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バリューコマース2491

ValueCommerce Co.,Ltd.

プライムUpdated 2026/07/30
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どんな会社?

事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ

ひとめ診断

業績
低迷
営業益 前年比△52.6%(オンラインモール向け2サービスの契約終了で減収が続き、FY2026は営業赤字予想。中間期も営業損失5.6億円)
配当
高め
1株 49円(年49円→16円へ減額。FY2025は配当性向217.6%と利益を大きく超える水準だった反動)
安全性
安定
自己資本比率 73.7%(FY2026/12 2Q末時点)(有利子負債ゼロ・現預金100億円。自己資本比率は2026年6月末73.7%で財務余力は厚い)
稼ぐ力
普通
ROE 3.9%(FY2025/12実績)(営業利益率はFY2021の23.6%からFY2025は8.2%へ低下し、中間期はマイナス圏)
話題性
不評
ポジ 25%(赤字転落の一方、米カナメ・キャピタルが純投資目的で9.71%まで買い増し筆頭株主になりました)

この会社ってなに?

ブログや比較サイトの「この商品はこちら」というリンクから買い物をしたことはありませんか?その裏側を動かしているのがバリューコマースです。1999年から成果報酬型広告(アフィリエイト)を手がけ、いまも726社の広告主とブロガーやインフルエンサーをつなぎ、売れた分だけ報酬が支払われる仕組みを提供。ホテル・旅館向けの予約システム「DYNA IBE」も手がけています。長年Yahoo!ショッピング向け広告が柱でしたが、2025年7月に契約終了。いまは新しい柱づくりの正念場です。

バリューコマースは1996年設立、1999年に成果報酬型広告「バリューコマース アフィリエイト」を自社開発した国内有数のASPです。長年の稼ぎ頭だったYahoo!ショッピングのストア向け広告「StoreMatch」とCRMツールはLINEヤフーとの取引契約が2025年7月31日に終了し、翌8月にはLINEヤフー側が保有株を全売却して資本関係も消滅しました。2025/12期は売上241.7億円(△20.5%)・営業利益19.7億円(△52.6%)・純利益4.9億円(△82.9%)と大幅減益。2026/12期は売上144億円・営業損失7.0億円の赤字予想で、配当も年49円→16円へ減額しました。一方で有利子負債ゼロ・現預金100億円・自己資本比率73.7%と財務余力は厚く、ソーシャルコマースを「次の成長の起点」に、「ナラティブ(物語)マーケティング」への転換とトラベルテックのDXを軸に立て直しを進めています。

サービス業プライム市場

注目ポイント

1999年から27年、国内有数のアフィリエイトASP

1999年に成果報酬型広告「バリューコマース アフィリエイト」を自社開発し、独自のトラッキング技術で広告主とメディア運営者をつないできました。広告主数は2026年6月末726社で前年同期672社から54社増えましたが、水準は2023年12月期4Qの725社とほぼ同じ。同期間にアフィリエイト売上は四半期32.2億円→24.7億円へ縮んでおり、社数回復と単価・粗利低下が同時に起きています。

借入ゼロ・現預金100億円の分厚い財務余力

借入金も社債も持たない無借金経営で、2026年6月末の現金及び預金100.1億円は総資産154.1億円の65%を占めます。自己資本比率は73.7%、PBRは0.88倍で解散価値を下回る水準です。自己株式を除いた株式時価(約100億円)は手元現預金とほぼ同額で、1株当たり現預金460.6円は株価460円とほぼ同水準。通期予想の営業損失7.0億円に対し、立て直しに使える時間的な余裕は十分にあります。

親会社なき独立経営という転換点

20年続いたLINEヤフーとの資本関係が2025年8月に消滅し、主力の収益も失いました。売上4割減・営業赤字の代償は重い一方、意思決定の自由度は高まり株主構成も一新。米カナメ・キャピタルが9.71%まで買い増し筆頭株主に(保有目的は「純投資」で重要提案行為等の予定なし)。会社はソーシャルコマースを次の成長の起点に据え、2026年7月に「Narrative Score」(特許出願)を投入しました。

会社概要

業種
サービス業
決算期
12月
本社
東京都港区芝2-7-17 住友芝公園ビル7階
公式
www.valuecommerce.co.jp

サービスの実績は?

241.7億円
売上高(2025/12期実績)
オンラインモール向け2サービス終了・2026/12期予想は144億円
△20.5%(前期比)
5.6億円
営業損失(2026/12期 中間期)
中間期予想△7.0億円・通期予想も△7.0億円で損失は計画内
前年同期は営業利益19.9億円
100.1億円
現金及び預金(2026年6月末)
総資産154.1億円の65%・借入金も社債もゼロ
△10.1億円(2025年12月末110.3億円から)
726
アフィリエイト広告主数(2026年6月末)
主力サービス契約終了後も新規開拓は前進
+54社(前年同期比/672社→726社)
346
従業員数(2026年6月末)
有報の2025年12月末は381名(連結・単体とも同数)
△69名(前年同期比・採用抑制)
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なぜ伸びるの?

