三陽商会8011
SANYO SHOKAI LTD.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが百貨店を訪れ、少し特別な日のためのコートやジャケットを探しているとき、その上質な一着は三陽商会が手がけているかもしれません。同社は「マッキントッシュ ロンドン」や「ポール・スチュアート」といった、流行に左右されない本格的なブランドを展開しています。特に有名なのが「100年コート」。これは「世代を超えて永く着られる本当に良いもの」というコンセプトで作られており、普段目にするアパレルの裏側で、日本の高い技術力と品質へのこだわりを追求している会社です。
三陽商会は、バーバリーとのライセンス契約終了後の長期低迷から劇的なV字回復を遂げています。2025年2月期決算では、売上高605.3億円、営業利益27.15億円を記録し、純利益は投資有価証券売却益もあり40.07億円と大幅に伸長しました。不採算事業の整理やコスト削減といった構造改革が奏功し、収益性が着実に改善。株価も底値から7倍以上に回復し、配当も前期の88円から129円へと大幅に増配しており、株主還元への意識も高まっています。
会社概要
- 業種
- 繊維製品
- 決算期
- 2月
- 本社
- 東京都新宿区四谷本塩町6-14
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2016/02期 | 22.9% | 14.1% | 12.5% |
| 2017/02期 | 2.1% | 1.3% | 3.0% |
| 2018/02期 | 1.7% | 1.1% | 3.7% |
| 2020/02期 | 6.4% | 3.9% | 4.2% |
| 2021/02期 | 13.8% | 8.7% | 23.5% |
| 2022/02期 | 2.0% | 1.3% | 2.7% |
| 2023/02期 | 6.1% | 4.1% | 3.8% |
| 2024/02期 | 7.2% | 4.9% | 5.0% |
| 2025/02期 | 9.9% | 6.9% | 4.5% |
| 2026/02期 | 11.9% | 7.0% | 2.2% |
収益性は、2021年3月期の営業赤字(約89億円)から、構造改革による販売管理費の削減と高単価ブランドの強化により、着実に改善しています。営業利益率は2024年3月期に5.0%まで回復し、効率的な生産・販売体制の構築が利益率向上に寄与しました。今後は、さらなるブランドポートフォリオの最適化を通じて、持続可能な10%以上のROE(自己資本利益率)維持を目指すフェーズにあります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/02期 | 379億円 | 89.1億円 | 49.9億円 | -412.1円 | -44.9% |
| 2022/02期 | 386億円 | 10.6億円 | 6.6億円 | 54.6円 | +1.9% |
| 2023/02期 | 583億円 | 22.4億円 | 21.6億円 | 178.7円 | +50.8% |
| 2024/02期 | 614億円 | 30.5億円 | 27.9億円 | 239.0円 | +5.3% |
| 2025/02期 | 605億円 | 27.1億円 | 40.1億円 | 351.5円 | -1.3% |
三陽商会は、バーバリーブランドのライセンス契約終了やコロナ禍による打撃から経営再建に取り組み、基幹ブランドへの選択と集中や店舗改革を通じて収益基盤を再構築しました。その結果、2023年3月期には営業黒字への転換を果たし、以降も構造改革の成果と不採算部門の縮小により安定的な利益を確保する体制へと移行しています。2026年3月期には、更なるデジタル化投資と実需に合わせた値ごろ感のある商品展開により、継続的な成長と利益の積み上げを目指しています。 【2026/02期実績】売上584億円(前期比-3.4%)、営業利益13億円、純利益41億円。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
繊維製品の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
事業は紳士服・婦人服および服飾品の製造販売が主力であり、百貨店を主要販路としています。決算においては、投資有価証券の売却益などの特別利益が業績を押し上げる要因となる一方、市場環境の変化に伴うブランド再編や販売費・一般管理費の管理が継続的な経営リスクとして開示されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 625億円 | — | 605億円 | -3.2% |
| 2024期 | 595億円 | — | 614億円 | +3.1% |
| 2023期 | 560億円 | — | 583億円 | +4.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 33億円 | — | 27億円 | -17.7% |
| 2024期 | 24億円 | — | 30億円 | +27.0% |
| 2023期 | 12億円 | — | 22億円 | +86.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
過去の経営計画は未達や取り下げもありましたが、近年の業績予想は精度が向上しています。特に2023期、2024期は期初予想を大幅に上回る好決算を達成しました。しかし、最新の2025期では売上・利益ともに期初予想に届かず、成長の勢いに一服感が見られます。新中期経営計画では、安定的に30億円以上の営業利益を創出できるかが焦点となります。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
「S.ESSENTIALS」よりモヘヤブレンドツイルアイビーブレザーを発売し、定番品強化を図る。
投資有価証券売却により39億〜41億円の特別利益を見込むことを発表し、財務基盤を改善。
2026年2月期から2028年2月期までの中期経営計画を公表し、中長期的な収益向上方針を示す。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
