シキボウ
SHIKIBO LTD.
最終更新日: 2026年3月27日
伝統と革新で未来を織りなす、高機能素材メーカー
私たちは、“夢”ある未来の創造に貢献します。
この会社ってなに?
あなたが毎日着ているYシャツや学生服、もしかしたらシキボウの生地が使われているかもしれません。シキボウは、着心地の良いコットン素材を作る老舗の繊維メーカーです。また、近年ではマスクや衣類に使われる抗ウイルス加工技術「フルテクト」も開発しており、目に見えない安心を提供しています。さらに、普段何気なく使っている紙製品の製造工程を支える特殊な布や、皆さんが住む街のビルを賃貸する不動産事業など、実は生活の様々な場面でシキボウの技術やサービスが活躍しているのです。
シキボウは、繊維事業を祖業としながら産業資材や不動産事業へと多角化を進める老舗企業です。2025年3月期の業績は売上高390.9億円、営業利益13.46億円と増収減益で着地し、利益率の改善が課題となっています。PBRは0.40倍と解散価値を大幅に下回る水準にあり、豊富な資産をいかに収益へ転換するかが問われています。進行中の中期経営計画「TG25-27」では、ROIC8%以上を目標に掲げ、資本効率の向上を最優先課題としています。
会社概要
- 業種
- 繊維製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市中央区備後町3丁目2番6号
- 公式
- www.shikibo.co.jp
社長プロフィール

当社グループは創業以来培ってきた技術力・開発力を基盤に、時代のニーズに応える新しい価値の創造に取り組んでいます。変化の激しい時代において持続的に成長するため、新中期経営計画のもと事業ポートフォリオの変革を進め、企業価値向上を目指します。
この会社のストーリー
大阪府にて近代的な紡績会社として創業。日本の繊維産業の黎明期を支える存在としてスタートした。
戦後の復興期に株式を上場。企業としての信頼性を高め、さらなる成長に向けた基盤を固めた。
産業資材事業を開始し、製紙用ドライヤーカンバスの製造を始めるなど、繊維以外の分野へ事業を拡大した。
創業110周年を機に、社名を「シキボウ株式会社」に変更。総合素材メーカーとしての新たな一歩を踏み出した。
抗ウイルス加工繊維「フルテクト」が社会的な需要の高まりを受け急騰。技術開発力が市場で高く評価された。
コットン素材を再利用したバイオマスプラスチック「コットレジン」を開発。サステナビリティへの貢献を強化した。
ユニフォーム事業の買収など事業ポートフォリオの変革を加速。成長分野への投資を積極化し、企業価値向上を目指す。
注目ポイント
130年以上の歴史を持つ紡績技術を応用し、抗ウイルス加工繊維「フルテクト」やバイオマスプラスチック「コットレジン」など、時代が求める高機能素材を次々と開発しています。
繊維事業を基盤としつつ、産業資材、機能材料、不動産へと事業を多角化。M&Aも活用し、常に最適な事業構成を追求する変革力で、安定した成長を目指しています。
安定的な配当を重視しており、業績に応じた増配も実施しています。PBRは1倍を大きく下回っており、株価の割安感も投資の魅力の一つです。(2024年6月時点)
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 3円 | 26.9% |
| FY2017/3 | 3.5円 | 23.9% |
| FY2018/3 | 40円 | 29.5% |
| FY2019/3 | 40円 | 1.7% |
| FY2020/3 | 40円 | 44.9% |
| FY2021/3 | 40円 | 4395.6% |
| FY2022/3 | 40円 | 913.2% |
| FY2023/3 | 50円 | 37.0% |
| FY2024/3 | 50円 | 72.4% |
| FY2025/3 | 50円 | 68.7% |
現在、株主優待制度は実施されていません。
シキボウは、株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、配当性向を考慮した安定的な配当の継続を基本方針としています。近年は年間50円の配当を維持しており、株価水準に対して高水準の利回りを確保しています。中長期的な業績向上に合わせ、持続的かつ安定的成長を目指す姿勢が示されています。
同業比較(収益性)
繊維製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
シキボウの売上高は、機能材料事業や繊維事業の堅調な推移により300億円台後半から400億円前後で安定した成長を維持しています。特にFY2023/3には有価証券売却益などの特別利益が寄与し、純利益が約15.7億円へと大きく伸長しました。その後は事業ポートフォリオの再編や効率化を推進しつつ、FY2026/3に向けて収益力の底上げを図る計画です。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0.9% | 0.0% | - |
| FY2022/3 | 1.7% | 0.1% | - |
| FY2023/3 | 2.0% | 1.9% | - |
| FY2024/3 | -3.9% | 1.0% | 3.7% |
| FY2025/3 | 4.9% | 1.1% | 3.4% |
当社の営業利益率は3%台前半から後半で推移しており、製造業として一定の利益確保能力を維持しています。ROE(自己資本利益率)は2%から4%台の水準に留まっており、資本効率の面では改善の余地がある状況です。今後は事業の選択と集中を通じて、収益性指標のさらなる向上を目指す段階にあります。
財務は安全?
