アンドエスティHD
and ST HD Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月27日
人気ブランドを多数展開し、ECプラットフォームで業界の未来を切り拓くファッションカンパニー
5回目のチェンジを通じて、アパレルの枠を超えたライフスタイル提案企業へと進化し、お客さま一人ひとりの『なりたい自分』を実現する。
この会社ってなに?
あなたが週末にショッピングモールを歩いていると、きっと『GLOBAL WORK』や『niko and ...』といったお店を見かけませんか?実はあのお店を運営しているのが、このアンドエスティHDです。あなたのクローゼットにある普段着も、もしかしたらこの会社の製品かもしれません。最近では、これらのお店の公式通販サイト『.st(ドットエスティ)』が、他のブランドも買えるオンラインのショッピングモールに進化しており、ファッション通販の裏側でますます存在感を増しています。
「GLOBAL WORK」など複数のアパレルブランドを全国のショッピングセンターで展開する大手。FY2025は売上高2,931.1億円と過去最高を更新した一方、戦略投資で営業利益は155.10億円(前期比-13.9%)と減益に着地しました。しかし、会社はFY2026に営業利益190.0億円へのV字回復を予想。自社ECサイト「.st(ドットエスティ)」を他社にも開放するプラットフォーム戦略が軌道に乗り、新たな収益の柱として成長できるかが今後の焦点です。
会社概要
- 業種
- 小売業
- 決算期
- 2月
- 本社
- 東京都渋谷区渋谷2丁目21番1号 渋谷ヒカリエ
- 公式
- www.andst-hd.co.jp
社長プロフィール
私たちは、多様なブランドを通じてお客様に『ワクワク』を提供することを目指しています。ECプラットフォームの強化や他社との協力を通じて新たな価値を創造し、ファッション業界全体の発展に貢献していきます。
この会社のストーリー
株式会社ポイント(後のアダストリア)としてジャスダック市場に上場。公募価格700円に対し、初値は715円をつけた。
業績拡大を背景に株価が大きく上昇し、1月5日に上場来高値である10,460円を記録した。
株式会社ポイント、株式会社トリニティアーツ、株式会社N9&PGが経営統合し、共同持株会社としてアダストリアホールディングスを設立。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で実店舗が打撃を受ける中、株価は一時上場来安値を記録。EC事業の強化が急務となった。
自社ECサイト「ドットエスティ(.st)」を他社にも開放するプラットフォーム化を開始。アパレル業界のインフラとなることを目指す。
株式会社アダストリアから「株式会社アンドエスティHD」へ商号を変更し、持株会社体制へ移行。グループ各事業の成長を加速させる。
「中期経営計画2030~5回目のチェンジ~」を策定。プラットフォーム事業でGMV(流通取引総額)1,000億円を目指し、さらなる成長を図る。
注目ポイント
自社ECサイト「ドットエスティ」を他社ブランドにも開放するプラットフォーム戦略を推進。業界全体のインフラを目指す先進的な取り組みで、新たな成長を目指しています。
「グローバルワーク」や「ニコアンド」など、幅広い世代に支持される人気ブランドを30以上展開。多様なニーズに応える商品力で、安定した収益基盤を築いています。
連結配当性向30%、DOE4.5%以上を基本方針とし、安定した配当を実施。グループ店舗で使える優待券も魅力的で、投資家への還元意識が高い企業です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2017/3 | 75円 | 30.9% |
| FY2018/3 | 50円 | 272.3% |
| FY2019/3 | 50円 | 60.5% |
| FY2020/3 | 50円 | 37.0% |
| FY2021/3 | 40円 | 0.6% |
| FY2022/3 | 55円 | 50.6% |
| FY2023/3 | 60円 | 36.1% |
| FY2024/3 | 85円 | 28.5% |
| FY2025/3 | 90円 | 43.1% |
| FY2026/3 | 90円 | 43.7% |
| 権利確定月 | 2月 |
当社は連結配当性向30%に加え、純資産配当率(DOE)4.5%以上を基準とする安定かつ高水準の還元方針を掲げています。業績の成長に伴い増配基調を維持しており、株主還元への意欲は非常に高いと言えます。DOE4.5%基準の採用により、株主資本を活用した安定的な配当が期待できる点が大きな魅力です。
同業比較(収益性)
小売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の業績は、主力ブランドである「グローバルワーク」等の好調な展開を背景に、FY2021/3のコロナ禍による一時的な赤字から急速な回復を見せています。FY2024/3には売上高が約2,756億円、純利益が約135億円と過去最高水準を達成するなど、マルチブランド戦略が功を奏し収益性が大幅に向上しました。今後はプラットフォーム事業の拡大を通じ、持続的な成長を目指す見通しです。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2022/3 | -1.1% | -0.7% | - |
| FY2023/3 | 9.7% | 5.0% | - |
| FY2024/3 | 13.5% | 6.8% | - |
| FY2025/3 | 16.2% | 10.6% | 6.5% |
| FY2026/3 | 17.4% | 7.2% | 5.3% |
収益性は、コロナ禍での一時的な低迷を経て、FY2024/3には営業利益率6.5%、ROE(自己資本利益率)18.9%を記録するなど、劇的な改善を果たしました。これはECと店舗を融合させるOMO型ビジネスの成果により、商品消化率や収益性の高い販売手法が確立されたことが大きな要因です。直近では若干の調整が見られるものの、全体として資本効率を意識した高い経営パフォーマンスを維持しています。
財務は安全?