売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く

事業ごとの売上・利益

マーケティングソリューションズ事業
52.1億円89.8%)
トラベルテック事業
5.9億円10.2%)
マーケティングソリューションズ事業52.1億円
利益: 5.4億円利益率: 10.4%

成果報酬型広告「アフィリエイト」が主力。2026/12期中間期の内訳はASP 9.6億円・コンサルティング27.2億円・オプション12.6億円(アフィリエイト計49.5億円)+その他2.6億円。売上は前年同期比△25.0%、セグメント利益は同△23.7%。ショッピング分野は好調だったが、金融分野で一部広告主の広告出稿方針の変更があった。広告主数は2026年6月末726社で前年同期672社から54社増加(ただし水準は2023年12月期4Qの725社とほぼ同水準)。会社はアフィリエイト市場単体での高成長は難しいとしてソーシャルコマースを「次の成長の起点」と位置づけ、2025年3月に取得したインフルエンサーマーケティングの株式会社BUZMA(同年7月吸収合併)を中核に、2026年7月には「Narrative Score」(特許出願)と「Narrative Marketing」を投入した

トラベルテック事業5.9億円
利益: △1.3億円利益率: △21.8%

宿泊予約システム「DYNA IBE」とホテル管理システム「DYNA PMS」を宿泊施設に提供。2025年4月に吸収合併したダイナテック株式会社が有していた企業ブランドを2025年9月に承継し、事業ブランドを「DYNATECH」へリブランド(同時に「Direct In」→「DYNA IBE」、「Dynalution」→「DYNA PMS」へサービス名変更)。2026/12期中間期は一部宿泊施設チェーンの契約見直しで売上が前年同期比△10.0%。新たな事業領域への戦略投資が先行しセグメント損失となっている。前向きな進展として、2026年2月に『DYNA PMS』へAIでOTA予約情報を自動補正する「予約管理DX」をリリース(京王電鉄との共同で特許出願中。検証施設では1日約200件の予約確認を約500分=約1人日削減)。DYNA PMSは全国約450施設で利用されている。IRのトラベルテック事業戦略では、サブスク型インフルエンサーマッチング「BUZMA」と連携して認知拡大から予約・リピートまでの顧客獲得モデルを構築するとしており、会社は「定常的なシステム提供と従量課金型モデル」を軸とした成長を掲げている。※会社の決算説明資料は内部売上高0.05億円を含むセグメント売上高5.9億円(592百万円)を掲示しており、当表は連結売上と一致する外部顧客売上高587百万円を採用

稼ぐ力はどのくらい?

まあまあの効率です

FY2025/12実績

ROE
3.9%
株主資本の利回り
ROA
2.7%
総資産の活用度
Op. Margin
8.2%
営業利益率
会計期ROEROA営業利益率
2021/12期20.9%14.1%23.6%
2022/12期31.1%22.3%23.1%
2023/12期15.7%12.0%17.8%
2024/12期16.2%11.9%13.7%
2025/12期3.9%2.7%8.2%

ROEは有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の会社公式値(期中平均自己資本ベース)を採用しています。2022/12期の31.1%をピークに、2025/12期は3.9%まで低下しました。営業利益率も2021/12期の23.6%から2025/12期は8.2%へ15.4ポイント悪化しています。悪化の性質は2つに分かれます。構造要因は、粗利率の高いオンラインモール向け広告(StoreMatch・STORE's R∞)が2025年7月31日の契約終了で消えたことで、四半期の営業利益率は2025期 Q2の12.0%からQ3 4.0%・Q4はマイナスへ段差を描いて落ち込みました。一過性要因は、2025/12期の減損損失12.7億円・持分法による投資損失3.7億円・繰延税金資産の取り崩し(法人税等調整額1.7億円)で、これらは営業利益より下の段階で純利益とROEを押し下げています。2026/12期の中間期は営業利益率△9.7%(営業損失5.6億円÷売上58.0億円)とマイナス圏で、本社移転の一時費用1.0億円(Q1 0.28億円+Q2 0.72億円)を含みます。移転に伴う恒常的な固定費増も会社はQ2で前年同期比+0.25億円と別建てで示しています。中間純損失4.6億円が経常損失5.5億円より小さいのは、特別利益の固定資産売却益0.88億円と法人税等ほぼゼロによるものです。ROAは純利益÷期中平均総資産で算出しています(2021/12期は起点期のため期首総資産に2020/12期末の224.7億円を使用)。

儲かってるの?

まあまあです
会計期売上高営業利益当期純利益EPS増収率
2021/12期336億円79.0億円32.6億円100.9円
2022/12期357億円82.5億円58.1億円179.6円+6.4%
2023/12期294億円52.3億円34.0億円105.2円-17.7%
2024/12期304億円41.6億円28.6億円113.2円+3.4%
2025/12期242億円19.7億円4.9億円22.5円-20.5%

売上高は2022/12期の357.1億円がピークで、2023/12期に293.9億円(△17.7%)へ落ち込み、2024/12期はいったん304.1億円(+3.4%)へ増収に転じたものの、2025/12期は241.7億円(△20.5%)まで減少しました。減収の主因は、Yahoo!ショッピングのストア向け広告「StoreMatch」とCRMツール「STORE's R∞」に係るLINEヤフーとの取引契約が2025年7月31日で終了したことです。両サービス(ECソリューションズ事業)は2024/12期に売上164.5億円を稼いでいましたが、2025/12期は98.3億円(△40.2%)に減り、2026期以降はゼロになります。営業利益は2025/12期が19.7億円(△52.6%)、経常利益は営業外費用5.1億円の計上で14.8億円(△64.1%)、純利益は減損損失12.7億円・法人税等調整額1.7億円(繰延税金資産の取り崩し)が重なり4.9億円(△82.9%)まで縮小しました(サービス移行業務収益10.3億円の特別利益で一部相殺)。営業から経常への4.9億円の落差は、ほぼ持分法適用関連会社StyleDoubler Oy 1社に集約されます。同社は当期に株式を取得して持分法適用範囲に入れたばかりですが、将来の収益見込みを見直した結果、投資に伴うのれん相当額の未償却残高の全額を減損して持分法による投資損失3.7億円を計上し、あわせて貸倒引当金繰入額1.37億円(同期の投資CF「関係会社貸付けによる支出」1.37億円と同額)も営業外費用に計上しました。取得した年度に投資と貸付の双方をほぼ全額引き当てた形です(同期の投資有価証券取得は4.2億円)。さらに特別損失の減損損失12.7億円の内訳は、マーケティングソリューションズ事業のソフトウエア等7.2億円・トラベルテック事業のソフトウエア等3.7億円・共用資産1.7億円+長期前払費用0.1億円で、いずれも回収可能価額を零として帳簿価額の全額を減額しています。最大の減損が新規領域ではなく主力のマーケティングソリューションズ側で発生している点は、収益構造の変化の深さを示しています。2026/12期は会社予想が売上144億円(連結ベースの前期比△40.4%、個別ベース△39.5%)・営業損失7.0億円・当期純損失8.0億円で、中間期(2026年1〜6月)実績は売上58.0億円・営業損失5.6億円・中間純損失4.6億円でした。損失は中間期予想(営業損失7.0億円・中間純損失8.0億円)より小幅に収まった一方、売上は中間期予想64億円に対する達成率90.6%と下振れしており、通期予想の達成には下期の売上回復が前提になります。なお2025/12期中にダイナテック(2025年4月)とBUZMA(2025年7月)を吸収合併して連結子会社がゼロになったため、2026/12期より非連結(単体)決算に移行しており、2025期までの連結値との単純比較には注意が必要です(会社も決算説明資料で前期連結・当期単体を並べています)。

