KPPグループホールディングス
KPP GROUP HOLDINGS CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月29日
紙の商社から、世界を舞台に進化するグローバル・サステナブル企業へ
伝統的な紙流通事業を基盤としながら、M&Aを通じてグローバルに事業を多角化し、持続可能な社会の実現に貢献する『グローバル・サステナブル商社』へと進化することを目指します。
この会社ってなに?
あなたが毎日手に取る雑誌や本、スーパーでもらう紙袋、お菓子のパッケージ。そういった『紙』が工場で作られてから私たちの手元に届くまで、その裏側を支えているのがこの会社です。世界中のネットワークを使い、必要な紙を必要な場所へ届ける、いわば社会の血液のような役割を担っています。最近では、街で見かける広告看板やお店のディスプレイに使われる素材も扱っており、私たちの暮らしの様々な場面で「伝える」を支える、縁の下の力持ちのような存在です。
国内トップの紙・パルプ専門商社ですが、近年は海外M&Aを積極的に仕掛け、事業ポートフォリオの多角化を推進しています。直近のFY2025実績では売上高6,700.4億円、営業利益135.44億円と堅調な業績を維持。特にオセアニアや欧州でのパッケージング、ビジュアルコミュニケーション分野が新たな成長ドライバーとして期待されています。PBR 0.68倍という割安な株価水準と、連結配当性向30%を目安とする積極的な株主還元策が投資家にとっての注目点です。
会社概要
- 業種
- 卸売業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都中央区明石町6番24号
- 公式
- www.kpp-gr.com
社長プロフィール

私たちは、紙流通の枠を超え、グローバルなネットワークと積極的なM&Aを通じて事業領域を拡大しています。サステナビリティを重視し、パッケージングやビジュアルコミュニケーション分野など成長市場で新たな価値を創造することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
この会社のストーリー
創業者・井上長三郎により、洋紙・板紙・和紙・パルプの販売を目的として「株式会社国際紙業」が設立され、紙の専門商社としての歴史が始まる。
欧州の有力紙商社Antalis社の豪州・NZ事業を買収。これを皮切りに積極的なM&Aを通じて、グローバルな事業ネットワークを急速に拡大していく。
同じく紙の専門商社である大同紙販売株式会社と経営統合し、「国際紙パルプ商事株式会社」に商号変更。国内トップクラスの地位を確立する。
持株会社体制へ移行し、「KPPグループホールディングス株式会社」として東証一部に上場。グローバル企業としての新たなステージへと歩みを進める。
ニュージーランドで食品包装事業を買収するなど、従来の紙事業に加え、パッケージングやビジュアルコミュニケーション分野への投資を加速させる。
安定配当に加え、業績に応じた利益還元として連結配当性向30%を目安とすることを発表。さらに株主優待制度を新設し、株主への還元姿勢を明確にする。
「グローバル・サステナブル商社」への進化を掲げた長期ビジョンを推進。事業の多角化とグローバル展開を通じて、持続的な成長を目指す。
注目ポイント
世界各国の有力企業をM&Aでグループに加え、グローバルな販売網を構築。海外売上高比率が高く、世界を舞台に成長を続けています。
紙の卸売だけでなく、成長分野であるパッケージングやビジュアルコミュニケーション事業へ積極的に投資。時代の変化に対応し、進化し続ける企業です。
配当利回りが高く、連結配当性向30%を目安とする方針を掲げています。さらに株主優待(図書カード)も新設し、株主を大切にする姿勢が魅力です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 10円 | 50.8% |
| FY2022/3 | 14円 | 13.4% |
| FY2023/3 | 20円 | 9.1% |
| FY2024/3 | 22円 | 14.7% |
| FY2025/3 | 34円 | 28.8% |
| 権利確定月 | 3月 |
配当方針として、安定的かつ継続的な配当に加え、業績に応じた利益還元として連結配当性向30%を目安に掲げています。近年の増配傾向により、株主への利益還元が着実に強化されています。今後もグローバルな成長と株主還元の両立を目指す姿勢です。
同業比較(収益性)
卸売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の売上高は、国内外のM&Aによる事業拡大が寄与し、FY2023/3には約6,597億円と過去最高水準に達しました。その後は物価高騰等の影響を受け成長はやや停滞気味ですが、直近でも6,700億円規模を維持しています。営業利益については、FY2023/3の204億円をピークに、コスト増加や事業構造転換の影響でFY2025/3には135億円まで減益傾向となっています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3.2% | 0.5% | -2.1% |
| FY2022/3 | 13.3% | 2.6% | 1.7% |
| FY2023/3 | 23.2% | 4.8% | 3.1% |
| FY2024/3 | 13.0% | 3.1% | 2.5% |
| FY2025/3 | 9.3% | 2.3% | 2.0% |
収益性については、事業拡大期であったFY2023/3にROE 23.2%を記録するなど高い効率性を達成しましたが、直近ではROEが9.3%に落ち着くなど、積極的な投資に伴う資産増大により変動が見られます。営業利益率も同様に、FY2023/3の3.1%からFY2025/3には2.0%へと低下しています。今後はグローバルな事業ポートフォリオの最適化による収益力の安定化が重要課題です。
財務は安全?
