(株)三越伊勢丹ホールディングス
Isetan Mitsukoshi Holdings Ltd.
最終更新日: 2026年3月22日
三越350年・伊勢丹138年の伝統を「世界基準の個客業」へと進化させる
お客さまの暮らしを豊かにする、世界に類のない唯一無二のリテールグループを目指します。一人ひとりの「特別」に応える「個客業」を確立し、百貨店の概念を超えた価値を提供します。
この会社ってなに?
あなたが「伊勢丹」「三越」と聞けば、デパ地下のスイーツやブランドショップを思い浮かべるのではないでしょうか。新宿伊勢丹のファッションフロア、日本橋三越の重厚な本館、銀座三越のラグジュアリーな空間――これらすべてを運営しているのがこの会社です。お中元・お歳暮の贈り物選びや、特別な日のお買い物で利用したことがある方も多いはず。株主になると三越・伊勢丹でのお買い物が10%割引になる優待カードがもらえます。最近はオンラインストアの充実や海外店舗の展開にも力を入れています。
三越伊勢丹ホールディングスは、三越と伊勢丹の経営統合により2008年に誕生した百貨店業界最大手グループです。旗艦店の伊勢丹新宿本店は売上高日本一の百貨店として知られ、日本橋三越本店・銀座三越と合わせた都心3店舗が収益を牽引しています。FY2025/3実績では売上高5,555億円、営業利益763億円と2期連続で過去最高益を更新。インバウンド需要と富裕層向けラグジュアリー商品の好調に加え、不動産事業や金融事業など百貨店の枠を超えた多角化が進んでいます。2025〜2030年度の6ヶ年中期経営計画では、2027年度に営業利益850億円、2030年度に1,000〜1,100億円を目標に掲げ、世界基準の「個客業」の確立を目指しています。
会社概要
- 業種
- 小売業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都新宿区西新宿3-2-5 三越伊勢丹西新宿ビル
- 公式
- www.imhds.co.jp
社長プロフィール
私たちは、三越と伊勢丹という日本を代表する百貨店のDNAを受け継ぎ、お客さま一人ひとりに寄り添う「個客業」を追求しています。百貨店の強みである「人の力」とデジタル技術を掛け合わせ、世界基準の新しい顧客体験を創造してまいります。2030年に向けて、営業利益1,000億円超の達成と持続的な成長を実現し、すべてのステークホルダーの期待に応えてまいります。
この会社のストーリー
三井高利が日本橋に呉服店「越後屋」を開業。「現銀掛値なし(現金定価販売)」という画期的な商法を導入し、江戸の庶民から絶大な支持を得ました。日本の小売業の原点です。
小菅丹治が神田旅籠町に「伊勢屋丹治呉服店」を創業。のちに新宿に移転し、ファッション性の高い品揃えで若い世代の心を掴み、「ファッションの伊勢丹」としてのブランドを確立しました。
三越と伊勢丹が経営統合し、共同持株会社として三越伊勢丹ホールディングスが誕生。百貨店業界最大手グループとなり、日本の百貨店再編の象徴的な出来事となりました。
パンデミックにより旗艦店を含む全店舗が休業を余儀なくされ、FY2021/3は410億円の最終赤字を計上。しかしこの危機がDX推進やビジネスモデル改革のきっかけとなりました。
インバウンド需要と富裕層戦略の成功により、FY2024/3に営業利益543億円、FY2025/3に763億円と2期連続で過去最高益を更新。中期計画の目標を200%超で達成しました。
6ヶ年中期経営計画で2030年度に営業利益1,000〜1,100億円を目標に設定。百貨店を核に不動産・金融・デジタルの三位一体で、世界基準の「個客業」の確立を目指します。
注目ポイント
伊勢丹新宿本店は売上高日本一の百貨店として君臨。日本橋三越本店・銀座三越と合わせた都心3店舗が圧倒的な収益力を誇り、インバウンド需要の受け皿として他社を圧倒しています。
2022〜2024年度中期計画の営業利益目標350億円に対し763億円と目標対比200%超で達成。業績予想は毎期上方修正を繰り返し、「約束を大幅に上回る」経営の信頼性が際立っています。
4期連続増配に加え、上限5.1%の大型自社株買いを実施。三越・伊勢丹でのお買い物が10%割引になる株主優待カードは実用性抜群で、長期保有特典もあり、株主への還元姿勢は百貨店業界随一です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 12円 | 17.8% |
| FY2017/3 | 12円 | 31.4% |
| FY2018/3 | 12円 | 0.8% |
| FY2019/3 | 12円 | 34.7% |
| FY2020/3 | 12円 | 0.8% |
| FY2021/3 | 9円 | 0.8% |
| FY2022/3 | 10円 | 30.9% |
| FY2023/3 | 14円 | 16.5% |
| FY2024/3 | 34円 | 23.3% |
| FY2025/3 | 54円 | 37.9% |
| 必要株数 | 100株以上(約28万円) |
| 金額相当 | 利用額に応じて変動 |
| 権利確定月 | 3月・9月 |
| 長期特典 | 3年以上保有で限度額アップ |
4期連続増配を続けており、FY2025/3は年間54円の配当を実施。FY2026/3は年間60円(+6円)への増配を予想しています。配当性向は約38%で、40%目標に対してはほぼ適正水準。自社株買いも積極的で、FY2025/3には上限5.1%の大型自社株買いを実施。株主優待の10%割引カードは百貨店利用者にとって実用性が高く、3年以上の長期保有で限度額がアップする特典も魅力です。
同業比較(収益性)