業績の推移

売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。

同業比較(収益性)

サービス業の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)

ROE(自社 FY2025/12下回る
この会社
3.9%
他社平均
11.0%
営業利益率(自社 FY2025/12下回る
この会社
8.2%
他社平均
9.5%
自己資本比率(自社 FY2025/12末上回る
この会社
75.5%
他社平均
53.4%
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将来どうなりそう?

公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く

今期の業績予想と進捗

2Q FY2026/12期2026年7月29日公表)予想据置

単純進捗ベース
やや下振れ1指標中1つ
期間経過 50%
売上高
累計実績
58.0億円
通期予想 144億円
40.3%
前年同期
営業利益
損失消化率
累計実績
△5.6億円
通期予想 △7.0億円
80.0%
前年同期
最終利益
損失消化率
累計実績
△4.6億円
通期予想 △8.0億円
57.5%
前年同期

★営業利益80.0%・最終利益57.5%は達成率ではなく予想損失に対する消化率です(数値が大きいほど損失が計画より先行していることを意味します)。会社は2026年7月29日の中間決算でも通期予想(売上144億円・営業損失7.0億円・当期純損失8.0億円)を据え置きました(短信に「業績予想に変更はありません」と明記)。中間期の損失は営業△5.6億円・純△4.6億円で、いずれも中間期予想(営業△7.0億円・純△8.0億円)より小幅に収まっています。なお中間純損失4.6億円が経常損失5.5億円より小さいのは、特別利益に固定資産売却益0.88億円を計上し、法人税等合計も0百万円だったためです(税引前中間純損失4.6億円)。一方で売上の進捗率は40.3%(中間期予想64億円に対する達成率90.6%)で、通期達成には下期に86億円(中間期の1.5倍)の売上が必要です。会社も「コストカットは進捗している一方、通期予想の達成に向けては売上の回復が重要」と説明しています。※本セクションでは前年同期欄を設けていません。中間短信の中間財務諸表では前年同期比較が開示されていないためです(会社は冒頭で「前中間会計期間については中間連結財務諸表を作成し、中間財務諸表を作成していないため、前年同期との比較分析は行っておりません」と明記)。なお会社は決算説明資料では「前期の連結数値と当期の単体数値を用いております」という前提を明示した上で前年同期比を参考提示しており(売上前年同期比△63.7%、営業利益は前年同期19.9億円から△5.6億円への変動要因分析)、当ページのセグメント別増減率や営業利益の変動要因はその基準に従っています。

会社の公式開示情報

役員報酬

2億4,400万円
10名の合計
⚠️ 業績連動報酬の指標は連結EBITDAと連結当期純利益。株式報酬は総報酬の18〜19%程度、固定報酬と業績連動報酬の比率は6:4を目安としています。人数は区分別の合計(延べ10名)で、2026年3月25日の定時株主総会後の現任取締役も10名(うち監査等委員4名)です。
有価証券報告書「役員区分ごとの報酬等の総額」(2025/12期)の区分合計。取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)6名に2億500万円(内訳は固定報酬1億2,600万円・業績連動報酬6,600万円・譲渡制限付株式報酬1,200万円で、各項目は百万円未満切捨てのため合計と100万円の差があります)、社外役員4名に3,900万円(全額固定報酬)。監査等委員である社内取締役はいないため該当区分はゼロです。報酬総額が1億円以上の役員はいません。

事業別の稼ぎ

事業名売上利益利益率
マーケティングソリューションズ事業52.1億円5.4億円10.4%
トラベルテック事業5.9億円△1.3億円△21.8%

報告セグメントは2026/12期より「マーケティングソリューションズ事業」と「トラベルテック事業」の2区分になりました。2025/12期までは第3の柱としてECソリューションズ事業(StoreMatch・STORE's R∞)があり、2024/12期に売上164.5億円・セグメント利益45.0億円(全社売上の54%・セグメント利益合計の77%)、2025/12期に売上98.3億円・利益26.7億円を稼いでいましたが、LINEヤフーとの取引契約が2025年7月31日で終了したため2026/12期以降は消滅しています。ここが売上・利益の落ち込みをほぼ一手に説明する要因です。2つのセグメント利益の合計4.1億円(マーケティング5.4億円+トラベルテック△1.3億円)と、中間損益計算書の営業損失5.6億円の差△9.7億円は、各報告セグメントに帰属しない全社費用(本社機能の人件費・本社移転関連費用等)です。会社の営業利益の変動要因分析では、2025期中間期の営業利益19.9億円から当中間期△5.6億円への変化を、オンラインモール向けサービス終了△22.9億円/アフィリエイト直接粗利△3.8億円/トラベルテック直接粗利△0.5億円/本社移転一時費用△1.0億円/経費削減その他+2.7億円と説明しています。※競合比較の棒グラフは各社の最新通期売上高(億円)です。アフィリエイトASPは収益認識基準上の総額表示・純額表示の違いで売上高の水準が各社で大きく異なるため(ファンコミュニケーションズは純額表示で71億円ですが営業利益は19.7億円と当社2025期とほぼ同水準)、売上高だけで事業規模を比較しない点にご注意ください。決算期は当社・アドウェイズ・ファンコミュニケーションズが12月期、インタースペースのみ9月期(2025/09期実績)で、基準時点が揃っていません。

会社の計画は順調?

