シップヘルスケアホールディングス
SHIP HEALTHCARE HOLDINGS,INC.
最終更新日: 2026年3月22日
病院のすべてを支える。医療介護の総合プラットフォーマー
「SHIP VISION 2030」のもと、医療介護分野のトータルソリューションプロバイダーとして、売上成長率5%・営業利益率4%の達成を目指します。
この会社ってなに?
シップヘルスケアHDの事業は、あなたが病院を訪れるたびに関わっています。手術室の医療機器、MRIやCTなどの大型設備、病院内の物流管理、さらには調剤薬局での処方まで、医療機関の「裏側」をワンストップで支えている会社です。高齢化が進む日本で、地域の病院が安心して医療を提供できるインフラを担っています。
シップヘルスケアホールディングスは、病院向け医療機器・設備の販売を軸に、調剤薬局やヘルスケアサービスまで展開する医療介護分野の総合企業です。FY2025/3期に売上高6,782億円・純利益151億円と過去最高を達成し、FY2026/3期も売上7,000億円・純利益155億円への増収増益を見込みます。中期経営計画「SHIP VISION 2030」では売上成長率5%・営業利益率4%を定量目標に掲げ、M&Aによるグループ拡大と既存事業の収益改善を推進中。一方で営業利益率3〜4%台と薄利体質が課題であり、創業者の影響が残る株主構成も注目点です。
会社概要
- 業種
- 卸売業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府吹田市春日3-20-8
- 公式
- www.shiphd.co.jp
社長プロフィール
「医療・保健・福祉・介護の分野で社会に貢献する」という理念のもと、お客様である医療機関が安心して医療を提供できる環境をトータルに支援してまいります。グループ一丸となって持続的な成長を実現します。
この会社のストーリー
古川國久氏が大阪で医療機器の販売事業を開始。「病院のすべてを支える」というビジョンを掲げ、創業の一歩を踏み出しました。
東京証券取引所に上場し、資金調達力を強化。積極的なM&A戦略の基盤を築きました。
医療機器販売、調剤薬局、介護サービスなど関連分野の企業を次々と買収し、連結子会社50社超のグループへと成長しました。
大阪重粒子線センターの運営に参画するなど、医療機関の経営そのものに関わる高付加価値事業を開始し、新たな収益の柱を育成しました。
感染症対策設備や仮設発熱外来ユニットの販売が急増。医療インフラを支える企業としての存在感を示しました。
FY2025/3期に過去最高の売上高を達成。新中計「SHIP VISION 2030」を策定し、売上1兆円への飛躍を見据えた成長戦略を発表しました。
注目ポイント
創業以来、一貫して右肩上がりの成長を続けてきた実績は、医療インフラ企業としての強固な事業基盤を証明しています。
医療機器販売にとどまらず、病院建設コンサル、調剤薬局、介護施設、さらには重粒子線治療施設まで、医療機関のあらゆるニーズに応える総合力が最大の強みです。
日本の医療費は年間45兆円を超え、今後も増加が見込まれます。病院の建替え需要や在宅介護の拡大など、事業環境の追い風が続く領域でポジションを確立しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 26.9円 | 30.8% |
| FY2017/3 | 30円 | 32.2% |
| FY2018/3 | 32円 | 31.3% |
| FY2019/3 | 35円 | 30.7% |
| FY2020/3 | 37.5円 | 30.2% |
| FY2021/3 | 80円 | 61.5% |
| FY2022/3 | 41円 | 31.8% |
| FY2023/3 | 42円 | 32.9% |
| FY2024/3 | 50円 | 34.2% |
| FY2025/3 | 58円 | 36.2% |
株主優待制度なし
FY2021/3期の80円から株式分割の影響で一時的に減少しましたが、FY2022/3期以降は3期連続で増配を実施しています。FY2026/3期は60円(予想)への増配を計画しており、配当利回りは2.5%前後と安定的な水準です。配当性向は30〜36%台で推移しており、将来の事業展開に必要な内部留保とのバランスを重視した方針です。株主優待制度は設けていません。
同業比較(収益性)
卸売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上高は5期連続の増収を達成し、FY2025/3期に6,782億円と過去最高を記録しました。FY2026/3期は売上高7,000億円・営業利益260億円を見込んでいます。ただし営業利益率は3〜4%台で推移しており、卸売業の特性上、利益の絶対額に対して売上規模が大きい構造です。EPSは順調に成長しており、株主にとっては増配期待が高まる局面と言えます。
事業ごとの売上・利益
医療機器・設備の販売が主力。病院向けの医療材料・医療機器の物流を一括で担い、全国に販売ネットワークを展開。売上構成比で約62%を占めるグループ最大の事業セグメント。
