東宝
TOHO CO.,LTD
最終更新日: 2026年3月20日
ゴジラからコナンまで、日本の物語を世界に届けるエンタメの王者
圧倒的なIP展開とグローバル戦略により、世界中に熱狂的な東宝ファンを創出する
この会社ってなに?
映画館で「東宝」のロゴを目にしたことがある方は多いはずです。TOHOシネマズを運営し、『ゴジラ』『名探偵コナン』『鬼滅の刃』など日本を代表する映画の製作・配給を手がけています。映画チケットや演劇招待券がもらえる株主優待は映画ファンに特に人気があります。
FY2025/2の売上高は3,131億円(前期比+10.5%)、営業利益は647億円と売上・利益ともに過去最高を更新しました。邦画配給シェア断トツの映画事業に加え、不動産賃貸事業が安定的なキャッシュカウとして機能しています。北米GKIDSや欧州アニメ・リミテッドの買収により海外アニメ配給網を急速に拡大中で、TOHO Globalの設立を通じてIP展開のグローバル戦略を本格化しています。FY2026/2予想は売上高3,000億円・営業利益570億円と保守的な計画ですが、中計では営業利益700億円以上・ROE恒常10%以上を目標に掲げています。
会社概要
- 業種
- 情報・通信業
- 決算期
- 2月
- 本社
- 東京都千代田区有楽町1-2-2 東宝日比谷ビル
- 公式
- www.toho.co.jp
社長プロフィール
創業者・小林一三の「健全な娯楽を広く大衆に提供する」という理念を胸に、映画や演劇を通じて世界中のお客様に感動をお届けします。コンテンツ・IP領域への積極的な投資とグローバル展開により、さらなる成長を目指してまいります。
この会社のストーリー
創立者である小林一三によって設立され、演劇と映画の興行事業をスタートさせました。
戦後の復興期の中、東京証券取引所に上場し、エンターテインメント企業としての基盤を強固にしました。
日本映画史に残る特撮映画『ゴジラ』を公開。以降、世界中で愛される強力なIPへと成長しました。
わずか5名でアニメ事業室を立ち上げ、翌年には「TOHO animation」をスタートさせました。
米国のGKIDSや英国のアニメ・リミテッドを買収し、グローバルでのファン層拡大に向けた布石を打ちました。
海外向け販売・ライセンス事業を子会社に承継し、IP展開の海外戦略を一層強化しました。
映画ヒット作の連発とアニメIP事業の急成長により、売上高・営業利益ともに過去最高を記録しました。
コンテンツ・IP領域に1000億円を投じる計画を発表し、アニメを第4の柱としてさらなる飛躍を目指します。
注目ポイント
邦画配給と興行収入で圧倒的なトップシェアを誇り、同業他社と比較しても非常に高い営業利益率を維持しています。
近年急成長しているアニメ事業を軸に、海外企業の買収や戦略的提携を進め、世界のファン1000万人獲得を目指しています。
TOHOシネマズなどで使える映画招待券や演劇招待券など、エンタメ企業ならではの魅力的な株主優待が人気です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/2 | 30円 | 21.4% |
| FY2017/2 | 45円 | 24.6% |
| FY2018/2 | 45円 | 24.2% |
| FY2019/2 | 45円 | 26.8% |
| FY2020/2 | 55円 | 27.0% |
| FY2021/2 | 35円 | 42.4% |
| FY2022/2 | 45円 | 26.9% |
| FY2023/2 | 60円 | 31.5% |
| FY2024/2 | 85円 | 32.8% |
| FY2025/2 | 85円 | 33.4% |
| 必要株数 | 100株以上(約16万円) |
| 金額相当 | 約3,600円相当 |
| 権利確定月 | 2月・8月 |
配当額は5期連続で増加しており、FY2024/2には分割後ベースで17円と4年前の約2.4倍に拡大しました。中期経営計画2028では「年間85円(分割後17円)を下限に配当性向35%以上」を掲げており、安定配当と増配の両立を目指しています。加えて映画招待券の株主優待(年2回)は映画ファンにとって非常に魅力的で、優待込みの実質利回りは3%超となっています。
同業比較(収益性)
情報・通信業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
東宝はコロナ禍からの回復局面で力強い成長を遂げ、FY2025/2には売上高3,132億円・営業利益647億円と過去最高業績を更新しました。映画事業では『名探偵コナン』や自社幹事作品のヒットが相次ぎ、演劇・不動産事業も堅調に推移しています。FY2026/2予想は売上高3,000億円・営業利益570億円と保守的な計画ですが、東宝は期初予想を極めて保守的に開示し期中に上方修正する傾向が定着しており、実績は予想を上回る可能性が高いとみられています。
事業ごとの売上・利益
映画製作・配給、映画興行(TOHOシネマズ)、映像事業。邦画配給シェア断トツ首位。