総資産は800億円規模で安定しており、自己資本比率も40%超と健全な財務基盤を保持しています。一方でFY2024/3以降、有利子負債が急増していますが、これは事業拡大やグループ運営の効率化に伴う資金需要への対応と見られます。総資産に対し十分な純資産が積み上がっており、倒産リスクは低い安定したバランスシートといえます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 27.8億円 | -23.4億円 | -5.1億円 | 4.3億円 |
| FY2022/3 | 29.9億円 | -6.5億円 | -37.9億円 | 23.3億円 |
| FY2023/3 | 11.1億円 | -6.8億円 | -5.8億円 | 4.3億円 |
| FY2024/3 | 35.5億円 | -27.0億円 | -5.1億円 | 8.5億円 |
| FY2025/3 | 21.1億円 | -27.6億円 | 10.7億円 | -6.6億円 |
営業キャッシュフローは概ね20億円前後のプラスを維持しており、本業による安定したキャッシュ創出能力が確認できます。一方で、投資キャッシュフローは設備投資や事業再編に伴いマイナス傾向にあり、持続的な成長に向けた資金投下が行われています。FY2025/3には積極的な投資によりフリーキャッシュフローが一時的なマイナスとなりましたが、財務活動による資金調達でバランスを保っています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 9.4億円 | 9.3億円 | 99.0% |
| FY2022/3 | 10.4億円 | 9.9億円 | 95.3% |
| FY2023/3 | 11.3億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 13.2億円 | 5.2億円 | 39.5% |
| FY2025/3 | 10.5億円 | 1.3億円 | 12.7% |
実効税率は年度によって大幅に変動しており、これは繰延税金資産の取り崩しや、税務上の損失処理等が影響している可能性が高いです。特にFY2023/3は法人税等がゼロとなっており、過去の税務上の利益と損失の調整が反映されたと考えられます。今後は安定した利益水準に応じて税負担が一定の範囲に収まる見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 501万円 | 2,175人 | - |
従業員の平均年収は501万円であり、製造業における一般的な水準で推移しています。繊維業界は成熟産業であり大きな賃金上昇は見込みにくいものの、福利厚生や手厚い持株会制度などを通じて、従業員の資産形成を支える体制が整えられていると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主はシキボウ従業員持株会・シキボウ取引先持株会。
筆頭株主である日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が13.83%を保有しており、機関投資家による保有が一定の割合を占める構造です。また、従業員持株会(4.47%)や労働組合といった社内関係者の保有比率も高く、従業員を巻き込んだ安定的な経営姿勢が見受けられます。
会社の公式開示情報
役員報酬
シキボウは繊維事業を軸に産業資材、機能材料、不動産・サービスという多角的なポートフォリオを構築しています。特に機能材料分野への注力や事業譲受を積極的に進めており、事業構造の転換を図るための設備投資やM&Aを継続している点が、開示資料から強く読み取れます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は16.7%(1/6名)であり、多様な視点を取り入れた経営への移行期にあります。社外取締役の比率が50%と非常に高い水準であり、外部の専門的な知見を積極的に導入することで、透明性の高い監査体制と経営の健全性を維持しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 410億円 | — | 391億円 | -4.7% |
| FY2024 | 390億円 | — | 387億円 | -0.8% |
| FY2023 | 370億円 | — | 379億円 | +2.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 13億円 | — | 13億円 | +3.5% |
| FY2024 | 16億円 | — | 14億円 | -10.8% |
| FY2023 | 17億円 | — | 12億円 | -28.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
旧中期経営計画「ACTION22-24」は売上・利益ともに未達で終了しました。また、近年の業績予想は期初計画に対して未達となる傾向が強く、特に利益面でのブレが目立ちます。進行中の新中計「TG25-27」では、資本効率を示すROIC8%以上という高い目標を掲げていますが、現状(2.0%)からの道のりは険しく、計画の蓋然性には注意が必要です。投資家としては、M&Aや事業ポートフォリオ改革が目標達成にどう寄与するかを注視する必要があります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、継続して市場平均であるTOPIXをアンダーパフォーム(下回る)しています。これは、安定配当による利回り確保はできているものの、株価成長が市場全体の勢いに追いついていないことを示しています。特にFY2024以降はTOPIXの上昇が著しい一方、同社株価は伸び悩み、差が拡大しました。PBR1倍割れの是正に向けた具体的な成長戦略と、それが投資家に評価されることがTSR向上の鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 105.7万円 | +5.7万円 | 5.7% |
| FY2022 | 99.2万円 | -0.8万円 | -0.8% |
| FY2023 | 115.9万円 | +15.9万円 | 15.9% |
| FY2024 | 136.3万円 | +36.3万円 | 36.3% |
| FY2025 | 125.5万円 | +25.5万円 | 25.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
業界平均と比較すると、PERはやや割安ですが、PBRは0.40倍と著しく割安な水準です。これは、同社の資産価値に対して株価が非常に低く評価されていることを示唆します。一方で配当利回りは4.52%と業界平均を大幅に上回り、株価の下支え要因となっています。信用倍率は7.69倍と買い残が多く、将来の売り圧力には注意が必要です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
完全子会社のマーメイド広海を吸収合併し、グループ運営の効率化を推進。
第2四半期決算にて上期経常が18%増益を達成し、株価のサポート要因となった。
コットン素材を再利用した環境配慮型素材「CottResin」の開発を発表。
最新ニュース
シキボウ まとめ
ひとめ診断
「創業130年超の老舗紡績企業が、抗ウイルス素材や不動産事業で時代の荒波を乗り越えようと藻掻く資産リッチ企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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