小売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
三越伊勢丹HDは、コロナ禍で赤字に沈んだFY2021/3から劇的なV字回復を遂げました。FY2022/3には会計基準変更(収益認識基準適用)で売上高が大幅に減少していますが、利益面はFY2023/3以降急回復し、FY2024/3に営業利益543億円、FY2025/3に763億円と2期連続で過去最高益を更新。インバウンド需要と富裕層向けラグジュアリー商品の販売拡大が牽引しています。FY2026/3予想は売上高5,570億円(+0.3%)、営業利益780億円(+2.2%)と3期連続の最高益更新を見込んでいます。
事業ごとの売上・利益
伊勢丹新宿本店・日本橋三越本店・銀座三越が3本柱。インバウンド・富裕層向けラグジュアリー商品が好調で過去最高益水準
エムアイカードを中核とするクレジットカード・金融事業。百貨店との相乗効果で安定的な手数料収入を獲得
新宿・日本橋・銀座エリアの不動産開発・賃貸事業。都心一等地の資産を活用した高収益セグメント
スーパー・専門店・海外事業等。三越伊勢丹ニッコウトラベルや岩田屋三越などを含む
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0.9% | -3.4% | 2.9% |
| FY2022/3 | 2.3% | 1.1% | 5.4% |
| FY2023/3 | 1.8% | 2.7% | 3.7% |
| FY2024/3 | 5.3% | 4.5% | 5.7% |
| FY2025/3 | 3.9% | 4.4% | 4.9% |
コロナ禍のFY2021/3にはROE-8.1%・営業利益率-2.6%と大幅赤字でしたが、その後は劇的な改善を遂げています。FY2025/3には営業利益率13.7%と、百貨店業界では突出した高収益性を実現。ROEは9.3%から8.8%にやや低下しましたが、これは自社株買いによる自己資本の変動と繰延税金資産取崩しの影響です。収益認識基準の適用により売上高は実質的な手数料ベースとなり、見かけ上の利益率が大きく向上しています。
財務は安全?
自己資本比率はFY2021/3の41.9%からFY2025/3には49.9%へ着実に改善し、財務基盤は極めて堅固です。FY2024/3に有利子負債3,502億円が計上されましたが、FY2025/3には2,950億円に減少。BPSも1,317円から1,646円へ成長しており、1株あたりの資産価値は着実に向上しています。なお、FY2021/3〜FY2023/3の有利子負債が0と表示されているのはデータ取得上の制約で、実際にはリース負債等が存在しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 12.0億円 | -47.4億円 | 297億円 | -35.4億円 |
| FY2022/3 | 379億円 | -174億円 | -399億円 | 205億円 |
| FY2023/3 | 663億円 | -270億円 | -162億円 | 393億円 |
| FY2024/3 | 569億円 | -270億円 | -685億円 | 299億円 |
| FY2025/3 | 896億円 | -260億円 | -949億円 | 636億円 |
営業CFはFY2021/3のわずか12億円からFY2025/3には895億円と大幅に拡大。FCFもFY2021/3のマイナスからFY2025/3には636億円と飛躍的に改善しました。FY2025/3の財務CFが-949億円と大きなマイナスですが、これは大型自社株買い(上限5.1%)と借入金返済によるもの。キャッシュ創出力は百貨店業界トップクラスで、直近4年間の累計FCFは約1,533億円に達します。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -172億円 | 0円 | - |
| FY2022/3 | 95.2億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 300億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 599億円 | 43.0億円 | 7.2% |
| FY2025/3 | 881億円 | 353億円 | 40.1% |
コロナ禍の赤字で発生した繰延税金資産の取崩しにより、FY2022/3〜FY2023/3は実効税率がほぼ0%でした。FY2024/3も繰越欠損金の充当で7.2%に留まりましたが、FY2025/3にはその効果が一巡し40.1%と通常水準に回帰しています。FY2026/3予想では実効税率23.1%を見込んでおり、純利益は増益転換の計画です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 923万円 | 8,921人 | - |
連結従業員数は8,921名で、平均年収は約923万円と小売業界ではトップクラスの水準です。平均年齢47.5歳、平均勤続年数23.8年と長期勤続者が多い特徴があります。なお、持株会社・百貨店事業を含むグループ全体では臨時従業員を含め約1.7万人規模となります。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は三越伊勢丹グループ従業員持株会氏・三越伊勢丹グループ取引先持株会氏・公益財団法人三越厚生事業団。