帝国劇場、シアタークリエ等での演劇興行。宝塚歌劇との歴史的つながりも。
映画館跡地を活用したオフィスビル・商業施設の賃貸事業。日比谷・新宿等の一等地に物件保有。
通信販売、飲食、スポーツ施設等の関連事業。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2016/2 | 8.8% | 6.6% | 17.7% |
| FY2017/2 | 10.4% | 8.0% | 21.5% |
| FY2018/2 | 9.6% | 7.5% | 19.6% |
| FY2019/2 | 8.3% | 6.6% | 18.3% |
| FY2020/2 | 9.4% | 7.5% | 20.1% |
| FY2021/2 | 3.8% | 3.1% | 11.7% |
| FY2022/2 | 7.4% | 6.1% | 17.5% |
| FY2023/2 | 8.0% | 6.4% | 18.4% |
| FY2024/2 | 10.0% | 7.9% | 20.9% |
| FY2025/2 | 8.9% | 6.8% | 20.7% |
| FY2026/2 | 11.9% | 7.6% | 18.8% |
営業利益率はFY2021/2の11.7%からFY2024/2には20.9%へと大幅に改善し、FY2025/2も20.7%と高水準を維持しています。ROEは8〜9%台で推移しており、中期経営計画2028では恒常的にROE10%以上を目指す方針を掲げています。映画興行の高い粗利率と不動産賃貸の安定収益が、同業他社と一線を画す高い収益性を支えています。
財務は安全?
総資産はFY2021/2の4,738億円からFY2025/2の6,531億円へと5年間で約1,800億円増加しました。自己資本比率は79.3%から73.3%へやや低下しましたが、これはGKIDS買収等の成長投資に伴い有利子負債(FY2025/2時点で1,068億円)を活用したためです。BPSは一貫して上昇しており、依然として70%超の高い自己資本比率を維持する盤石な財務基盤が特徴です。 【FY2026/2】総資産7029億円、純資産5330億円、自己資本比率63.6%、有利子負債16億円。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/2 | 125億円 | -272億円 | -172億円 | -147億円 |
| FY2022/2 | 535億円 | -360億円 | -125億円 | 174億円 |
| FY2023/2 | 454億円 | -91.8億円 | -191億円 | 362億円 |
| FY2024/2 | 434億円 | -627億円 | -116億円 | -194億円 |
| FY2025/2 | 516億円 | -185億円 | -393億円 | 332億円 |
営業CFはFY2022/2以降毎期430〜530億円台の安定した稼ぎを計上しています。FY2024/2は北米GKIDS(192億円)等の大型買収により投資CFが627億円の支出となりFCFがマイナスに転じましたが、FY2025/2は投資の一巡によりFCFが332億円の黒字に回復しました。財務CFでは自己株式取得や配当支出を賄いつつ、成長投資と株主還元のバランスを取った堅実な資金運営を継続しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/2 | 242億円 | 95.1億円 | 39.3% |
| FY2022/2 | 428億円 | 132億円 | 30.9% |
| FY2023/2 | 478億円 | 144億円 | 30.1% |
| FY2024/2 | 630億円 | 177億円 | 28.1% |
| FY2025/2 | 645億円 | 211億円 | 32.7% |
法人税等の納税額は税引前利益の増加に伴い5年間で約95億円から211億円へと倍増しています。実効税率はFY2021/2の39.3%から低下傾向にあり、FY2024/2には28.1%まで改善しましたが、FY2025/2は32.7%に上昇しました。年度間の税率変動は税効果会計や特別損益の影響によるもので、企業として適切な納税義務を果たしています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,085万円 | 3,873人 | - |
平均年収は4年間で約200万円上昇し、直近は1,084万円と1,000万円の大台を突破。FY2024/2で大幅な賃上げ(+14.8%)を実施。従業員数も352名から447名へ27%増加しており、業績好調を背景に積極的な人材投資を行っている。平均年齢は38.7歳と若返り傾向。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は阪急阪神ホールディングス・阪急阪神不動産・エイチ・ツー・オー リテイリング。