C
総合評価
2024年1月公表の中期経営計画(2024〜2026年度)は「計画数値の達成が困難」として2025年1月に取り下げ済みで、新計画は1年半にわたり策定中。単年度予想の精度も直近3期のうち2期で営業利益が期初予想を20%超下振れしている。

※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません

当社は2024年1月30日に「中期経営計画の見直し」を公表しましたが、その中でも全社の経営指標(売上・EBITDA等)とROEは「不確実な要素が多い」として非公表とし、成長投資も「明確な金額目標は設けない」としていました(数値目標はセグメント別の売上高年平均成長率3%の目安と、連結配当性向50%以上のみ)。さらに会社は2025年1月31日の2024年12月期決算説明資料で、「計画数値の達成が困難であると判断した」としてこの中計(2024年12月期〜2026年12月期)自体を取り下げ、事業構成の見直しを踏まえた新計画を策定するとしました(2025年10月時点でも「慎重に検討中」で未公表)。したがって進行年度2026/12期を測る全社の数値目標は現時点で存在せず、評価は単年度の会社予想に対する達成度で行っています。2026/12期は主力サービスの契約終了という構造変化の初年度にあたり、通期予想そのものが営業損失7.0億円の赤字計画です。
2026年12月期 通期業績予想(会社予想・単年度/中期経営計画の数値目標は非開示)
2026/12期(2026年1月〜12月)
売上高: 目標 144億円 やや遅れ (Q2累計 58.0億円(進捗40.3%))
40.3%
営業利益: 目標 △7.0億円(営業損失) 進行中 (Q2累計 △5.6億円(通期予想損失の80.0%を消化))
当期純利益: 目標 △8.0億円(当期純損失) 進行中 (Q2累計 △4.6億円(通期予想損失の57.5%を消化))

年度別の予想精度(計画を守れてる?)

売上高
年度当初予想修正予想実績乖離
2025/12期239億円242億円242億円+1.1%
2024/12期283億円304億円+7.5%
2023/12期362億円291億円294億円-18.8%
営業利益
年度当初予想修正予想実績乖離
2025/12期25億円19.7億円19.7億円-21.2%
2024/12期40億円41.6億円+4.0%
2023/12期70億円47億円52.3億円-25.3%

当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)

当社は2024年1月30日に「中期経営計画の見直し」(対象期間 2024年12月期〜2026年12月期)を公表しました。ただしその内容は、外部環境の変化(Yahoo!ショッピングの方針変更、大口広告主の出稿減)と「成長ドライバーが不十分」という内部要因を受けて全社の経営指標(売上・EBITDA等)とROEを「不確実な要素が多い」として非公表とし、成長投資も「明確な金額目標は設けない」とするもので、数値目標はマーケティングソリューションズ事業・ECソリューションズ事業それぞれの売上高年平均成長率3%の目安連結配当性向50%以上(2025年まで)にとどまりました(当初計画〈2023年1月設定・2023〜2025年度〉のEBITDA96億円・営業利益年平均成長率3.3%・ROE20%水準は、この見直しで取り下げられています)。さらに会社は2025年1月31日の2024年12月期決算説明資料(p.33「中期経営計画の取り下げ」)で、「計画数値の達成が困難であると判断したことから」この中計を取り下げました。同資料は「今後、事業構成の見直しなどを行い、新たな計画を策定いたします」としつつ「なお、現時点において決まった方針はございません」とも明記しており、以後も会社は決算説明資料で「実効性のある戦略を描くため、中期経営計画を慎重に検討中」と述べるにとどまり(2025年10月28日 第3四半期決算説明資料。同資料は「来期の配当方針についても、中期経営計画と合わせて検討」とも記載)、取り下げから1年半が経過した現在も新計画は未公表です。会社が挙げる「事業構成の見直し」に相当する最大の変化は、中計で成長率の目安を置いていたECソリューションズ事業そのものが2025年7月末の取引契約終了で消滅したことで、取り下げを公表した2025年1月31日の同資料には、既に両サービスの7月末契約終了を織り込んだ2025年12月期の業績見通しが示されていました。以上より進行年度2026/12期を測る全社の数値目標は現時点で存在せず、上表は単年度の会社予想に対する進捗として掲載しています(中期計画の目標値と混同しないようご注意ください)。2026/12期は通期予想そのものが営業損失7.0億円の赤字計画で、営業利益・純利益の欄は「損失の消化率」であり達成率ではないため進捗バーは中立表示にしています。売上の進捗率は40.3%で、会社の中間期予想64億円に対する達成率は90.6%でした。通期144億円を達成するには下期に86億円(中間期58.0億円の1.5倍)が必要で、会社も「通期予想の達成に向けては売上の回復が重要」と説明しています。予想精度の履歴を見ると、2023/12期は期初予想362億円を1Q(2023年4月27日)に291億円へ下方修正した末に294億円で着地、2024/12期は修正なしで期初予想を上回り、2025/12期は2025年4月30日(1Q)に229億円・15億円へ下方修正したのち、2026年1月26日に売上241.6億円・営業19.7億円へ上方修正しつつ純利益は21億円→4.8億円へ大幅下方修正(減損損失と繰延税金資産の取り崩し)という2段階の修正を経ています。上表の修正予想欄は最新(2026年1月26日)の値です。※有価証券報告書の「役員の報酬等」には2025期の業績連動報酬の評価指標として連結EBITDA(目標2,256百万円→実績2,363百万円)と連結当期純利益(目標2,226百万円→実績487百万円)の目標・実績が開示されていますが、これは報酬制度上の評価指標であって中期経営計画の目標ではないため上表には含めていません。また会社は決算説明会で「中長期的な収益化計画を有しており、新領域への投資は当該計画に基づき継続する」と説明していますが、その計画の数値は公表されていません。

