帝国繊維
TEIKOKU SEN-I Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月27日
リネンの伝統から防災の未来へ、暮らしと安全を守る100年企業
防災・減災技術のリーディングカンパニーとして、世界中の人々の安全と安心な暮らしを実現し、持続可能な社会の発展に貢献します。
この会社ってなに?
あなたが街中で消防車や消火栓を見かけたとき、そこに使われている赤いホースは帝国繊維の製品かもしれません。同社は日本の消防ホースで圧倒的なシェアを誇り、火災や災害から私たちの安全を守る最前線を支えています。また、救助隊が使う特殊な資機材や、夏に心地よいリネン(麻)のシャツなど、実は身近なところで暮らしの安全と快適さに関わっています。普段は意識しない「もしも」の備えの裏側で、帝国繊維の技術が活躍しているのです。
帝国繊維は、消防ホースで国内トップシェアを誇る総合防災事業を中核とする企業です。2025年12月期は売上高336.4億円、営業利益40.55億円を達成し、続く2026年12月期も売上高360.0億円、営業利益43.0億円と増収増益を見込んでいます。祖業であるリネンなどの繊維事業も展開しつつ、安定した収益基盤を持つ防災事業を軸に成長を図っています。PBRが1倍をわずかに超える水準で推移しており、資産価値に対する市場評価が今後の焦点となります。
会社概要
- 業種
- 繊維製品
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都中央区日本橋二丁目5番1号
- 公式
- www.teisen.co.jp
社長プロフィール
明治40年の創業以来、リネンのパイオニアとして日本の繊維産業をリードしてきました。現在はその技術力を応用し、消防ホースをはじめとする防災事業を中核に据え、人々の安全・安心な暮らしに貢献しています。これからも伝統を重んじつつ、革新を続け、社会から必要とされる企業であり続けます。
この会社のストーリー
当時、世界の繊維資源の中心であったリネン(亜麻)を日本国内で自給することを目的に創業。日本の繊維産業の歴史に第一歩を記した。
事業の多角化と発展を背景に、現在の社名へと変更。繊維メーカーとしての基盤を固めていった。
企業としての信頼性を高め、さらなる成長のための資金調達基盤を確立。戦後の復興と共に歩みを進めた。
繊維加工技術を応用し、消防ホースを主力とする防災事業へ本格進出。品質の高さで信頼を勝ち取り、国内トップシェアを確立した。
主力工場が被災地の近くにありながらも被害は軽微で、通常操業を維持。防災製品の安定供給という社会的な使命を果たした。
祖業であるリネンの魅力を再発信するべく、リネン100%スウェットなどの新商品を開発。ECサイトを通じて消費者への直接販売を開始した。
持続的な成長を目指し、新たな中期経営計画をスタート。防災事業のさらなる拡大と繊維事業の革新を両輪に、未来への基盤を構築する。
注目ポイント
主力製品である消防ホースは国内トップシェアを誇ります。100年以上の繊維技術を応用した高い品質で、全国の消防活動を支え、社会の安全に貢献しています。
明治時代の創業から続くリネン事業は、伝統を守りながらも現代のライフスタイルに合わせた商品を開発。環境に優しいサステナブルな素材としても注目されています。
堅実な経営により安定した財務基盤を築いています。QUOカードと自社リネン製品がもらえる株主優待制度も魅力で、株主への還元にも積極的です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 30円 | 32.8% |
| FY2017/3 | 40円 | 36.4% |
| FY2018/3 | 40円 | 30.9% |
| FY2019/3 | 45円 | 27.8% |
| FY2020/3 | 45円 | 35.1% |
| FY2021/3 | 45円 | 29.9% |
| FY2022/3 | 50円 | 35.9% |
| FY2023/3 | 50円 | 53.3% |
| FY2024/3 | 50円 | 40.2% |
| FY2025/3 | 55円 | 37.8% |
| 必要株数 | 100株以上(約30万円) |
| 金額相当 | 約4,000円相当 |
| 権利確定月 | 12月 |
| 長期特典 | 1年以上継続保有が必須条件 |
帝国繊維は、業績に応じた利益還元を基本方針としており、安定した配当の維持と増配を継続しています。配当性向は30%〜40%台を目安としており、業績の成長を背景に株主への直接的な還元を重視しています。また、独自の株主優待制度を設けることで、長期的な視点で同社を応援する株主層の確保に注力しています。
同業比較(収益性)
繊維製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
帝国繊維は、消防ホースの製造および防災関連機器の販売を中核事業としており、近年の防災事業の拡大により業績は堅調に推移しています。FY2025/3には売上高が約336億円、純利益が約37億円に達し、前年比で増収増益を達成しました。今後も防災需要の底堅さを背景に、FY2026/3には売上高360億円を見込む成長基調が続いています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 5.8% | 4.9% | - |
| FY2022/3 | 7.5% | 5.4% | - |
| FY2023/3 | 7.1% | 5.1% | - |
| FY2024/3 | 4.0% | 3.1% | 9.2% |
| FY2025/3 | 4.6% | 3.9% | 11.0% |
収益性に関しては、原材料価格の変動や事業構成の変化を反映し、営業利益率は9%から15%の範囲で推移しています。FY2025/3時点のROE(自己資本利益率)は5.2%であり、資本効率の改善が今後の重要な課題です。安定した防災需要を基盤としつつ、製品の高付加価値化を通じて利益率の向上を図る体制を構築しています。
財務は安全?