財務健全性は、無借金経営に近い状態を長く維持してきた強固な基盤があります。FY2025/3時点で自己資本比率は57.9%と高い水準を確保しており、中長期的な投資や株主還元を支える十分な財務余力を有しています。今後は持株会社体制への移行に伴い、事業投資を機動的に行うための適切なレバレッジ管理が継続的な課題となります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2022/3 | 119億円 | -73.7億円 | -68.4億円 | 45.7億円 |
| FY2023/3 | 35.0億円 | -77.8億円 | -32.5億円 | -42.8億円 |
| FY2024/3 | 135億円 | -99.6億円 | -44.0億円 | 35.0億円 |
| FY2025/3 | 222億円 | -99.2億円 | -55.8億円 | 123億円 |
| FY2026/3 | 214億円 | -170億円 | -71.1億円 | 44.0億円 |
本業の稼ぐ力を示す営業キャッシュフローは、FY2024/3以降200億円超の安定した水準を確保しており、強力なキャッシュ創出能力を証明しています。一方で投資キャッシュフローは、店舗展開やECプラットフォームの強化に向けた積極的な支出により増加傾向にあります。これら成長投資を適切に行いつつも、フリーキャッシュフローは黒字を維持しており、盤石な資金循環を実現しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2022/3 | 29.8億円 | 36.7億円 | 123.2% |
| FY2023/3 | 81.7億円 | 32.5億円 | 39.8% |
| FY2024/3 | 120億円 | 44.9億円 | 37.3% |
| FY2025/3 | 184億円 | 48.8億円 | 26.5% |
| FY2026/3 | 160億円 | 63.5億円 | 39.8% |
FY2021/3は利益水準の低迷により一時的に税負担率が跳ね上がりましたが、以降は概ね標準的な税率水準で推移しています。FY2024/3は税効果会計等の要因により一時的に実効税率が低下しましたが、その後は法定実効税率に近い水準に戻っています。今後も業績の安定成長とともに、予測可能な納税が継続される見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 453万円 | 6,944人 | - |
従業員の平均年収は453万円となっており、小売業界の水準と比較して標準的な範囲に収まっています。多店舗展開を行うアパレル業態であるため、店舗スタッフや若手社員の構成比が高く、若手層への利益還元や人件費効率を意識した経営が行われている点が特徴です。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主はフクゾウ・豊島。
同社の株主構成は、筆頭株主である株式会社フクゾウ(36.62%)をはじめとする創業家関連の安定株主が大きな割合を占めています。機関投資家の保有も一定数存在しますが、創業家による強固な経営支配力が継続しており、長期視点での経営が可能な体制が維持されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、連結子会社20社を擁し、アパレル販売から外食、プラットフォーム事業まで幅広く展開しています。主な事業リスクとして、アパレル市場のトレンド変化による在庫リスクや、サプライチェーンにおける地政学リスクなどが挙げられており、多角化による収益安定化を図る姿勢が示されています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が27.3%に達しており、多様な視点を取り入れた経営体制の構築に注力しています。連結子会社20社を適切に管理するため、年間7,700万円の監査報酬を支払うなど、ガバナンス強化とグループ全体のコンプライアンス管理を重視しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 2,900億円 | — | 2,931億円 | +1.1% |
| FY2024 | 2,600億円 | — | 2,756億円 | +6.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 190億円 | — | 155億円 | -18.4% |
| FY2024 | 140億円 | — | 180億円 | +28.7% |
| FY2023 | 100億円 | — | 115億円 | +15.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画では、FY2026に売上高3,050億円、営業利益190億円を目標としています。直近のFY2025実績は売上高2,931.1億円と目標に対し順調ですが、営業利益は155.1億円と進捗が遅れています。これは、ECプラットフォーム「.st」への先行投資が利益を圧迫しているためです。会社予想の精度を見ると、売上高は予想を上回る傾向にありますが、利益面では計画未達や下方修正が散見され、投資計画のコントロールが今後の課題と言えるでしょう。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、株価上昇と配当による総合的な投資リターンを示す指標です。FY2024を除き、過去5年間のほとんどの期間でTOPIXをアンダーパフォームしています。これは、同期間における株価の伸び悩みが主な要因と考えられます。FY2024に一時的にTOPIXを上回ったものの、FY2025には再び劣後しており、安定して市場平均を上回るリターンを創出するには、中期経営計画の達成による持続的な利益成長が不可欠な状況です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 116.3万円 | +16.3万円 | 16.3% |
| FY2022 | 102.5万円 | +2.5万円 | 2.5% |
| FY2023 | 132.7万円 | +32.7万円 | 32.7% |
| FY2024 | 208.6万円 | +108.6万円 | 108.6% |
| FY2025 | 184.6万円 | +84.6万円 | 84.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
最新の信用倍率は1.02倍と、買い方と売り方の勢力が拮抗しており、目先の株価は方向感に乏しい展開が予想されます。一方、業界平均と比較するとPERは11.1倍と割安な水準にあり、配当利回りも3.03%と魅力的です。投資家の評価はまだ低いものの、今後の業績回復を先取りする動きが出れば、見直される余地は大きいと考えられます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
持株会社体制への移行に伴い、「株式会社アンドエスティHD」へ商号変更を実施。
中期経営計画「2030~5回目のチェンジ~」を策定し、過去最高売上2,931.1億円の基盤を強化。
自社ECモール「and ST」にてポイント相互交換サービスを開始し、プラットフォーム事業を拡大。
最新ニュース
アンドエスティHD まとめ
ひとめ診断
「『ニコアンド』のアパレル大手が、ECモール『ドットエスティ』を武器に業界プラットフォーマーへ変貌中」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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