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ポジティブ
ダイナテック、「LINEヤフー Partner Program」の「Technology Partner」に継続認定(資本関係消滅後も取引関係は継続)
6/03 · 会社リリース
中立
主要株主及び筆頭株主の異動を開示、カナメ・キャピタルが議決権10.91%で第1位に(2026年4月30日付)
5/15 · 適時開示
ネガティブ
2025年12月期決算を発表、2026/12期は営業損失7.0億円の赤字予想・年間配当は49円→16円へ減額
1/30 · 適時開示
ネガティブ
特別損失及び営業外費用の計上、繰延税金資産の取り崩し並びに通期業績予想の修正を発表
1/26 · 適時開示

どんな話題が多い?

決算・業績40%
株主・資本異動30%
事業・サービス20%
その他10%

メディアでどれくらい注目されてる?

報道のトーンは「やや懸念
報道件数(30日)
38
前月比 -18%
メディア数
12
株探, Yahoo!ファイナンス, Media Innovation, RTB SQUARE ほか
業界内ランキング
中位 50%
サービス業 約450社中 220位前後
報道のトーン
25%
好意的
30%
中立
45%
否定的

メディア露出

メディア分布

競合比較

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この会社のストーリー

創業から現在までの歩みと、代表者の姿

創業ストーリー

1996
トランズパシフィック有限会社として設立

レンタルサーバ・ホスティングサービスとドメイン取得代行サービスから事業を開始。インターネットの黎明期に産声を上げた。

1999
バリューコマース株式会社へ商号変更、成果報酬型広告を開始

eコマース向けのマーケティングプログラム「バリューコマース アフィリエイト」を自社開発し、インターネットを使った成果報酬型の広告配信業に参入した。

2005
ヤフーの公開買付けで関連会社化、Yahoo!ショッピングへ提供開始

ヤフー(現LINEヤフー)の株式公開買付けにより同社の持分法適用関連会社となり、同年7月にアフィリエイトをYahoo!ショッピングへ提供開始。長期の依存関係が始まった。

2006
東証マザーズ上場、StoreMatchの提供を開始

7月に東京証券取引所マザーズへ上場。11月にはYahoo!ショッピングのストア向けクリック課金型広告「StoreMatch」の提供を開始し、後の主力事業となった。

2012
ヤフーの連結子会社となり東証一部へ市場変更

自己株式取得によりヤフーの議決権保有割合が過半となり同社の連結子会社に。11月にはマザーズから市場第一部へ市場変更した。

2014
香川仁が代表取締役社長に就任

広告配信技術に精通した新世代の経営体制へ移行。2016年3月には監査等委員会設置会社へ移行し、ガバナンス体制も刷新した。

2024
自己株式公開買付けで親会社の傘を離れる

3〜4月の自己株式公開買付けで10,690,000株を取得。LINEヤフー・ソフトバンク・ソフトバンクグループの連結子会社から持分法適用関連会社へと5月に移行した。

2025
主力2サービスの契約終了とLINEヤフーの完全撤退

7月31日にStoreMatchとSTORE's R∞のLINEヤフーとの取引契約が終了。8月にはLINEヤフー側が保有株を全売却し、20年続いた資本関係が消滅した。

2026
単独経営での黒字化に挑む

赤字計画の初年度。本社を港区芝へ移し、ソーシャルコマース(BUZMA)とAI検索時代の「Narrative Marketing」、トラベルテックのDXを立て直しの三本柱に据える。海外展開は苦戦が続く。

出来事の年表

2026年7月赤字転落

2026年12月期の中間決算(非連結)を発表。売上高58.0億円、営業損失5.6億円・中間純損失4.6億円で赤字に転落した。通期予想(売上144億円・営業損失7.0億円)は据え置き。中間配当は1株8円。

2026年7月AI検索対応

生成AIによる検索体験の変化に向けた新サービスを相次いで投入。7月22日にブランドの"語られ方"を評価する新技術「Narrative Score」を開発し特許出願(「検索順位だけでは、AI時代のブランド力は測れない」)、7月28日にはGEO対策・診断ツールを活用したAIブランド最適化コンサルティング「Narrative Marketing」の提供を開始した。主力サービス喪失後の新たな収益源づくりの一手となる。

2026年6月筆頭株主

米ボストンの投資運用会社カナメ・キャピタル(Kaname Capital, L.P.)が変更報告書で保有比率9.71%(3,347,800株)を届け出。2026年4月末の6.86%から段階的に買い増し、自己株式を除く議決権ベースでは約15%となり筆頭株主となった。

2026年4月本社移転

本社を東京都千代田区紀尾井町から東京都港区芝2-7-17 住友芝公園ビル7階へ移転。ハイブリッドワークを前提に対面での協働機会を拡充する狙い。移転に伴う一時費用は中間期で1.0億円計上された。

2026年3月自己株処分

3月25日の取締役会で譲渡制限付株式報酬として自己株式64,990株(1株426円)の処分を決議し、4月24日に払込完了。役位変更による一部失権で実際の処分は62,390株・総額2,657万円(取締役6名16,270株・執行役員3名6,870株・従業員25名39,250株)となった。発行済の36.9%を占める自己株式の一部が役員・従業員へ移り、株主との価値共有を進める狙い。

2026年1月減損・減配

2025年12月期本決算を発表。減損損失12.7億円と繰延税金資産の取り崩しで純利益は4.9億円(△82.9%)まで減少。同時に2026/12期を営業損失7.0億円の赤字予想とし、年間配当を49円→16円へ減額した。

