阪和興業
HANWA CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月29日
鉄鋼を軸に未来を拓く、独立系マルチプレイヤー商社
2030年に向けて、既存の枠組みを超える未知の領域へ挑戦し、持続的な成長を実現すること。
この会社ってなに?
あなたが普段利用する電車や自動車、住んでいるマンション。その骨格となる鉄骨や鋼材を、世界中から集めて日本のものづくりを支えているのが阪和興業です。それだけではありません。あなたがスーパーで手にするお寿司のネタ、例えばサーモンやエビも、実は同社が海外から買い付けてきたものかもしれません。私たちの生活に欠かせない「素材」や「食」の流れを、世界規模で作り出している縁の下の力持ちなのです。
独立系の鉄鋼商社大手。FY2025は売上高2兆5,545億円、営業利益615億円と堅調な業績を維持しています。近年はM&Aにも積極的で、鉄鋼事業で築いた基盤を活かし、食品やエネルギー、リサイクルメタルなど事業の多角化を推進。PBR0.17倍と極端な割安水準にあり、積極的な増配による株主還元姿勢が市場の評価を変えられるかが焦点です。
会社概要
- 業種
- 卸売業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市中央区伏見町4丁目3番9号
- 公式
- www.hanwa.co.jp
社長プロフィール

創業以来70年以上にわたり、独立系商社として自ら知恵を絞り、汗を流して商売を創り上げてきました。この強みを活かし、「中期経営計画2025」のもとサステナビリティ経営を推進し、さらなる成長を目指して未知の領域へ挑戦し続けます。
この会社のストーリー
和歌山県に本社を置く鉄鋼二次製品問屋として創業。戦後の復興需要を背景にビジネスをスタートさせた。
創業から16年で株式上場を果たし、企業としての信頼性を高め、さらなる事業拡大への基盤を築いた。
日本の主要証券取引所の第一部に上場し、日本を代表する企業の一つとしての地位を確立した。
世界的な経済活動の停滞を受け、投資有価証券評価損などを計上し、当期純損失を記録。厳しい経営環境に直面した。
市況の回復を捉え、V字回復を達成。前期の赤字から一転し、過去最高となる444億円の純利益を記録した。
サステナビリティ経営を基礎とし、2030年に向けたさらなる成長を目指す新中期経営計画を始動させた。
兼松トレーディングの買収やゼネラル・オイスターとの資本提携など、積極的なM&Aを通じて事業ポートフォリオを強化。
注目ポイント
配当性向30%以上を目安とした安定的な配当を基本方針としており、継続的な増配も実施。株主への利益還元に積極的です。
鉄鋼事業の強化に加え、食品や建設関連など、成長が見込める分野でのM&Aや資本提携を積極的に行い、事業の多角化を推進しています。
2020年度の赤字からわずか2年で過去最高益を達成。市況の変化に柔軟に対応し、収益機会を捉える経営手腕が光ります。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 6円 | 12.4% |
| FY2022/3 | 10円 | 9.3% |
| FY2023/3 | 13円 | 10.3% |
| FY2024/3 | 18.5円 | 19.6% |
| FY2025/3 | 22.5円 | 20.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
阪和興業は株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、配当性向20%~25%程度を目安とした継続的かつ安定的な配当を実施しています。業績の成長に合わせて1株あたり配当金を積極的に増額しており、高い配当利回りが投資家から評価されています。今後も強固な経営基盤のもと、株主への還元と成長投資のバランスを重視した資本政策を継続する方針です。
同業比較(収益性)
卸売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
阪和興業の業績は、鉄鋼および金属製品の市況変動の影響を強く受けつつ、2023年3月期には純利益が515億円に達する最高益を記録しました。その後、市況の落ち着きや需要調整により一時は減益となりましたが、直近の2025年3月期には純利益455億円まで回復基調にあります。今後は安定した流通・在庫管理能力を背景に、売上高2兆6,000億円規模を維持する堅調な推移を見込んでいます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 10.2% | 2.4% | 1.7% |
| FY2022/3 | 18.1% | 2.5% | 2.9% |
| FY2023/3 | 16.7% | 4.4% | 2.4% |
| FY2024/3 | 10.8% | 3.3% | 2.0% |
| FY2025/3 | 11.7% | 3.9% | 2.4% |
収益性については、営業利益率が2%前後で安定的に推移しており、商社ビジネスとしての堅実な収益構造を確立しています。ROE(自己資本利益率)は時期により10%から18%の範囲で変動しており、効率的な資本運用を行っています。鉄鋼のみならず食品やエネルギーなど多角的な事業展開が、市況の波を吸収しROA(総資産利益率)を3%台後半へ押し上げる原動力となっています。
財務は安全?