筆頭株主の日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が16.72%を保有し、機関投資家中心の安定的な株主構成です。公益財団法人三越厚生事業団が3.61%を保有するのは旧三越時代からの歴史的経緯によるもの。金融機関の保有比率が32.9%と高く、個人投資家も34.8%と厚い層を形成しています。取引先持株会・従業員持株会がそれぞれ約2%・1%を保有し、ステークホルダーの持株意識も高い水準です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 百貨店業 | 4,063億円 | 580億円 | 14.3% |
| クレジット・金融・友の会業 | 380億円 | 68億円 | 17.9% |
| 不動産業 | 220億円 | 55億円 | 25.0% |
| その他 | 892億円 | 60億円 | 6.7% |
訴訟・係争
百貨店業が売上の約73%を占める主力セグメントで、都心旗艦3店舗の高い集客力とインバウンド需要により利益率14.3%と高水準を実現。不動産業は利益率25%と最も高収益で、新宿・日本橋・銀座の一等地における資産活用が強みです。クレジット・金融業は利益率17.9%と安定的に稼ぐ第二の柱。百貨店を核としつつ、不動産・金融・デジタルの三位一体で収益基盤を多角化しています。
この会社のガバナンスは?
取締役11名中女性3名(27.3%)と、小売業界の中では高い女性登用率を実現しています。監査報酬2.29億円はグループ規模に見合った水準。設備投資は320.9億円と百貨店業界ではトップクラスの投資額で、伊勢丹新宿本店のリモデルや日本橋三越本店の改装、DX投資に重点配分しています。連結子会社37社、臨時従業員8,419名を擁するグループ体制です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 5,100億円 | — | 5,364億円 | +5.2% |
| FY2025/3 | 5,480億円 | — | 5,555億円 | +1.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 350億円 | — | 543億円 | +55.1% |
| FY2025/3 | 640億円 | — | 763億円 | +19.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2022〜2024年度中期経営計画の営業利益目標350億円に対し、最終年度のFY2025/3で763億円と目標対比200%超の大幅達成。ROEも目標8%に対し8.8%を実現しました。業績予想の精度は極めて保守的で、FY2024/3は営業利益が+55.1%の上振れ、FY2025/3も+19.2%の上振れ着地。新中期計画(2025〜2030年度)では2027年度に営業利益850億円、2030年度に1,000〜1,100億円という野心的な目標を掲げています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近5年間のTSR(株主総利回り)は358.8%で、TOPIXの213.4%を大幅に上回るアウトパフォームを達成しています。特にFY2023〜FY2024にかけてインバウンド需要の急回復を背景に株価が急騰し、TSRは240.5%から406.6%へジャンプ。FY2025には株価調整で358.8%にやや低下しましたが、それでもTOPIXを145ポイント以上上回る圧倒的なリターンを実現しました。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 124.9万円 | +24.9万円 | 24.9% |
| FY2022 | 156.5万円 | +56.5万円 | 56.5% |
| FY2023 | 240.5万円 | +140.5万円 | 140.5% |
| FY2024 | 406.6万円 | +306.6万円 | 306.6% |
| FY2025 | 358.8万円 | +258.8万円 | 258.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は15.3倍と買い長の状態で、個人投資家の買い意欲が旺盛であることを示しています。PER16.3倍はセクター平均18.5倍を下回り、利益成長に対して割安感があります。一方PBR1.72倍はセクター平均を上回り、都心一等地の不動産価値や無形資産が株価に織り込まれています。52週高値3,255円(2024年7月)からの調整局面にありますが、3期連続最高益更新の期待が下値を支えています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/3 3Q決算と同時に上限5.1%の自社株買いと最終利益・配当予想の増額修正を発表。株価は大幅高で6連騰を記録しました。
2025〜2030年度の6ヶ年中期経営計画を発表。2027年度に営業利益850億円、2030年度に1,000〜1,100億円の目標を掲げ、世界基準の「個客業」確立を目指します。
FY2025/3通期決算で営業利益763億円と2期連続で過去最高益を更新。年間配当は54円に増配し、FY2026/3予想は60円とさらなる増配を発表しました。
FY2024/3通期決算で営業利益543億円と過去最高益を達成。インバウンド売上が前年比2倍超に急伸し、都心店舗の高い収益力が改めて証明されました。
最新ニュース
(株)三越伊勢丹ホールディングス まとめ
ひとめ診断
「百貨店首位、新宿伊勢丹・日本橋三越を核にインバウンドと富裕層で稼ぐ個客業リテーラー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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