青山商事
AOYAMA TRADING Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月29日
スーツの巨人、変革への挑戦。伝統と革新で未来を仕立てるビジネスウェアの雄
ビジネスウェア事業を中核としながら、生活者のライフスタイルを豊かにする多様なサービスを提供し、持続的に成長する企業グループを目指します。
この会社ってなに?
あなたが就職活動や入学式で初めてスーツを買ったのは「洋服の青山」だったかもしれません。普段、駅ナカや街角で見かける靴やかぎの修理店「ミスターミニット」も、実は青山商事が運営しているサービスです。最近では、仕事で着られるカジュアルなジャケットやパンツの品揃えも増えており、あなたのオフィスカジュアルの選択肢を広げてくれています。このように、人生の節目となるフォーマルな場面から、日々の暮らしのちょっとしたニーズまで、青山商事は幅広くあなたの生活に関わっています。
紳士服最大手の青山商事は、コロナ禍でのスーツ需要激減によるFY2021の144億円の営業赤字から劇的なV字回復を遂げ、FY2025には営業利益125.73億円を達成しました。この回復は、ビジネスウェアのカジュアル化対応やオーダースーツの強化、不採算事業の整理に加え、靴修理「ミスターミニット」や飲食事業といった多角化が牽引しています。FY2025には1株当たり134円と大幅な増配を記録し株主還元を強化している一方、PBR0.23倍という指標は、市場が依然として資産価値に対して極めて割安な評価を下していることを示唆しています。
会社概要
- 業種
- 小売業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 広島県福山市王子町1-3-5
- 公式
- www.aoyama-syouji.co.jp
社長プロフィール

持続的な成長を基盤に、生活者への小売・サービスを通じて社会貢献を目指します。ビジネスウェア事業の変革を推進するとともにお客様の多様なニーズにお応えし、企業価値の向上に努めてまいります。
この会社のストーリー
青山五郎が広島県府中市にて、青山商事を設立。紳士服販売の歴史がここから始まる。
日本初となる郊外型紳士服専門店を広島県東広島市にオープン。モータリゼーションの到来を見据えた戦略が成功し、全国展開の礎を築く。
創業から23年で株式上場を果たす。社会的信用を獲得し、さらなる事業拡大への弾みをつける。
全国的な知名度と信用を高め、日本の紳士服業界におけるトップ企業への道を確実なものにする。
在宅勤務の普及によりスーツ需要が激減。創業以来の大きな試練に直面し、事業構造の変革が急務となる。
スーツ事業で培ったノウハウを活かしつつ、靴修理店「ミスターミニット」の運営やフランチャイズでの飲食事業など、多角化を本格化させる。
若者世代を取り込むため、デジタルコンテンツを活用した新たなコンセプトストア「AO+」をオープン。新たな顧客層の開拓に挑む。
注目ポイント
株主還元に積極的で、安定した配当を継続しています。検索情報によると配当利回りは5%を超える水準で、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的です。
紳士服市場の変化に対応するため、カジュアルウェアや飲食事業、100円ショップのFC展開など事業の多角化を推進。時代のニーズに合わせた変革に挑戦しています。
全国の「洋服の青山」「スーツスクエア」などで使える買物割引券が株主優待として提供されます。普段のお買い物をよりお得に楽しめる、個人投資家にとって嬉しい制度です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 0.37円 | 29.5% |
| FY2023/3 | 1.23円 | 30.3% |
| FY2024/3 | 3.1円 | 32.1% |
| FY2025/3 | 6.37円 | 70.4% |
| 必要株数 | 100株以上(約26万円) |
| 金額相当 | 利用回数によるため評価額は変動 |
| 権利確定月 | 3月・9月 |
業績回復とともに配当を大幅に増額しており、株主還元を最重要経営指標の一つとして位置づけています。配当性向の向上を通じた積極的な利益還元を実施しており、現在の配当利回りは非常に高い水準です。持続可能な成長と利益配分を両立させる方針です。
同業比較(収益性)
小売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
コロナ禍での深刻な赤字から脱却し、紳士服市場の回復と事業多角化が奏功して売上高は1,947億円まで順調に回復しました。営業利益も着実に積み上がっており、効率的な店舗運営やコスト管理が功を奏しています。2026年3月期はさらなる増収増益を見込み、安定した成長軌道に戻っています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -23.6% | -11.8% | -8.9% |
| FY2022/3 | 0.8% | 0.4% | 1.3% |
| FY2023/3 | 2.5% | 1.3% | 3.9% |
| FY2024/3 | 5.6% | 3.0% | 6.2% |
| FY2025/3 | 5.2% | 3.0% | 6.5% |
コロナ禍のマイナス水準から劇的に改善し、直近では営業利益率が6.5%に達するなど収益構造が大きく強化されています。店舗のスクラップ&ビルドや高収益業態への転換が効いており、ROE(自己資本利益率)も5%台まで回復しました。今後のさらなる効率化により、資本効率の向上が期待されます。
財務は安全?
