。
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メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
WHG西日本がWHG関西を吸収合併し、ホテル運営の効率化と人材流動性の向上を図る。
2025年12月期において純利益92.92億円を達成し、30円の増配を実施した。
1955年の設立から70周年を迎えた。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
自己資本比率は2025年3月期時点で37.3%まで向上しており、財務基盤は着実に健全化の方向へ向かっています。かつて高水準だった有利子負債も、営業キャッシュフローによる返済等を通じて削減が進んでいます。資産の再編や経営の効率化により、持続的な成長を支える財務体質が構築されました。 【2025/12期】総資産988億円、純資産368億円、自己資本比率30.2%、有利子負債203億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 163億円 | 429億円 | 83.2億円 | 266億円 |
| 2022/12期 | 6.5億円 | 61.2億円 | 89.3億円 | 54.8億円 |
| 2023/12期 | 111億円 | 59.2億円 | 157億円 | 51.9億円 |
| 2024/12期 | 159億円 | 38.3億円 | 113億円 | 121億円 |
| 2025/12期 | 159億円 | 56.9億円 | 124億円 | 102億円 |
営業キャッシュフローは2023年3月期以降、年間150億円規模の創出が可能となり、本業の稼ぐ力が完全に復活しました。投資キャッシュフローは改装や設備維持のための適正な支出を継続しています。財務キャッシュフローでは借入金の返済を積極的に進めており、強固なキャッシュ・ポジティブ経営へ転換しました。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は16.7%であり、多様性確保に向けた登用が進んでいます。連結子会社24社を抱える大所帯であり、監査報酬6,200万円を投じてガバナンス体制の適正化を図るなど、名門企業としての信頼維持とコーポレート・ガバナンス・コードへの対応を重視しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 604万円 | 1,638人 | - |
従業員の平均年収は604万円となっており、ホテル・観光業界の中では比較的安定した水準を維持しています。コロナ禍における経営危機時には賃金カットや早期退職の実施を余儀なくされましたが、インバウンド需要の回復に伴い業績改善と待遇の正常化が図られています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。2021期から2025期にかけて、当社のTSRは一貫してTOPIXを大幅に上回る「アウトパフォーム」を記録しています。特に2023期以降の伸びは著しく、コロナ禍からの劇的な業績回復と、それに伴う株価の急騰が主な要因です。2022年まで無配だった状況から復配、そして増配へと転じたことも、株主還元姿勢の強化として投資家に好感され、TSRを押し上げる一因となっています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/12期 | 4円 | 55.8% |
| 2017/12期 | 40円 | 28.7% |
| 2018/12期 | 40円 | 86.1% |
| 2019/12期 | 30円 | - |
| 2020/12期 | 0円 | 0.0% |
| 2021/12期 | 0円 | 0.0% |
| 2022/12期 | 0円 | 0.0% |
| 2023/12期 | 0円 | 0.0% |
| 2024/12期 | 40円 | 5.5% |
| 2025/12期 | 70円 | 45.4% |
| 権利確定月 | 6月・12月 |
藤田観光は業績回復に伴い復配を実現し、株主還元を重要な経営課題と位置づけています。今後は配当性向の向上を目指すとともに、株主優待制度の活用により長期保有株主の増大を図る方針です。安定的な配当維持と企業価値向上を両立させる姿勢が明確です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 173.4万円 | 73.4万円 | 73.4% |
| 2022期 | 210.2万円 | 110.2万円 | 110.2% |
| 2023期 | 414.0万円 | 314.0万円 | 314.0% |
| 2024期 | 567.7万円 | 467.7万円 | 467.7% |
| 2025期 | 934.0万円 | 834.0万円 | 834.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同業他社比較では、PERは業界平均より大幅に割安ですが、PBRはやや割高な水準です。これは、コロナ禍からのV字回復による利益急増を株価がまだ完全には織り込んでいない可能性と、歴史ある「椿山荘」などの不動産価値が資産として評価されていることを示唆します。信用倍率は2.48倍と標準的な水準で、特定の方向への過熱感は見られません。今後の決算発表で、インバウンド需要の持続性が確認されるかが株価の焦点となります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/12期 | -165億円 | 0円 | - |
| 2022/12期 | -44.6億円 | 0円 | - |
| 2023/12期 | 70.8億円 | 0円 | 0.0% |
| 2024/12期 | 126億円 | 34.9億円 | 27.6% |
| 2025/12期 | 137億円 | 44.1億円 | 32.2% |
2021年から2022年にかけての赤字期には法人税の支払いは発生しませんでした。2023年3月期は繰越欠損金の解消等により実効税率は0%でしたが、2024年3月期以降は通常の税負担水準へ回帰しています。2026年3月期予想では資産売却益等の計上が想定されるため、一時的に税負担比率が低下する見込みです。
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藤田観光 まとめ
「『椿山荘』の老舗が、コロナ禍の財務リストラを経て、インバウンド追い風と新株主のもとで再起動中」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。