同社は極めて高い財務健全性を誇り、自己資本比率は80%前後という強固な財務体質を維持しています。過去には無借金経営を継続してきましたが、現在は事業投資に伴い約10億円程度の有利子負債を保有するものの、総資産に対する割合は極めて低水準です。潤沢なネットキャッシュを背景に、将来の成長投資や株主還元を柔軟に実施できる盤石なバランスシートを有しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 61.0億円 | -42.1億円 | -11.6億円 | 18.9億円 |
| FY2022/3 | 1,900万円 | -46.2億円 | -2.0億円 | -46.0億円 |
| FY2023/3 | 94.5億円 | 14.7億円 | -28.5億円 | 109億円 |
| FY2024/3 | -9.3億円 | -7.2億円 | -14.7億円 | -16.5億円 |
| FY2025/3 | 19.5億円 | -1,200万円 | -12.4億円 | 19.4億円 |
営業キャッシュフローは、防災事業の受注状況に応じて変動しますが、概ね安定した営業キャッシュを創出する体制にあります。投資CFは設備更新等の必要性に応じて支出されていますが、本業で得た資金により継続的なフリーキャッシュフローの確保を優先しています。財務CFでは、配当金支払いや自己株式取得を通じて株主還元を積極的に実施している点が特徴です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 48.6億円 | 14.9億円 | 30.5% |
| FY2022/3 | 56.9億円 | 17.1億円 | 30.1% |
| FY2023/3 | 53.0億円 | 16.4億円 | 30.9% |
| FY2024/3 | 35.7億円 | 11.3億円 | 31.5% |
| FY2025/3 | 45.5億円 | 13.0億円 | 28.6% |
法人税等の支払額は税引前利益の増減に連動しており、実効税率は概ね30%前後で推移しています。FY2026/3予想における税負担の低下は、特定の税務上の要因や利益構成の変化によるものと推測されます。法令を遵守し、適正な納税を継続することで安定した企業運営を行っています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 723万円 | 344人 | - |
従業員の平均年収は723万円となっており、繊維業界全体の平均と比較しても高い水準を維持しています。消防ホース等の防災事業という安定的な収益源を持つことに加え、100年を超える長い歴史の中で蓄積された強固な財務基盤が、社員への安定した還元を支える背景となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は損害保険ジャパン・みずほ銀行・明治安田生命保険相互会社。
帝国繊維は、日本マスタートラスト信託銀行等の信託口が大株主の上位を占めるほか、損害保険ジャパンやみずほ銀行など安田グループを中心とした安定株主が多く名を連ねる構成です。近年ではNIPPON ACTIVE VALUE FUND PLCなどのアクティビスト(物言う株主)が保有比率を高めており、株主還元や資本効率の向上をめぐる対話や提案が活発化しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
同社は創業以来のリネン事業を祖業としつつ、現在は消防ホースや防災車両等の防災事業を収益の柱とする事業構造へ転換しています。EDINETの開示情報によれば、防災需要の拡大が業績を牽引する一方で、原材料コストの変動や公共事業予算の動向が事業リスクとして重要視されています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は10.0%となっており、さらなる多様性の確保が今後の課題です。監査役会設置会社として適切な監査体制を敷いており、創業家やグループ企業との安定的な関係性を維持しつつも、近年の株主提案への対応を通じてガバナンスの透明性強化に取り組んでいます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 365億円 | — | 336億円 | -7.8% |
| FY2024 | 340億円 | — | 315億円 | -7.4% |
| FY2023 | 320億円 | — | 280億円 | -12.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 48億円 | — | 41億円 | -15.5% |
| FY2024 | 35億円 | — | 35億円 | -1.2% |
| FY2023 | 32億円 | — | 26億円 | -19.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2026年2月に新中期経営計画「テイセン2028」を発表し、最終年度の2028年に売上高420億円、営業利益55億円を目指しています。一方、過去の業績予想を振り返ると、3期連続で売上高・営業利益ともに期初予想を下回って着地しており、目標達成の確度には注意が必要です。保守的な計画を立てる傾向があり、市場の信頼を得るためには、まずは単年度の業績予想を着実に達成していくことが求められます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、一貫してTOPIXを下回る「アンダーパフォーム」の状態が続いています。特に市場全体が好調だったFY2024やFY2025においても、その差は拡大しました。これは、同社の安定的な配当にもかかわらず、成長期待の低さから株価が市場平均ほど上昇しなかったことが主な要因です。株主価値向上のためには、中期経営計画の着実な実行による業績成長と、市場との対話を通じた成長ストーリーの浸透が不可欠です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 103.0万円 | +3.0万円 | 3.0% |
| FY2022 | 102.0万円 | +2.0万円 | 2.0% |
| FY2023 | 69.8万円 | -30.2万円 | -30.2% |
| FY2024 | 94.5万円 | -5.5万円 | -5.5% |
| FY2025 | 110.3万円 | +10.3万円 | 10.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同社のPER・PBRは業界平均とほぼ同水準であり、市場からは標準的な評価を受けていると言えます。一方、信用取引では売り残が買い残を上回る「信用倍率0.28倍」となっており、将来の株価下落を見込む投資家が多い状況を示唆しています。この背景には、近年の業績予想未達などが影響している可能性があり、今後の決算発表で市場の期待を上回れるかが注目されます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2025年12月期の連結経常利益が前の期比16.6%増の53億円に到達し、配当の増額と新中期経営計画「テイセン2028」を発表しました。
第3四半期累計経常利益が14%増益で着地し、主力の防災事業の安定した収益拡大が市場から評価されました。
従業員持株会への譲渡制限付株式処分を実施し、中長期的な企業価値向上に向けた従業員の意欲向上策を推進しています。
最新ニュース
帝国繊維 まとめ
ひとめ診断
「『麻のテイセン』から『防災のテイセン』へ、消防ホース国内首位の知られざるガリバー企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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