有利子負債が増加しているものの、総資産の圧縮と純資産の増強を進めており、自己資本比率は55.8%という高い健全性を維持しています。財務体質の強化とともに資産効率の改善も進行中です。安定した財務基盤を背景に、強固な経営体制を構築しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -61.4億円 | 132億円 | -97.8億円 | 70.9億円 |
| FY2022/3 | 165億円 | 37.8億円 | -4.7億円 | 203億円 |
| FY2023/3 | 231億円 | -32.6億円 | -44.8億円 | 198億円 |
| FY2024/3 | 130億円 | -24.9億円 | -185億円 | 105億円 |
| FY2025/3 | 138億円 | 57.4億円 | -211億円 | 195億円 |
本業の稼ぐ力を示す営業CFは安定して黒字を確保しており、堅実なキャッシュ創出能力を示しています。投資CFは資産の入れ替えや戦略的投資を柔軟に行い、FCF(フリーキャッシュフロー)も安定してプラスを維持しています。潤沢なキャッシュは積極的な株主還元や債務圧縮に活用されています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -114億円 | 0円 | - |
| FY2022/3 | 51.5億円 | 38.0億円 | 73.8% |
| FY2023/3 | 87.3億円 | 44.6億円 | 51.0% |
| FY2024/3 | 125億円 | 24.1億円 | 19.3% |
| FY2025/3 | 126億円 | 32.3億円 | 25.6% |
赤字期の税負担免除から復帰後、業績回復に伴い納税額も増加しています。過去には一時的に高い実効税率が記録されましたが、直近では安定した水準で推移しています。今後の業績拡大に伴い、標準的な法人税負担へ回帰していく見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 507万円 | 6,561人 | - |
従業員平均年収は507万円であり、アパレル・小売業界としては標準的な水準です。紳士服市場の縮小に伴う構造改革が進む中、非衣料事業への多角化など収益源の多様化が、従業員の待遇維持と安定雇用に寄与していると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主はHK・STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223 (常任代理人:みずほ銀行決済営業部)。
大株主には日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行などの信託口が上位を占めており、機関投資家による保有割合が高い構成です。創業家関連の法人や個人名も名を連ねていますが、全体としては市場を通じた流動性の高い安定株主が中心となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
主力である紳士服事業に加え、カード事業や飲食事業など多角的なビジネスモデルを展開している点が特徴です。少子高齢化やライフスタイルの変化によるスーツ需要の低迷が事業リスクとして開示されており、これに対応するためのデジタル特化型店舗「AO+」の展開等が今後の成長の鍵となります。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は20.0%と一定の多様性を確保しており、社外取締役を登用することで経営の監督機能を強化しています。連結子会社23社を抱える企業規模に対し、監査報酬の適切な支出を通じて透明性の高いガバナンス体制の構築を目指しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 1,970億円 | 1,945億円 | 1,937億円 | -1.7% |
| FY2023 | 1,845億円 | — | 1,835億円 | -0.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 110億円 | 114億円 | 119億円 | +8.3% |
| FY2023 | 59億円 | — | 71億円 | +20.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画では、最終年度FY2026に売上高2,100億円、営業利益150億円を目標に掲げています。FY2025実績ベースで営業利益の進捗率は83.8%と順調ですが、売上高は92.8%とややビハインドしています。特筆すべきはROE目標10%以上に対し、FY2025実績で20.29%と大幅に前倒しで達成している点です。これは厳しいコスト管理と資産圧縮による資本効率の改善が奏功した結果であり、稼ぐ力の回復を強く印象付けています。今後はトップラインの回復ペースが計画達成の鍵となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、株価変動と配当を合わせた投資家リターンを示す指標です。FY2024まではTOPIXを大幅に下回るアンダーパフォームが続いていましたが、これはコロナ禍でのスーツ需要の低迷による株価の長期低迷が主な原因です。しかし、FY2025には自社TSRが244.3%とTOPIXの213.4%を上回り、アウトパフォームに転じました。これは、業績のV字回復と大幅な増配が市場に評価され、株価が大きく回復したことを示しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 89.1万円 | -10.9万円 | -10.9% |
| FY2022 | 73.7万円 | -26.3万円 | -26.3% |
| FY2023 | 104.7万円 | +4.7万円 | 4.7% |
| FY2024 | 199.8万円 | +99.8万円 | 99.8% |
| FY2025 | 244.3万円 | +144.3万円 | 144.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
特筆すべきは業界平均と比較した際の指標の割安さです。PERは4.3倍(業界平均22.0倍)、PBRは0.23倍(同1.8倍)と極端に低い水準にあります。これは市場が同社の将来性に対して慎重な見方をしているか、あるいは資産価値が株価に全く反映されていない状態を示唆します。信用倍率は9.56倍と買い残が多く、将来の株価上昇を期待する個人投資家が多い一方、需給面での重さも懸念されます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
Z世代をターゲットにしたデジタル特化型店舗「AO+(アオヤマプラス)」の1号店を東京・高円寺に出店。
働き方改革の一環として「洋服の青山」など577店舗の元日休業を実施し、従業員のワークライフバランスを向上。
第3四半期累計の連結最終利益が前年同期比75.3%減の4.1億円となり、紳士服市場の競争激化と需要低迷が影響した。
最新ニュース
青山商事 まとめ
ひとめ診断
「スーツ不況からのV字回復、カジュアル化と多角化で『働く服』の再定義に挑む老舗」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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