ケーズホールディングス
K'S HOLDINGS CORPORATION
最終更新日: 2026年3月29日
「がんばらない経営」で、お客様と社員にやさしい家電量販店
お客様、お取引様、地域社会のすべてから最も支持される店舗を創り続けることで、人々の暮らしを豊かにする未来を目指します。
この会社ってなに?
あなたが新しいテレビや冷蔵庫、パソコンなどを買おうと考えるとき、「ケーズデンキ」の看板を目にしたことがあるかもしれません。ケーズホールディングスは、そのケーズデンキを運営している会社です。「新製品が安い」というキャッチフレーズのもと、親切な接客と現金値引きを強みとしています。普段の生活で使う家電製品の購入から、設置工事、アフターサービスまで、私たちの快適な暮らしを身近な場所で支えている存在です。
ケーズホールディングスは、全国に「ケーズデンキ」を展開する家電量販大手です。FY2025の売上高は7,380億円、営業利益は217.8億円と増収増益を確保しましたが、コロナ禍の巣ごもり特需があったFY2021(営業利益517億円)と比較すると利益水準は大きく低下しています。物価高による消費マインドの低下や競争激化が響いており、収益性改善が喫緊の課題です。これに対し、同社はDX推進による効率化と、総還元性向80%を掲げる株主還元強化を打ち出し、企業価値向上を目指しています。
会社概要
- 業種
- 小売業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 茨城県水戸市城南2丁目1番20号
- 公式
- www.ksdenki.co.jp
社長プロフィール
当社は「お客様第一」を揺るぎない理念とし、お客様の暮らしを豊かにする商品とサービスを提供し続けます。中期経営計画では、強みである家電事業に特化しつつ、DXによる効率化と売上拡大を図り、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
この会社のストーリー
創業者・加藤馨氏が茨城県水戸市でラジオ店「加藤電機商会」を設立。これが現在のケーズホールディングスの始まりとなる。
事業拡大に伴い法人化。地域に根差した家電販売店としての基盤を固めていく。
株式公開を果たし、企業としての信頼性を高め、全国展開への足がかりを築く。
全国的な知名度向上を目指し、現在のブランド名に変更。新たなスタートを切る。
M&Aを推進し、グループ経営の効率化を図るため持株会社体制へ移行。全国の有力家電店を傘下に収め、規模を拡大する。
サワハタキャリーサービスを子会社化。配送や設置工事といったサービス品質の向上を図り、顧客満足度を高める挑戦を続ける。
「資本コストや株価を意識した経営」を掲げ、家電事業への特化、DX推進、資本効率の向上を柱とする新計画をスタート。
注目ポイント
中期経営計画で総還元性向80%、配当性向40%を目標に掲げ、「年間1株あたり配当額46円を下限」とする方針を明示。安定した配当が期待できる。
無理な値引き競争やノルマを設けず、社員が親切な接客に集中できる環境を整備。これが顧客満足度と安定した収益につながっている。
多角化せず、本業である家電販売に経営資源を集中。専門性を高めることで、厳しい競争環境の中でも安定した利益創出を目指している。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 40円 | 21.9% |
| FY2022/3 | 43円 | 30.3% |
| FY2023/3 | 44円 | 39.9% |
| FY2024/3 | 44円 | 105.7% |
| FY2025/3 | 44円 | 77.1% |
| 権利確定月 | 3月・9月 |
ケーズホールディングスは、配当性向40%を目標としつつ、年間1株あたり46円を下限配当とする方針を掲げています。総還元性向80%を掲げるなど株主還元に非常に積極的であり、業績低迷期においても安定した配当維持と株主優待の提供を継続しています。強固な財務基盤を背景に、長期的な株主価値の最大化を重視する姿勢が明確です。
同業比較(収益性)
小売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
ケーズホールディングスの業績は、家電販売というコア事業の成熟と消費動向の変化により、売上高が7,000億円から8,000億円規模で横ばいから微減傾向が続いています。特に直近数年は営業利益が100億円台まで落ち込むなど収益力の低下が見られましたが、効率化施策により足元では回復基調にあります。今後はDX推進や店舗運営の最適化を通じて、持続的な利益成長を目指すフェーズにあります。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 14.1% | 9.1% | 6.5% |
| FY2022/3 | 10.3% | 6.5% | 5.6% |
| FY2023/3 | 7.5% | 4.7% | 4.1% |
| FY2024/3 | 2.7% | 1.7% | 2.6% |
| FY2025/3 | 3.8% | 2.3% | 3.0% |
ROE(自己資本利益率)は2021年3月期の14.1%から大きく低下しており、収益性改善が喫緊の課題となっています。営業利益率も一時期の6.5%から直近では3%前後まで低下しており、競争激化による粗利率の圧縮が影響しています。資本効率の向上を意識した経営が求められる中、資本コストを意識した収益構造への転換が現在進行中の課題です。
財務は安全?