2025年8月親会社離脱

LINEヤフーが間接保有していた当社株6,098,400株(議決権60,984個=総株主等の議決権の28.18%)を全売却。当社はLINEヤフー・ソフトバンク・ソフトバンクグループの持分法適用関連会社から外れ、資本関係が完全に消滅した。

2025年7月主力終了

Yahoo!ショッピングのストア向けクリック課金型広告「StoreMatch」とCRMツール「STORE's R∞」に係るLINEヤフーとの取引契約が7月31日で終了。両サービスは2024/12期に売上164.5億円(全社の54%)を稼いでいた最大の収益源だった。

2025年1月中計取り下げ

2024年12月期決算の発表とあわせ、2024年1月公表の中期経営計画(2024年12月期〜2026年12月期)を「計画数値の達成が困難であると判断した」として取り下げ。同時にStoreMatch・STORE's R∞の2025年7月末契約終了を織り込んだ業績見通しを開示した。新計画は「事業構成の見直しなどを行い」策定するとしたが、2025年10月時点でも「実効性のある戦略を描くため、中期経営計画を慎重に検討中」で未公表のままとなっている。

代表者プロフィール

香川 仁
香川 仁
代表取締役社長 最高経営責任者
技術志向の実務家
ミッションは「正しい情報を効率的につなぐ」。多くの情報から正しい情報を導き出し、必要とする方へ効率的に届けることで、コマース事業者のパフォーマンス向上と消費者の意思決定支援を同時に実現したいと考えています。ビジョンは「最先端の技術で多様な選択ができる社会を創る」こと。限られた経営資源を成長領域へ選択と集中で投入し、未知の領域に果敢に挑みます。
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安心して投資できる?

財務・透明性・株主構成・リスクを点検

財務は安全?

財務は安定しています
自己資本比率FY2026/12 2Q末時点)73.7%
0%30% (注意ライン)50% (安全ライン)100%

※ 有利子負債・純資産はいずれもFY2026/12 2Q末時点

Interest-bearing Debt
0円
借金(有利子負債)
Net Assets
114億円
会社の純資産

借入金・社債をまったく持たない無借金経営で、貸借対照表の負債はほぼ買掛金・未払金といった営業債務のみです(2026年6月末の負債合計40.5億円=買掛金11.8億円・未払金20.7億円・未払法人税等0.1億円・その他5.9億円・繰延税金負債2.0億円)。有利子負債は「借入金+社債+リース債務」の定義でゼロです(2024/12期末に残っていたファイナンス・リース債務も2025/12期のCFで1百万円を返済し完済、中間貸借対照表にもリース債務の計上はありません)。有価証券報告書も「必要な資金は自己資金にて賄っており、資金調達は行っておりません」と明記しています。ただし新本社の賃借に伴い、解約不能のオペレーティング・リース取引の未経過リース料13.9億円(1年内0.5億円+1年超13.4億円。前期は該当なし)が生じており、これは日本基準ではオフバランスです(有報の本社年間賃借料は1.92億円)。IFRSなら使用権資産・リース負債として計上される規模の固定的な支払義務がある点は、無借金という見え方とあわせて押さえておく必要があります。総資産は2023/12期末の283.5億円から2026年6月末154.1億円へ半減しましたが、これは業績悪化より資本政策の影響が大きく、2024/12期に自己株式公開買付けで110.6億円を支出したことが最大の要因です(総資産283.5億円→195.9億円、純資産224.6億円→128.6億円)。自己資本比率は短信1ページ目の公式値を採用し、2024/12期末65.6%→2025/12期末75.5%→2026年6月末73.7%と高水準を保っています(現在は新株予約権の残高がないため自己資本=純資産。2021/12期末までは新株予約権3〜5百万円の計上があり、比率への影響は0.0ptです)。2026年6月末は現金及び預金100.1億円が総資産の65%を占め、通期予想の営業損失7.0億円に対して十分な緩衝力があります。中間期は本社移転に伴い建物附属設備+3.0億円・工具器具備品+2.7億円、投資有価証券+3.5億円が増えた一方、剰余金の配当5.2億円と中間純損失4.6億円で純資産が8.2億円減少しました。1株当たり純資産は562.0円(2025/12期末)→522.5円(2026年6月末)で、株価指標のPBRは公開情報サイトと同じく中間期末のこのBPSを基準にしています。

お金の流れは?

健全なお金の流れです
Operating CF
+19.2億円
本業で稼いだお金
Investing CF
-14.4億円
投資に使ったお金
Financing CF
-12.3億円
借入・返済など
Free CF
+4.8億円
手元に残ったお金
会計期営業CF投資CF財務CFFCF
2021/12期54.0億円3,400万円▲13.6億円54.3億円
2022/12期67.7億円▲3.7億円▲17.2億円64.1億円
2023/12期35.0億円▲4.0億円▲17.4億円30.9億円
2024/12期34.6億円▲7.1億円▲125億円27.5億円
2025/12期19.2億円▲14.4億円▲12.3億円4.8億円

営業キャッシュ・フローは全期プラスを維持していますが、2022/12期の67.7億円から2025/12期は19.2億円へ縮小しました。2025/12期は税金等調整前当期純利益11.4億円に減損損失12.7億円などの非資金費用を戻す一方、売上減に伴い仕入債務が15.0億円減り、法人税等の支払11.7億円もあって19.2億円にとどまりました。2024/12期の財務CF△125.1億円は、自己株式公開買付けによる自己株式の取得110.6億円と配当14.4億円によるもので、この1年だけ現金が97.6億円減っています(期末残高215.3億円→117.8億円)。投資CFは無形固定資産(自社サービスのソフトウエア)取得が中心で年3〜4億円規模でしたが、2025/12期は投資有価証券取得4.2億円・差入保証金3.3億円・子会社株式取得2.0億円が加わり△14.4億円に拡大しました。2026/12期の中間期は営業CF+1.9億円・投資CF△6.9億円(本社移転に伴う有形固定資産取得6.0億円が主因)・財務CF△5.2億円(配当支払)でフリー・キャッシュ・フローは△5.0億円となり、現金は110.3億円から100.1億円へ減少しました。赤字下でも営業CFがプラスを保っている点が当面の下支えです。

この会社のガバナンスは?

