三菱製鋼5632
Mitsubishi Steel Mfg.Co.,Ltd.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日乗っている自動車、その乗り心地を左右する重要な部品『ばね』。三菱製鋼は、この自動車用ばねの世界的な大手メーカーです。普段は目にすることのない部品ですが、路面からの衝撃を和らげ、安全で快適なドライブを支えています。また、街で見かける建設現場のショベルカーやブルドーザーが力強く動くための部品にも、同社の特殊な鋼が使われています。三菱製鋼は、社会のインフラを文字通り『縁の下の力持ち』として支えている会社なのです。
直近の2025年3月期決算は売上高1,595.8億円、営業利益65.6億円と黒字転換を達成しました。前期(2024年3月期)は最終赤字でしたが、構造改革の効果が出始めています。会社は2026年3月期に営業利益74.0億円と更なる増益を計画しており、ROIC経営を導入して自動車ばね事業などの基盤事業から高収益な戦略事業へのシフトを急いでいます。株価はPBR 0.67倍と割安圏にあり、今後の事業ポートフォリオ転換の進捗が注目されます。
会社概要
- 業種
- 鉄鋼
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都中央区月島四丁目16番13号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 12.3% | 4.2% | - |
| 2022/03期 | 8.7% | 3.0% | - |
| 2023/03期 | 4.4% | 1.5% | - |
| 2024/03期 | 2.0% | 0.6% | 2.8% |
| 2025/03期 | 4.8% | 1.7% | 4.1% |
| 3Q FY2026/3 | 2.3%(累計) | 0.7%(累計) | 2.5% |
収益性指標は、固定費負担の重い鉄鋼事業の特性を反映しています。2021/03期の営業赤字から脱却後、2025/03期時点では営業利益率4.1%まで回復しており、ROIC経営の導入による資本効率の改善が期待されます。今後は高付加価値製品へのシフトを通じ、さらなる利益率の向上が鍵となります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 978億円 | — | 55.3億円 | -359.4円 | - |
| 2022/03期 | 1,463億円 | — | 40.7億円 | 264.8円 | +49.6% |
| 2023/03期 | 1,705億円 | — | 21.9億円 | 142.6円 | +16.6% |
| 2024/03期 | 1,699億円 | 48.1億円 | 9.7億円 | -63.5円 | -0.3% |
| 2025/03期 | 1,596億円 | 65.6億円 | 23.6億円 | 155.9円 | -6.1% |
三菱製鋼の業績は、自動車・建機市場の変動や原材料価格の高騰を背景に推移してきました。2021/03期のコロナ禍による大幅な赤字から回復し、2025/03期には純利益23.6億円を確保するなど収益の安定化が図られています。現在は次期中期経営計画に向けた構造改革を進めており、2026/03期予想では増益を見込んでいます。 【3Q 2026/03期実績】売上1165億円(通期予想比73%)、営業利益29億円(同40%)、純利益10億円(同33%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
鉄鋼の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
特殊鋼鋼材やばね事業を主軸に展開しており、自動車や建機業界の景況感に強く影響を受ける事業構造です。開示情報からは脱炭素社会に向けた構造改革や、低稼働資産の売却による経営効率化を重点課題としており、収益力の回復と成長分野への投資がリスク・成長の鍵となっています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 1,750億円 | — | 1,596億円 | -8.8% |
| 2024期 | 1,650億円 | — | 1,699億円 | +3.0% |
| 2023期 | 1,700億円 | — | 1,705億円 | +0.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 55億円 | — | 66億円 | +19.3% |
| 2024期 | 80億円 | — | 48億円 | -39.9% |
| 2023期 | 45億円 | — | 56億円 | +23.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の「2023中期経営計画」では、最終年度(2025期)に売上高2,000億円、営業利益100億円を掲げていますが、直近実績(売上高1,595.8億円、営業利益65.6億円)から目標達成は困難な見通しです。一方で、会社予想の精度を見ると、売上高は下振れ傾向にあるものの、営業利益は予想を上回って着地するケースもあり、収益性改善への取り組みは一定の成果を上げていると評価できます。現在はROIC経営を導入し、自動車ばね事業や特殊鋼鋼材事業の構造改革を進めており、次期中計に向けた収益基盤の再構築が急務となっています。
最新ニュース
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メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
自動車ばね事業および特殊鋼鋼材事業におけるROIC経営の導入と構造改革への取り組みを開始。
基盤事業でのキャッシュ創出に加え、成長市場への投資を加速させる方針を中期経営計画の進捗として発表。