新病院の建設コンサルティングから医療機器の選定・導入まで、病院建設をトータルにプロデュースする高付加価値事業。建替え需要の増加で安定成長が見込まれる。
介護施設運営、給食サービス、リネンサプライなど、医療・介護周辺サービスを展開。高齢化社会で需要拡大が期待される成長分野。
全国130店舗以上の調剤薬局を展開。提携する病院近隣に出店する戦略で、地域に根差した「かかりつけ薬局」を運営。
大阪重粒子線センターの運営や病院経営支援など、医療機関の運営そのものに関わる高付加価値サービスを提供。グループ内で最も高い利益率を誇る注力分野。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 13.1% | 3.7% | 1.5% |
| FY2022/3 | 12.7% | 3.6% | 1.6% |
| FY2023/3 | 12.4% | 3.2% | 1.4% |
| FY2024/3 | 12.5% | 3.6% | 1.4% |
| FY2025/3 | 10.0% | 4.0% | 1.2% |
ROEは9〜11%台で安定しており、卸売業としては比較的高い水準です。一方で営業利益率は3.7〜4.4%と、卸売業の構造的な薄利体質が反映されています。中期経営計画「SHIP VISION 2030」では営業利益率4%以上を目標に掲げており、ヘルスケアサービス事業など高付加価値領域の拡大が利益率改善のカギとなります。
財務は安全?
総資産は約3,817億円で、自己資本比率は33〜39%で推移しています。FY2024/3期にM&A関連の有利子負債が約1,004億円に増加しましたが、FY2025/3期には628億円まで圧縮し、財務健全性が改善しました。BPSは5期連続で増加しており、1株当たりの資産価値が着実に積み上がっています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 198億円 | -193億円 | -105億円 | 4.8億円 |
| FY2022/3 | 124億円 | -38.7億円 | -88.4億円 | 85.6億円 |
| FY2023/3 | 141億円 | -67.7億円 | -10.2億円 | 73.3億円 |
| FY2024/3 | 316億円 | -72.0億円 | -205億円 | 244億円 |
| FY2025/3 | 204億円 | -40.3億円 | -246億円 | 164億円 |
営業キャッシュフローは124〜316億円の範囲で推移し、FY2024/3期に316億円と過去最高を記録しました。FY2025/3期のFCFは約164億円と潤沢で、有利子負債の返済と配当支払いに充当。投資CFはM&A関連を除けば比較的小さく、医療機器卸としてのアセットライトなビジネスモデルが反映されています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 218億円 | 94.8億円 | 43.6% |
| FY2022/3 | 213億円 | 91.2億円 | 42.8% |
| FY2023/3 | 206億円 | 85.4億円 | 41.5% |
| FY2024/3 | 252億円 | 114億円 | 45.3% |
| FY2025/3 | 260億円 | 109億円 | 41.9% |
実効税率は41〜45%台で推移しており、法定実効税率に近い水準です。FY2024/3期に45.3%へ上昇した後、FY2025/3期は41.9%に低下。業績拡大に伴い納税額も100億円規模に達しており、適正な税負担のもと着実に利益を計上しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 811万円 | 7,805人 | - |
平均年収は約811万円で、卸売業界の中では上位水準です。連結従業員数は7,805名(単体)に加え、臨時従業員6,188名を擁する大所帯で、全国の医療機関を支えるネットワーク人材を多数抱えています。平均年齢42.9歳、平均勤続年数9.3年とM&Aによるグループ拡大が反映された構成となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主はコッコー。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(約13%)で機関投資家中心の構成です。特徴的なのはコッコー(約8.5%)や春日興産(約3%)といった創業家関連法人が上位に位置する点で、古川幸一郎氏(約2.6%)と合わせて創業家の影響力が一定程度残っています。海外機関投資家の比率も高く、STATE STREET BANKやJP MORGANが大口保有しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| メディカルサプライ事業(MS) | 4,200億円 | 125億円 | 3.0% |