役員構成(取締役 10名)
女性 3名(30.0% 男性 7
30%
70%
監査報酬
4,000万円
連結子会社数
0
設備投資額
3.7億円
平均勤続年数(従業員)
8.1
臨時従業員数
28

2016年3月24日の第20期定時株主総会で監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。取締役会は10名(うち監査等委員である取締役4名)で、監査等委員4名は全員が社外取締役です。社外取締役の比率は40%で、髙橋敏夫氏(都市銀行・監査役経験、米国公認会計士)が常勤の監査等委員長、池田明霞氏(ベンチャーキャピタル、IR・広報)、渡辺絢氏(弁護士)、塩川直子氏(会計士・2026年3月新任)が監査等委員を務めます。女性役員は3名で比率30.0%です。2012年3月から執行役員制度を採用し、業務執行を担う取締役6名(社長・CFO・各事業管掌)と合わせた体制です。会計監査人は有限責任監査法人トーマツで、2025/12期の監査証明業務に基づく報酬は4,000万円(非監査業務報酬はなし。ほかに前連結会計年度に係る追加報酬800万円)。2025/12期にダイナテックとBUZMAを吸収合併したため連結子会社は0社となり、持分法適用関連会社1社(StyleDoubler Oy)のみを有します。これにより2026/12期から非連結決算に移行しました。設備投資額は3.71億円(マーケティングソリューションズ1.45億円・トラベルテック1.81億円で、いずれも事業用ソフトウエア開発が中心)。リスク管理委員会は代表取締役社長を委員長として年4回以上開催し、取締役会へ年4回報告しています。

誰がこの会社の株を持ってる?

安定株主2.1%
浮動株97.9%
所有者別内訳(有価証券報告書)
金融機関13%
事業法人等1.8%
外国法人等21%
個人その他59.7%
証券会社4.5%

長年の親会社だったLINEヤフー系(Zホールディングス中間株式会社)が2025年8月に全株を売却したため、継続保有が見込める安定株主はほぼ不在です。上位株主は日本マスタートラスト信託銀行などの信託口(パッシブ運用)と外国法人が中心で、いずれも浮動株に分類しています。安定株主として数えられるのは事業法人1.8%と役員保有0.3%(10名合計65,450株)程度にとどまり、株価変動が大きくなりやすい株主構成です。なお内訳は有価証券報告書「所有者別状況」(2025年12月31日現在)の単元数から、同表で「個人その他」に含まれる自己株式127,946単元(全体の37.1%)を除いた216,238単元=総株主の議決権数ベースに換算しています。有報の印字値は自己株式を含む発行済総数ベース(金融機関8.17%・金融商品取引業者2.80%・その他の法人1.11%・外国法人等13.18%・個人その他74.74%)で、当欄の数字と異なるのはこの換算のためです(自己株式を含めたままだと「個人その他」に自己株式37.1%が混入し、個人株主の保有実態が過大に見えます)。

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)(1,765,000株)8.14%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)(531,500株)2.45%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)(443,600株)2.04%
JPLLC CLIENT ASSETS-SK J (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)(434,908株)2%
BNP PARIBAS NEW YORK BRANCH FOR TREATY (常任代理人 香港上海銀行東京支店)(368,900株)1.7%
JP JPMSE LUX RE BARCLAYS CAPITAL SEC LTD EQ CO (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)(335,000株)1.54%
モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社(327,319株)1.51%
野村信託銀行株式会社(投信口)(284,700株)1.31%
BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC) (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)(241,433株)1.11%
THE BANK OF NEW YORK MELLON 140044 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)(209,400株)0.96%

大株主表は最新の有価証券報告書(2025年12月31日現在)の記載で、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)8.14%、日本カストディ銀行(信託口)2.45%と続き、上位10名の合計でも22.76%にとどまります(比率はいずれも自己株式を除く発行済株式総数に対する割合)。かつて議決権の過半を握っていたLINEヤフー系(Zホールディングス中間株式会社)は、2024年3〜4月の自己株式公開買付け(当社が10,690,000株を取得)で持分法適用関連会社に後退したのち、2025年8月に残る6,098,400株(議決権60,984個=総株主等の議決権の28.18%。2025年6月30日現在の総株主等の議決権216,413個に対する割合)を全売却し、有報でも「前事業年度末において主要株主であったZホールディングス中間株式会社は、当事業年度末現在では主要株主ではなくなりました」と明記されています。基準日後の変動として、米ボストンの投資運用会社カナメ・キャピタル(Kaname Capital, L.P.)が筆頭株主に浮上しました。同社は2026年4月30日を報告義務発生日として5月12日に大量保有報告書(2,366,000株・発行済株式総数ベース6.86%)を提出し、その後2回の変更報告書を経て2026年6月2日を報告義務発生日として6月23日に9.71%(3,347,800株)を届け出ています(4月〜6月に連日の市場内買付を継続)。当社は5月15日に主要株主・筆頭株主の異動を開示し、2026年4月30日時点の2,366,000株が自己株式を除く議決権ベースでは10.91%にあたり大株主順位第1位と発表しました。10.91%と9.71%は分母(議決権数か発行済株式総数か)も基準日(4月30日か6月2日か)も異なる別の数字で、6月2日時点の3,347,800株を議決権ベースに換算すると約15.4%に相当します。同社は保有目的を「純投資」・重要提案行為等も「純投資」としつつ、変更報告書に「市場株価が割安と判断される水準にとどまる場合、ポートフォリオ投資の一環として今後3か月以内に発行済株式総数の5%超を市場取引で追加取得する予定がある(具体的な判断基準・取得価格・数量・時期は未定)」と記載しています。なおアローストリート・キャピタルは2025年12月31日時点の5.32%(1,834,100株)を届け出たのち、2026年3月13日時点で3.56%(1,228,000株)へ減らしており(2026年3月23日提出の変更報告書・提出事由は「株券等保有割合の1%以上の減少」)、現在は5%超の大量保有者ではありません。自己株式は12,732,914株=発行済株式総数の36.9%(2026年6月末)と高水準です。2025年12月末の12,794,671株から61,757株減っているのは、2026年3月25日決議・4月24日払込で譲渡制限付株式報酬として62,390株(1株426円・総額2,657万円)を処分したためです(取得633株との差引。当初決議は64,990株でしたが、割当予定者の役位変更に伴う一部失権で従業員分が41,850株→39,250株に減り、取締役6名16,270株・執行役員3名6,870株は決議どおり実行されました)。残る36.9%の消却・処分方針は依然として資本政策の論点です。