筆頭株主の阪急阪神ホールディングスが13.45%を保有し、阪急阪神不動産(8.93%)と合わせた阪急阪神グループで22%超を占めています。信託銀行(機関投資家)も上位に入り、フジ・メディアHDやTBSテレビなどメディア関連企業が安定株主として名を連ねている点がエンタメ企業らしい特徴です。政策保有株式の多さは指摘されるものの、安定した資本構造が長期的な経営戦略の推進を支えています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 映画事業 | 1,981億円 | 421億円 | 21.3% |
| 演劇事業 | 245億円 | 51億円 | 20.8% |
| 不動産事業 | 611億円 | 187億円 | 30.6% |
| その他事業 | 294億円 | 18億円 | 6.1% |
東宝の収益は映画・演劇・不動産の3本柱にバランスよく分散されています。映画事業が売上の約6割を占める主力ですが、不動産事業が利益率30%超の高収益セグメントとして安定収益を支えています。アニメIPの海外展開強化により映画事業の成長余地はさらに拡大しており、中長期的に「アニメ」を第4の柱として育成する方針です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は22.2%と、日本の上場企業平均を上回る多様性を確保しており、ガバナンス体制の近代化が進んでいます。監査体制も充実しており、47社の連結子会社を抱える大企業として、グループ全体の透明性を高める組織運営が実践されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/2 | 2,530億円 | — | 2,833億円 | +12.0% |
| FY2025/2 | 2,800億円 | — | 3,132億円 | +11.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/2 | 400億円 | — | 593億円 | +48.1% |
| FY2025/2 | 550億円 | — | 647億円 | +17.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
東宝は伝統的に期初予想を極めて保守的に開示する傾向があり、FY2024/2では営業利益の初期予想400億円に対し実績593億円(+48.1%の上振れ)、FY2025/2でも550億円予想に対し647億円(+17.6%)と連続して大幅な上方修正を記録しています。中計2028ではROE恒常10%以上・営業利益700億円以上を目標に掲げ、「人材」「コンテンツ・IP」「デジタル」「海外」を重点領域として成長投資を加速しています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
東宝の5年間TSR(株主総利回り)は222.4%とTOPIX(200.2%)をアウトパフォームしています。特にFY2025は映画事業の過去最高業績と海外M&A戦略への期待から株価が大きく上昇し、TOPIXとの差を広げました。アニメIPのグローバル展開が本格化するにつれ、中長期的にもTOPIXを上回るリターンが期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 121.4万円 | +21.4万円 | 21.4% |
| FY2022 | 146.3万円 | +46.3万円 | 46.3% |
| FY2023 | 146.8万円 | +46.8万円 | 46.8% |
| FY2024 | 153.0万円 | +53.0万円 | 53.0% |
| FY2025 | 222.4万円 | +122.4万円 | 122.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは33.0倍とセクター平均を上回るプレミアム水準で評価されており、これは邦画配給の圧倒的シェアとアニメIP事業の成長期待が織り込まれているためです。PBRも2.88倍と資産価値を大きく上回っており、映画館跡地の不動産含み益やIPの無形資産価値が市場に評価されています。信用倍率は10.6倍と買い残が優勢で、個人投資家の注目度の高さがうかがえます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
「東宝グループ 中期経営計画2028」を策定し、ROE恒常10%以上の目標を掲げました。
通期経常利益を上方修正し、最高益更新を見込む力強い成長性を市場に示しました。
アニメ・リミテッド等の買収を通じ、欧州市場におけるアニメコンテンツ配給網を強化しました。
最新ニュース
東宝 まとめ
ひとめ診断
国内映画興行の絶対王者がアニメIPと海外M&Aで世界のエンタメ市場へ本格進出
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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