第3四半期累計の連結経常利益が前年同期比44.0%減の23億円となり、収益面での停滞が顕著となった。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性は、過去の赤字補填や設備投資の影響を受けてきました。2024/03期以降、有利子負債が約1,000億円規模に増加しましたが、自己資本比率は30.8%を維持しており、一定の耐性は確保されています。今後は負債の圧縮と成長事業への投資バランスが、中長期的な安定成長を左右する見込みです。 【3Q 2026/03期】総資産1350億円、純資産499億円、自己資本比率32.7%、有利子負債469億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 37.8億円 | 28.3億円 | 70.5億円 | 9.5億円 |
| 2022/03期 | 19.2億円 | 19.7億円 | 35.2億円 | 4,300万円 |
| 2023/03期 | 27.8億円 | 14.4億円 | 148億円 | 42.2億円 |
| 2024/03期 | 64.8億円 | 39.7億円 | 116億円 | 25.1億円 |
| 2025/03期 | 60.1億円 | 51.7億円 | 65.4億円 | 8.4億円 |
営業キャッシュフローは、鉄鋼市況の悪化局面で一時マイナスとなりましたが、2024/03期以降は60億円規模の安定した稼ぎを創出できる体制に戻っています。投資面では生産設備の刷新や構造改革に向けた支出が継続しており、FCFは安定化の途上にあります。今後は、営業キャッシュフローの継続的な確保が財務基盤強化の要となります。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は20.0%と、製造業としては高い水準での多様性確保に取り組んでいます。連結子会社17社を抱える企業グループとして、監査体制の強化と共に、ガバナンスと資本効率(ROIC)を重視した経営への転換を強力に推進しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 756万円 | 3,841人 | - |
従業員の平均年収は756万円であり、鉄鋼業界の平均的な水準と比較して堅実な給与水準を維持しています。長年の勤続年数(約20.6年)が示す通り、高い定着率が安定した賃金基盤を支える要因の一つとなっています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、2022期から2025期まで4期連続でTOPIXをアウトパフォームしています。特に2025期は自社TSRが233.2%と、TOPIXの213.4%を大きく上回りました。これは、2022期以降の業績回復と増配傾向が株価に好影響を与えたことが主な要因です。赤字期もあったものの、株価が底値圏から回復する過程で、キャピタルゲインとインカムゲインの両方がTSRを押し上げる結果となりました。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 6円 | 37.1% |
| 2017/03期 | 6円 | 26.3% |
| 2019/03期 | 60円 | 328.9% |
| 2020/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2021/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2022/03期 | 50円 | 18.9% |
| 2023/03期 | 50円 | 35.1% |
| 2024/03期 | 60円 | - |
| 2025/03期 | 64円 | 41.0% |
現在、株主優待制度は実施しておりません。
配当方針として連結配当性向40%を目安としつつ、1株当たり年間配当金の下限を80円に設定する株主還元策を強化しています。業績変動リスクを考慮しつつも、安定的な配当への回帰が鮮明です。今後は収益力の向上による増配が、株主還元の柱となります。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 101.3万円 | 1.3万円 | 1.3% |
| 2022期 | 148.9万円 | 48.9万円 | 48.9% |
| 2023期 | 159.6万円 | 59.6万円 | 59.6% |
| 2024期 | 205.5万円 | 105.5万円 | 105.5% |
| 2025期 | 233.2万円 | 133.2万円 | 133.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は18.75倍と高く、信用買い残が積み上がっている状態で、将来的な売り圧力への警戒が必要です。業界比較では、PERは平均的ですが、PBRは0.67倍と業界平均を下回り、解散価値割れの状態が続いています。これは、市場が同社の資本効率や将来の収益力に対して慎重な見方をしていることを示唆します。一方で、配当利回りは3%を超え、業界平均を上回っており、株主還元への意識は評価できるポイントです。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | -55.1億円 | 0円 | - |
| 2022/03期 | 57.8億円 | 17.1億円 | 29.6% |
| 2023/03期 | 37.4億円 | 15.5億円 | 41.5% |
| 2024/03期 | 19.5億円 | 29.2億円 | 149.7% |
| 2025/03期 | 48.5億円 | 24.9億円 | 51.3% |
法人税等の支払いは、繰延税金資産の取り崩しや業績のボラティリティにより実効税率が変動する傾向があります。2024/03期のように利益水準に対して税負担率が高くなる年度もあり、税効果会計の影響を強く受けています。今後は業績の安定に伴い、より標準的な税率水準へ収束することが予想されます。
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