財務健全性の面では、FY2024/3以降、積極的な海外M&A実施に伴い有利子負債を計上したことで、自己資本比率は20%台半ばで推移しています。負債の増加は海外事業の拡大を伴うものであるため、今後の投資回収が財務改善の鍵となります。資産規模は3,500億円規模に拡大しており、安定したキャッシュ創出能力を背景に資本の積み増しが続いています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -64.7億円 | 230億円 | 66.0億円 | 166億円 |
| FY2022/3 | 48.2億円 | -26.8億円 | -118億円 | 21.4億円 |
| FY2023/3 | 103億円 | -85.3億円 | 42.0億円 | 17.8億円 |
| FY2024/3 | 198億円 | -55.1億円 | -224億円 | 143億円 |
| FY2025/3 | 112億円 | -166億円 | -112億円 | -54.8億円 |
営業キャッシュフローは概ね安定してプラスを維持しており、本業による稼ぐ力は健在です。一方で、海外M&Aを継続的に実施しているため、投資キャッシュフローは支出超過となる期が目立ちます。FY2025/3は大型買収の影響でフリーキャッシュフローが一時的なマイナスとなりましたが、将来的な成長に向けた戦略的な資金投下といえます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -120億円 | 0円 | - |
| FY2022/3 | 88.4億円 | 13.5億円 | 15.2% |
| FY2023/3 | 184億円 | 26.8億円 | 14.6% |
| FY2024/3 | 125億円 | 18.6億円 | 14.9% |
| FY2025/3 | 97.1億円 | 17.3億円 | 17.8% |
法人税等の実効税率は、過去数年間15%前後の水準で推移してきましたが、FY2026/3期は会計上の見積りにより40.7%へ上昇する見込みです。グローバル展開による各国税制の違いや繰延税金資産の影響が反映されています。今後も利益水準に応じた適正な納税が求められます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 936万円 | 5,974人 | - |
従業員の平均年収は936万円と、国内の製造・卸売業と比較しても非常に高い水準にあります。海外拠点でのM&Aを加速させるグローバル展開が進行中であり、専門的なスキルを持つ人材の確保が反映されていると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は王子ホールディングス・KPPグループホールディングス従業員持株会。
王子ホールディングスが17.45%を保有する筆頭株主であり、安定的な資本関係を構築しています。機関投資家が一定割合を占める一方、持株会や主要銀行も名を連ねており、長期的な視点での資本構成が維持されていることが特徴です。
会社の公式開示情報
役員報酬
紙・パルプの国内最大手であり、近年は海外企業を買収しグローバルなサステナブル商社への転換を図っています。為替変動や原材料価格の変動が事業リスクとして開示されており、グローバル市場での収益性向上が今後の焦点です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は20.0%であり、東証プライム上場企業として一定の多様性を確保しています。連結子会社100社という巨大なグループ体制を支えるため、適正な内部統制と独立した社外取締役による監査体制の強化を継続しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023 | 5,900億円 | — | 6,597億円 | +11.8% |
| FY2024 | 6,500億円 | — | 6,444億円 | -0.9% |
| FY2025 | 6,550億円 | — | 6,700億円 | +2.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023 | 120億円 | — | 204億円 | +70.0% |
| FY2024 | 170億円 | — | 158億円 | -6.9% |
| FY2025 | 165億円 | — | 135億円 | -17.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2031年3月期を最終年度とする長期経営ビジョン「GIFT 2030」を推進中です。売上高1兆円、営業利益400億円という高い目標を掲げており、現時点での進捗率は売上高で約67%、営業利益で約34%となっています。業績予想は期によってブレが見られ、特に利益面での下方修正が散見される点は注意が必要ですが、積極的な海外M&Aを通じて目標達成を目指す姿勢は明確です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、株価上昇と配当による総合的な投資リターンを示す指標です。当社のTSRは、FY2023以降、日本の株式市場全体の動きを示すTOPIXを大幅に上回る(アウトパフォーム)状況が続いています。これは、積極的なM&Aによる業績拡大と、連結配当性向30%を目安とした株主還元強化策が、投資家に高く評価されていることを示唆しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 103.9万円 | +3.9万円 | 3.9% |
| FY2022 | 134.1万円 | +34.1万円 | 34.1% |
| FY2023 | 280.0万円 | +180.0万円 | 180.0% |
| FY2024 | 316.9万円 | +216.9万円 | 216.9% |
| FY2025 | 295.7万円 | +195.7万円 | 195.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
株価指標を見ると、PER・PBRともに業界平均と比較して割安な水準にあります。特にPBRは1倍を大きく下回る0.68倍であり、解散価値から見ても割安と判断できます。一方、信用取引では売り残が買い残を大幅に上回る信用倍率0.12倍となっており、将来の株価下落を見込む投資家が多い状況ですが、これは将来的な買い戻し需要(踏み上げ)の圧力にもなり得ます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
第3四半期決算にて通期経常利益の42%下方修正を発表し、市場の警戒感が強まった。
ニュージーランドでの食品包装事業買収を発表し、グローバルでの事業ポートフォリオ再編を推進。
豪州のビジュアルコミュニケーション関連企業Spandexを買収し、非紙領域での収益拡大を図る。
最新ニュース
KPPグループホールディングス まとめ
ひとめ診断
「創業100年超の紙商社が、脱・紙依存へ向け海外M&Aを加速させ、サステナブル商社へ脱皮中」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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