倉敷紡績
KURABO INDUSTRIES LTD.
最終更新日: 2026年3月27日
伝統の繊維技術から、半導体・バイオの未来まで織りなす多角経営のパイオニア
私たちは独創的な技術と新しいサービスの開発を通じて、地球環境、人々の暮らしの向上に貢献する『未来生活提案企業』を目指します。
この会社ってなに?
あなたが毎日着ている服や、お気に入りのジーンズの生地は、もしかしたらクラボウが作っているかもしれません。実はそれだけでなく、普段何気なく使っているスマートフォンやパソコンの性能を支える半導体、その製造過程でクラボウの高度な化学技術が使われています。さらに、週末に買い物に行く商業施設の一部は、クラボウが所有する土地に建てられていることも。私たちの暮らしの身近なところから最先端技術の裏側まで、クラボウは幅広く支えている会社なのです。
2025年3月期は売上高1506.6億円、営業利益103.11億円と堅調な業績を達成。伝統的な繊維事業に加え、半導体製造装置向け樹脂などを手掛ける化成品事業が収益の柱に成長しています。一方で2026年3月期は売上高1440.0億円、営業利益80.0億円と減収減益を計画しており、半導体市況の変動が業績に影響を与える可能性があります。政策保有株式の売却を進めており、資産効率の改善と株主還元強化が今後の焦点となります。
会社概要
- 業種
- 繊維製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市中央区久太郎町2-4-31
- 公式
- www.kurabo.co.jp
社長プロフィール
130年を超える歴史の中で培った信頼と技術を基盤に、繊維事業の進化はもちろん、化成品やエレクトロニクスといった成長分野へ果敢に挑戦します。M&Aも活用しながら事業ポートフォリオを最適化し、持続的な企業価値向上を目指してまいります。
この会社のストーリー
岡山県倉敷市に、初代社長大原孝四郎が中心となり紡績所を設立。日本の近代産業の黎明期に歴史の幕を開けた。
人工繊維レーヨンの事業化を目指し、倉敷絹織(現・株式会社クラレ)を設立。後の多角化経営の礎を築いた。
戦後の復興期を経て、東京証券取引所に上場。企業としての社会的信頼性を高め、さらなる成長への基盤を固めた。
ポリウレタンフォームの生産を開始し、化成品事業へ本格参入。繊維以外の分野での収益源確保に向けた挑戦が始まった。
バイオテクノロジー分野の研究開発を目的として技術研究所を設立。未来の成長の種を蒔くための先行投資を行った。
FA(ファクトリーオートメーション)設備の専門メーカーである株式会社セイキを買収。環境メカトロニクス事業の強化とシナジー創出を図る。
2027年度の営業利益130億円を目指す中期経営計画を発表。既存事業の深化と、M&Aを含む新規事業の探索で持続的成長を加速させる。
注目ポイント
綿紡績から始まり、現在は半導体製造装置向け樹脂製品などを手掛ける化成品事業が利益の柱に。時代のニーズを捉え、事業ポートフォリオを大胆に変革し続けています。
FA設備のセイキや工作機械メーカーの倉敷機械など、近年M&Aを積極的に活用。自社の技術と外部の強みを融合させ、非連続な成長を目指す戦略が魅力です。
130年以上の歴史で培った厚い不動産資産などが安定した経営を支えています。配当利回りは3%を超え(2024年時点)、安定した株主還元も期待できる堅実さも推しポイントです。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 5円 | 44.1% |
| FY2017/3 | 5円 | 31.6% |
| FY2018/3 | 7円 | 32.4% |
| FY2019/3 | 60円 | 27.9% |
| FY2020/3 | 60円 | 33.7% |
| FY2021/3 | 60円 | 55.9% |
| FY2022/3 | 70円 | 25.0% |
| FY2023/3 | 70円 | 24.4% |
| FY2024/3 | 100円 | 27.6% |
| FY2025/3 | 180円 | 34.9% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当方針として安定的な利益還元を重視し、配当性向30〜35%程度を目安に増配傾向を続けています。近年の業績拡大に伴い、2025年3月期には年間配当を180円に引き上げるなど、株主還元を積極的に強化する姿勢が鮮明です。強固な財務体質を背景に、長期的には継続的かつ安定的な配当維持を目指しています。
同業比較(収益性)
繊維製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
倉敷紡績の業績は、半導体関連や化成品事業が牽引し、2025年3月期には営業利益が約103億円と過去最高水準を達成しました。繊維事業の構造改革や高付加価値製品へのシフトが功を奏しており、売上高は1,500億円規模で安定推移しています。2026年3月期は半導体市況の減速を織り込み減収減益を予想していますが、中長期的には成長投資による収益力強化を図る計画です。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3.4% | 1.3% | - |
| FY2022/3 | 5.1% | 3.3% | - |
| FY2023/3 | 5.0% | 3.2% | - |
| FY2024/3 | 7.7% | 3.5% | 6.1% |
| FY2025/3 | 4.9% | 4.7% | 6.8% |
収益性は年々改善傾向にあり、営業利益率は直近で6.8%まで上昇し、資本効率を示すROEも7.4%へと向上しました。これは低収益事業の整理と、高付加価値な工業用素材や化成品への経営資源集中が奏功した結果です。今後も利益率の高い事業ポートフォリオへの転換を進めることで、更なる収益性の向上が期待されます。
財務は安全?