同社の財務健全性は、過去の赤字局面を脱し、利益剰余金の蓄積が進んだことで自己資本比率が約69%と高い水準で安定しています。以前は無借金経営でしたが、事業投資や運転資金の確保のため有利子負債を約169億円計上しつつも、強固な資産基盤を維持しています。潤沢な自己資本を背景に、将来の成長投資や株主還元を両立できる財務体質を確立しています。 【2026/02期】総資産599億円、純資産409億円、自己資本比率58.0%、有利子負債73億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2016/02期 | 97.3億円 | 30.3億円 | 15.1億円 | 67.0億円 |
| 2017/02期 | 2,200万円 | 19.1億円 | 11.6億円 | 19.3億円 |
| 2018/02期 | 48.2億円 | 42.0億円 | 5.2億円 | 6.2億円 |
| 2020/02期 | 27.9億円 | 6.4億円 | 17.2億円 | 34.3億円 |
| 2021/02期 | 56.6億円 | 158億円 | 42.8億円 | 101億円 |
| 2022/02期 | 16.4億円 | 13.6億円 | 5.3億円 | 29.9億円 |
| 2023/02期 | 42.1億円 | 10.5億円 | 9.2億円 | 31.7億円 |
| 2024/02期 | 44.2億円 | 23.4億円 | 13.9億円 | 20.8億円 |
| 2025/02期 | 26.8億円 | 16.3億円 | 38.7億円 | 43.1億円 |
営業キャッシュフローは、業績改善に伴い2023年3月期からプラスへ転換し、本業による安定的な資金獲得が定着しています。投資活動では事業ポートフォリオの整理に伴う有価証券売却益などがキャッシュの創出に貢献しており、FCF(フリーキャッシュフロー)は潤沢な状態です。この余剰資金を配当金支払い等の株主還元や、持続的成長のための成長投資へ戦略的に配分しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は10.0%と、多様な視点を取り入れた経営体制への移行期にあります。監査体制については7,500万円の監査報酬を投じて適切に運用されており、指名・報酬委員会の設置を通じて社外役員の知見を経営に活かすガバナンス体制の強化を図っています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 551万円 | 1,149人 | - |
従業員平均年収は551万円と、アパレル業界の平均と比較しても一定の水準を維持しています。過去には構造改革に伴う希望退職の実施などが業績に影響を与えてきましたが、現在は不採算ブランドの整理やデジタル投資を軸とした収益性改善に取り組み、安定的な報酬水準の維持を目指しています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
同社のTSR(株主総利回り)は、2023期まではTOPIXを大きく下回る水準で推移していましたが、業績のV字回復と株価の急騰を背景に状況は一変しました。2024期には199.8%を記録し、TOPIX(195.1%)を上回り、2025期には226.1%とTOPIX(200.2%)をさらに引き離してアウトパフォームしています。これは、構造改革の成功による収益性改善と、それに伴う大幅な増配が株主に評価された結果と言えます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/02期 | 4円 | - |
| 2017/02期 | 40円 | - |
| 2018/02期 | 40円 | - |
| 2020/02期 | 23円 | - |
| 2021/02期 | 0円 | 0.0% |
| 2022/02期 | 0円 | 0.0% |
| 2023/02期 | 55円 | 30.8% |
| 2024/02期 | 88円 | 36.8% |
| 2025/02期 | 129円 | 36.7% |
| 権利確定月 | 2月・8月 |
三陽商会は業績回復を背景に復配を実現し、現在は配当性向35%〜40%を目標に掲げた還元強化を推進しています。経営再建が一段落したことで、安定的な利益配分へのシフトが鮮明となっており、増配傾向を維持しています。今後は持続可能な株主還元を通じて、中長期的な投資魅力の向上に努める方針です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 55.1万円 | 44.9万円 | -44.9% |
| 2022期 | 62.0万円 | 38.0万円 | -38.0% |
| 2023期 | 108.0万円 | 8.0万円 | 8.0% |
| 2024期 | 199.8万円 | 99.8万円 | 99.8% |
| 2025期 | 226.1万円 | 126.1万円 | 126.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は1倍を割り込み、売り残が買い残を上回る「売り長」の状態で、将来の株価下落を見込む投資家が多い一方、株価上昇時の買い戻し(踏み上げ)圧力も潜在しています。業界平均と比較するとPERは割安で、PBRは平均並みです。時価総額は業界内でまだ小さいものの、配当利回りの高さが投資妙味となっています。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2016/02期 | -82.0億円 | 0円 | - |
| 2017/02期 | -19.4億円 | 0円 | - |
| 2018/02期 | -19.5億円 | 0円 | - |
| 2020/02期 | -29.0億円 | 0円 | - |
| 2021/02期 | -90.4億円 | 0円 | - |
| 2022/02期 | -7.3億円 | 0円 | - |
| 2023/02期 | 24.4億円 | 2.8億円 | 11.6% |
| 2024/02期 | 31.8億円 | 4.0億円 | 12.5% |
| 2025/02期 | 28.3億円 | 0円 | 0.0% |
過去の赤字期に積み上げた繰延税金資産の取り崩しや税務上の繰越欠損金の活用により、法人税等の支払いは低水準または発生しない年度が続いています。実効税率が法定税率を下回る局面が多いのは、過去の損失を補填する会計処理による一時的な要因が大きいです。今後は利益の着実な計上に伴い、将来的な税負担の適正化が進む見込みです。
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三陽商会 まとめ
「バーバリーショックから10年、構造改革で蘇ったアパレル名門が『アッパーミドル層』攻略で完全復活を遂げつつある状態」
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