財務健全性については、2022年3月期に総資産が急拡大したものの、その後は自己資本の蓄積により自己資本比率が32.9%まで着実に改善しています。有利子負債は約7,112億円規模と事業規模相応の水準を維持していますが、純資産の厚みが増したことでバランスシートの安定感は高まっています。今後もバランスの取れた資産管理を通じて、長期的かつ健全な資本基盤を維持する方針です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 190億円 | -41.9億円 | -342億円 | 148億円 |
| FY2022/3 | -2,808億円 | -150億円 | 4,068億円 | -2,957億円 |
| FY2023/3 | 2,842億円 | -65.4億円 | -3,518億円 | 2,777億円 |
| FY2024/3 | 182億円 | 10.1億円 | -263億円 | 192億円 |
| FY2025/3 | 101億円 | -218億円 | 2.9億円 | -117億円 |
営業キャッシュフローは在庫変動等の影響を受けやすく変動幅が大きいものの、2023年3月期には約2,842億円という大幅なプラスを記録し、高い稼ぐ力を証明しました。投資活動においては成長分野へのM&Aや設備投資を継続しており、フリーキャッシュフローは年度によって一時的な流出も見られますが、全体として事業拡大のための循環的な資金投下が行われています。潤沢な営業CFを原資として、安定的な配当と将来の成長投資を両立させる体制を構築しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 288億円 | 92.0億円 | 31.9% |
| FY2022/3 | 627億円 | 191億円 | 30.5% |
| FY2023/3 | 643億円 | 128億円 | 19.9% |
| FY2024/3 | 483億円 | 98.6億円 | 20.4% |
| FY2025/3 | 597億円 | 143億円 | 23.9% |
法人税等の支払額は税引前利益の変動に連動しており、近年は200億円を下回る水準で推移しています。実効税率については年度により変動が見られますが、概ね20%から30%の範囲内に収まっています。連結納税や繰越欠損金の利用状況により一時的に税負担率が低くなる年もありますが、安定した利益計上に伴い、適正な納税が行われています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 926万円 | 5,688人 | - |
従業員の平均年収は926万円と、卸売業の中でも非常に高い水準を維持しています。鉄鋼・非鉄金属商社として、ニッチながらも高付加価値な事業を展開することで強固な収益基盤を築いており、それが従業員への厚い処遇につながっていると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は阪和興業取引先持株会・三井住友銀行。
大株主には信託銀行等の機関投資家が名を連ねており、日本マスタートラスト信託銀行が13.65%と筆頭株主である点が特徴的です。また、取引先持株会や社員持株会による保有比率が合計で8.64%と高く、安定的な経営基盤を支える構造となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業リスクとして、鋼材を中心とした商品市況変動や為替相場の影響を強く受ける点が挙げられます。鉄鋼・エネルギー・食品など多角的な事業展開によりリスク分散を図っていますが、世界的な経済情勢や環境規制の影響を注視する必要がある経営体制です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は14.3%とさらなる改善の余地があるものの、社外取締役を含めた適正な監査体制を構築しています。62社の連結子会社を抱える規模感に対してガバナンスの透明性を重視しており、中長期的なサステナビリティ経営を強力に推進しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 2兆8,000億円 | — | 2兆5,545億円 | -8.8% |
| FY2024 | 2兆7,000億円 | — | 2兆4,320億円 | -9.9% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 610億円 | — | 615億円 | +0.9% |
| FY2024 | 600億円 | — | 497億円 | -17.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の「中期経営計画 2025」では、最終年度のFY2026業績予想を目標としてトラッキングしています。直近FY2025実績では、売上高こそ未達だったものの、営業利益と純利益は最終年度目標を1年前倒しで達成しました。これは鋼材市況の変動をうまく捉え、利益率を確保できた結果です。一方で、過去の業績予想は売上高を中心に未達となるケースが散見され、市況変動の大きい事業環境下での売上コントロールが課題と言えます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。阪和興業のTSRは、FY2021からFY2025までの5年間連続でTOPIXを大幅にアウトパフォームしています。これは、堅調な業績を背景とした積極的な増配と、それに伴う株価の上昇が両輪で寄与した結果です。特にFY2024にはTSRが380.8%に達するなど、株主への高いリターンを実現しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 205.4万円 | +105.4万円 | 105.4% |
| FY2022 | 202.1万円 | +102.1万円 | 102.1% |
| FY2023 | 251.8万円 | +151.8万円 | 151.8% |
| FY2024 | 380.8万円 | +280.8万円 | 280.8% |
| FY2025 | 332.3万円 | +232.3万円 | 232.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
特筆すべきは、PER1.6倍、PBR0.17倍という極端な割安さです。これは卸売業の平均と比較しても際立って低く、市場からの評価が低い状態を示唆しています。一方で、配当利回りは14%を超え、株主還元への意欲は高いです。信用倍率は14.46倍と買い残が多く、将来の株価上昇を期待する個人投資家が多いものの、需給面では上値が重くなる可能性があります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
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第3四半期累計の連結経常利益が前年同期比15.7%減となり、市況鈍化が鮮明化。
Tリーグとの協業による卓球ラバーのリサイクルプログラムを開始し、環境対応をアピール。
最新ニュース
阪和興業 まとめ
ひとめ診断
「独立系鉄鋼商社が、資源価格の波を乗りこなし、水産物からM&Aまで手掛ける超割安バリュー株」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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