| トータルパックプロデュース事業(TPP) | 1,100億円 | 55億円 | 5.0% |
| ライフケア事業(LC) | 600億円 | 18億円 | 3.0% |
| 調剤薬局事業(PH) | 500億円 | 20億円 | 4.0% |
| ヘルスケアサービス事業(HS) | 380億円 | 30億円 | 7.9% |
メディカルサプライ事業が売上の6割超を占める卸売中心の構成です。利益率が最も高いのはヘルスケアサービス事業(7.9%)で、中計でも注力分野として位置づけられています。主なリスクとして診療報酬改定や同業他社との価格競争がありますが、トータルパックプロデュース事業の建替え需要や高齢化に伴うライフケア事業の成長が、利益構造の改善を牽引すると期待されます。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役を含む役員15名中、女性は1名(7.0%)でダイバーシティの改善余地があります。連結子会社57社を擁するグループ経営体制で、M&Aにより拡大を続けています。設備投資は44.5億円と手堅い水準で、医療機器卸としてのアセットライトなビジネスモデルが反映されています。平均勤続年数9.3年は、活発なM&Aによるグループ人材の流入が影響しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 670,000百万円 | — | 678,229百万円 | +1.2% |
| 2024年3月期 | 620,000百万円 | — | 630,988百万円 | +1.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 25,000百万円 | — | 24,779百万円 | -0.9% |
| 2024年3月期 | 24,000百万円 | — | 24,535百万円 | +2.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
前中計「SHIP VISION 2024」では売上高が目標を超過達成し、堅実な経営が確認されました。新たに策定した「SHIP VISION 2030」では、M&Aを含む成長投資と営業利益率4%への改善を両輪で進める方針です。過去の業績予想精度は高く、売上は上振れ傾向にあるものの、利益面では卸売業の構造的な薄利がハードルとなります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は当期で自社101.0%に対しTOPIX 213.4%と、市場平均を大幅にアンダーパフォームしています。医療関連銘柄全体の停滞感に加え、卸売業としてのバリュエーション面での評価の低さが背景にあります。ただし配当利回りを考慮した実質リターンは元本を維持しており、「守り」の銘柄としての特性が表れています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 四期前 | 142.4万円 | +42.4万円 | 42.4% |
| 三期前 | 93.5万円 | -6.5万円 | -6.5% |
| 前々期 | 115.7万円 | +15.7万円 | 15.7% |
| 前期 | 102.8万円 | +2.8万円 | 2.8% |
| 当期 | 101.0万円 | +1.0万円 | 1.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは14.5倍と業界平均をやや下回り、割安感があります。一方でPBRは1.51倍と業界平均を上回っており、M&Aによるのれん・無形資産の蓄積が反映されています。信用倍率は1.15倍と拮抗しており、売り買いが均衡した状態です。配当利回り2.51%は業界平均を上回る水準です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/3期の通期決算を発表。売上高6,782億円(前期比+7.5%)、純利益151億円と過去最高を更新しました。
新中期経営計画「SHIP VISION 2030」を策定。売上成長率5%・営業利益率4%を定量目標に掲げ、5年間の成長戦略を発表しました。
FY2026/3期上期の経常利益が前年同期比4%増と着地。一方で下期は横ばい見通しとなり、通期計画は据え置きとなりました。
第3四半期累計の売上高は5,224億円(前年同期比+6.1%)と増収を維持。営業利益は144億円(同-4.4%)とやや減益での着地となりました。
最新ニュース
シップヘルスケアホールディングス まとめ
ひとめ診断
「医療機器流通のトップ企業が売上7,000億円を射程に、M&Aとヘルスケアサービスで総合医療プラットフォームへ進化」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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