自己資本比率は約60%前後を維持しており、極めて強固な財務健全性を有しています。長年無借金経営を続けてきましたが、直近では積極的な資本効率化策の一環として約1,170億円の有利子負債を計上する構成に変化しました。豊富な純資産を背景に、将来の成長投資や株主還元を両立できる財務基盤を保持しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 566億円 | -192億円 | -231億円 | 374億円 |
| FY2022/3 | 242億円 | -95.7億円 | -127億円 | 147億円 |
| FY2023/3 | -21.8億円 | -185億円 | 13.8億円 | -206億円 |
| FY2024/3 | 488億円 | -165億円 | -267億円 | 324億円 |
| FY2025/3 | 362億円 | -158億円 | -273億円 | 204億円 |
営業キャッシュフローは業績連動で変動するものの、依然として年間300億円前後の稼ぐ力を維持しています。投資キャッシュフローは店舗改装やDX投資が中心であり、財務キャッシュフローは配当や自己株買いによる積極的な株主還元姿勢を反映したマイナスとなっています。本業での安定したキャッシュ創出を基盤に、成長投資と還元をバランスよく配分する構造です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 567億円 | 180億円 | 31.7% |
| FY2022/3 | 465億円 | 180億円 | 38.7% |
| FY2023/3 | 353億円 | 141億円 | 40.1% |
| FY2024/3 | 229億円 | 156億円 | 67.8% |
| FY2025/3 | 259億円 | 164億円 | 63.2% |
実効税率が高止まりしている背景には、利益水準の低下に伴い、非損金項目や地方税などの固定的な税負担の比率が相対的に高まっていることが要因です。税引前利益が200億円台に縮小する中で、法人税等の総額が大きく減少しない構造となっています。業績回復に伴い、実効税率は今後標準的な水準へ向けて低下することが見込まれます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 579万円 | 7,232人 | - |
従業員の平均年収は579万円となっており、家電量販店業界の中でも安定した給与水準を維持しています。長年にわたり家電専門店としてのビジネスモデルを貫くことで、景気変動の影響を受けにくい安定的な収益基盤を構築し、それが従業員の安定した待遇に寄与していると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主はケーズデンキ従業員持株会。
ケーズホールディングスの株主構成は、日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった機関投資家が上位を占めており、安定株主としての存在感を示しています。一方で、従業員持株会が7.2%を保有し、加藤一族や関連企業も名を連ねており、創業家や経営陣による一定の影響力が維持されているのが特徴です。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、同社は家電販売事業を主軸としつつ、効率的な経営を重視する姿勢を鮮明にしています。事業リスクとしては、消費税増税や景気低迷による消費行動の抑制、および季節変動による家電製品の需要の波を主要な要素として挙げており、これらに対する収益性の確保が重要な経営課題となっています。
この会社のガバナンスは?
ガバナンス体制においては、女性役員比率が36.4%と高く、多様な視点を取り入れた経営陣の構成が進んでいます。監査体制として監査報酬に9,800万円を投じており、企業規模に見合った厳格な監査を実施することで、高い透明性と健全な経営環境の維持を目指しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 7,350億円 | 7,380億円 | 7,380億円 | +0.4% |
| FY2024 | 7,660億円 | — | 7,184億円 | -6.2% |
| FY2023 | 7,900億円 | — | 7,373億円 | -6.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 200億円 | 215億円 | 218億円 | +8.9% |
| FY2024 | 305億円 | — | 187億円 | -38.6% |
| FY2023 | 430億円 | — | 301億円 | -30.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の「中期経営計画2027」では、最終年度(FY2027)に売上高7,800億円、営業利益310億円を目標に掲げています。初年度であるFY2025は増収増益を達成したものの、目標達成への進捗率は売上高94.6%、営業利益70.3%と、特に利益面でのハードルが高い状況です。過去2期(FY2023, FY2024)では期初予想を大幅に下回っており、計画達成能力には疑問符が付きます。一方で、総還元性向80%という株主還元方針は明確であり、これが株価の下支え要因となるか注目されます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)を見ると、FY2021を除き、一貫してTOPIXのパフォーマンスを下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、コロナ特需後の業績悪化を背景とした長期的な株価低迷が主な要因です。FY2024以降は株価が反発傾向にありますが、TOPIXの上昇ペースには及んでいません。中期経営計画で掲げる資本効率の改善と株主還元の強化が、今後のTSR向上に繋がるかどうかが試されています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 152.6万円 | +52.6万円 | 52.6% |
| FY2022 | 131.6万円 | +31.6万円 | 31.6% |
| FY2023 | 126.1万円 | +26.1万円 | 26.1% |
| FY2024 | 147.7万円 | +47.7万円 | 47.7% |
| FY2025 | 154.1万円 | +54.1万円 | 54.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は0.08倍と極端に低く、信用売り残が買い残を大幅に上回っている「売り長」の状態です。これは将来的な買い戻し(踏み上げ)による株価上昇圧力となる可能性がある一方、業績への懸念から空売りが積み上がっているとも解釈できます。PERは27.3倍と業界平均に比べて割高感があり、市場からの成長期待が織り込まれている水準です。今後の決算で期待に応えられるかが焦点となります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
代表取締役及び役員の内定を発表し、新体制による経営強化へ舵を切る。
地域貢献活動の一環として、水戸ホーリーホックとのトップパートナー契約を継続。
資本効率の改善を掲げる「中期経営計画2027」の進捗状況を公表し、市場からの期待を集める。
最新ニュース
ケーズホールディングス まとめ
ひとめ診断
「『がんばらない経営』を掲げるも、利益率低下と株価低迷に直面し、株主還元強化で活路を見出そうとする家電量販大手」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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