財務健全性は極めて高く、自己資本比率は62.9%と強固な資本基盤を維持しています。有利子負債は2024年3月期から発生していますが、潤沢な資産背景があるため財務の安全性に懸念はありません。強固なBS(貸借対照表)を活かし、成長投資や株主還元をバランスよく進められる体制を整えています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 80.7億円 | -32.6億円 | -13.2億円 | 48.1億円 |
| FY2022/3 | 92.5億円 | -33.4億円 | -141億円 | 59.0億円 |
| FY2023/3 | 25.2億円 | -29.7億円 | -35.8億円 | -4.5億円 |
| FY2024/3 | 129億円 | -3.9億円 | -69.5億円 | 125億円 |
| FY2025/3 | 110億円 | -29.9億円 | -90.4億円 | 80.6億円 |
営業キャッシュフローは安定して100億円超を創出しており、本業による稼ぐ力が着実に向上しています。投資キャッシュフローは成長事業への設備投資により継続的な支出が見られますが、潤沢な営業CFの範囲内に収まっています。財務キャッシュフローでは配当支払いや自己株式取得を通じて、積極的な株主還元を実行していることが特徴です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 42.4億円 | 20.3億円 | 47.9% |
| FY2022/3 | 87.8億円 | 31.8億円 | 36.2% |
| FY2023/3 | 100億円 | 45.1億円 | 45.0% |
| FY2024/3 | 102億円 | 34.5億円 | 33.9% |
| FY2025/3 | 118億円 | 27.7億円 | 23.5% |
実効税率は年により変動が見られますが、これは一時的な税務上の調整や繰延税金資産の影響を反映しています。過去には利益水準に対して高い税負担となる年もありましたが、近年は概ね標準的な税率範囲に収まる傾向です。税引前利益が安定しているため、税務上の予測精度は比較的高い水準を維持しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 587万円 | 3,881人 | - |
従業員の平均年収は587万円であり、繊維業界の平均水準と比較して堅実な給与体系を維持しています。近年、半導体製造装置向け等の化成品事業が収益を下支えする構造へ転換しており、業績の好調さが賞与等の形で適切に従業員へ還元されている状況です。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主はAVI JAPAN OPPORTUNITY TRUST PLC(常任代理人 みずほ銀行決済営業部)・三井住友銀行。
金融機関や機関投資家による保有が中心となっており、日本マスタートラスト信託銀行が筆頭株主として名を連ねるなど、長期保有を目的とした安定的な株主構成です。一部に外国法人(AVI JAPAN OPPORTUNITY TRUST PLC等)の保有も見られますが、創業家や事業法人(株式会社クラレなど)との資本関係も一定程度維持されており、経営の継続性を重視する構造といえます。
会社の公式開示情報
役員報酬
繊維事業を祖業としながら、現在は半導体製造装置向けの高機能樹脂製品や産業資材といった化成品事業が利益の柱へ成長しています。事業リスクとしては、原材料価格の変動や半導体市況の影響、海外市場における為替リスクを抱えており、これらへの対策が中期経営計画「Accelerate'27」においても経営の重点課題となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は8.3%と向上途上にあるものの、監査体制は監査役会設置会社として外部監査を適切に運用しています。連結子会社21社を擁するグループ全体での統治を強化しており、創業130年を超える歴史の中で培われた規律あるガバナンス体制を特徴としています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,530億円 | — | 1,507億円 | -1.5% |
| FY2024 | 1,540億円 | — | 1,513億円 | -1.7% |
| FY2023 | 1,450億円 | — | 1,535億円 | +5.9% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 93億円 | — | 103億円 | +10.9% |
| FY2024 | 79億円 | — | 92億円 | +16.3% |
| FY2023 | 70億円 | — | 87億円 | +23.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画「Accelerate'27」では、最終年度(2027年度)に売上高1,650億円、営業利益130億円を目標としています。初年度である2025年3月期の実績は売上高1506.6億円、営業利益103.11億円であり、順調な滑り出しを見せています。過去の業績予想を振り返ると、売上高は期初予想に届かないケースがある一方、営業利益は予想を大幅に上回って達成する傾向が見られます。これは、収益性の高い化成品事業の貢献やコスト管理が奏功していることを示唆しており、計画達成への信頼性は比較的高いと言えるでしょう。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
2025年3月期までの4年間はTOPIXをアンダーパフォーム(下回る)していましたが、直近の2025年3月期では自社TSRが248.7%とTOPIXの213.4%を上回り、アウトパフォームに転じました。これは、株価の大幅な上昇と増配が主な要因です。事業ポートフォリオの転換や資産効率化への取り組みが市場に評価され始め、株主価値の向上に繋がったことを示しています。この傾向が継続できるかどうかが、今後の焦点となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 76.4万円 | -23.6万円 | -23.6% |
| FY2022 | 72.9万円 | -27.1万円 | -27.1% |
| FY2023 | 104.9万円 | +4.9万円 | 4.9% |
| FY2024 | 146.8万円 | +46.8万円 | 46.8% |
| FY2025 | 248.7万円 | +148.7万円 | 148.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は0.65倍と1倍を大きく下回っており、売り残が買い残を上回る「売り長」の状態です。これは、将来の株価下落を見込む空売りが多い一方、買い戻しによる株価上昇圧力(踏み上げ)も期待できる状況を示唆します。業界平均PER(33.1倍)と比較して、自社のPERは16.0倍と割安な水準にあり、事業の変革がまだ株価に完全には織り込まれていない可能性も考えられます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
第3四半期決算にて、純利益が前年同期比55.2%増となる99.7億円を記録し、通期予想を上方修正しました。
素材開発のスピードアップを目指し、MI-6株式会社のインフォマティクスプラットフォームを導入しました。
西垣伸二氏が代表取締役社長に就任し、新たな経営方針「Accelerate'27」を強力に推進する体制を整えました。
最新ニュース
倉敷紡績 まとめ
ひとめ診断
「130年超の繊維名門が、半導体素材とバイオ技術へ大胆にピボットし、不動産事業で安定収益を確保する変革企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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