この会社のリスク

有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。

1収益基盤の変化に伴い従来の利益構造を維持できないリスク(有報トップリスクの発生可能性2・影響度8で最上位)。オンラインモール向け広告2サービスの契約終了で売上の柱を失っており、コスト構造の最適化と新規事業の立ち上げが遅れれば赤字が長期化する
2特定サービスへの依存リスク(発生可能性2・影響度3)。主要取引先の事業方針の変更に伴う取引縮小が業績低迷につながる。LINEヤフーとの取引契約終了はこのリスクが現実化した事例であり、取引先の多様化と新規顧客開拓が対策として挙げられている。なお有価証券報告書の「金融商品関係」には信用リスクの集中として「当連結会計年度の末日現在における営業債権のうち、25.7%が特定の大口顧客に対するものであります」と記載されており、主力契約の終了後も特定顧客への集中が残っている
3事業戦略リスク(発生可能性1・影響度8)。インターネット広告市場では生成AIによる要約型検索・ゼロクリック化が進み、リテールメディアやソーシャルコマースへの移行も加速している。環境変化への対応不足・遅延は収益性の低下を招く
4ビジネスモデルのリスク(発生可能性3・影響度3で発生可能性が最も高い)。Cookieを利用したトラッキングが制限されると成果報酬型広告の効果測定が困難になる。独自トラッキング技術の開発と回避策の検討で対応している
5データガバナンス・AIガバナンスのリスク(発生可能性1・影響度8)。データ取得方法や管理上のトラブル、AI活用における誤情報生成・知的財産権侵害などが信用毀損や顧客離れにつながる。AI倫理基本方針とAI利用ガイドラインの策定で対応している
6情報セキュリティ・個人情報管理のリスク(発生可能性1・影響度8)。ランサムウエア攻撃や標的型攻撃による基幹システムの停止、サービス利用者の個人情報漏洩が事業継続に重大な影響を与える。ISMS認証に基づく運用と監視・防御体制で対応している
7投資戦略のリスク(発生可能性2・影響度3)。M&Aや新規事業への投融資が市場環境の変化で回収遅延となる可能性がある。実際に2025/12期は、当期に取得した持分法適用関連会社StyleDoubler Oyについて将来収益見込みを見直し、のれん相当額の未償却残高を全額減損して持分法による投資損失3.7億円を計上(同社への貸付1.37億円も全額引当)、あわせて固定資産の減損損失12.7億円を計上した
8技術基盤のリスク(発生可能性2・影響度3)。老朽化した技術基盤の継続利用により保守難易度の上昇・障害リスクの増大・技術人材確保の困難が生じる。次世代技術基盤への段階的移行と並行稼働で対応している

社員の給料はどのくらい?

平均年収
589万円
従業員数
381
平均年齢
38歳
平均年収従業員数前年比
2025/12期589万円381-

有価証券報告書「従業員の状況」(2025年12月31日現在)によると、提出会社の平均年間給与は588万7千円、従業員数381名、平均年齢38.0歳、平均勤続年数8.1年です(臨時従業員28名は年間の平均人員で、外数)。2025/12期は連結子会社がゼロになったため連結従業員数381名=提出会社単体381名で一致しており、単体・連結の混在はありません。事業別ではマーケティングソリューションズ事業196名、トラベルテック事業111名、全社共通74名です。2026年6月末は採用抑制により346名まで減少(2025年6月末415名から69名減)しており、決算説明資料でもコスト構造の最適化の一環として説明されています。全従業員の1か月当たり平均残業時間は2025年に11時間で、有報の目標(30時間以内)を大きく下回る水準です。出社と在宅勤務を組み合わせたハイブリッドワークを前提とし、通勤時間や居住地域を限定しない人事制度も導入しています。

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株主リターン・投資成果

リターン・配当・市場データを確認

平均よりも稼げてる?

この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。

株主総利回り(TSR)は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の会社公式値で、2020/12期末を100とした指数です。比較指標は有報が採用する配当込みTOPIXです。2021/12期末は141.5%(+41.5%)とTOPIXの112.7%を上回っていましたが、2022/12期末に60.0%へ急落し、以降は2023期 50.8%・2024期 43.4%・2025期 28.9%と一貫して悪化しました。同期間にTOPIXは213.2%(+113.2%)まで上昇しているため、5年の格差は約7.4倍(213.2÷28.9)に開いています。2020/12期末に100万円を投資していれば、配当を再投資しても評価額は約29万円(△71.1%)という計算です。下落の主因は、Yahoo!ショッピング向け広告への高い依存が市場に意識され、2024年3〜4月の自己株式公開買付けを経て2025年7月末の契約終了・2025年8月のLINEヤフー株式全売却へと構造変化が現実化した点にあります。事業年度末株価は各期末の実取引日終値ベースで、2020/12期末3,190円・2021/12期末4,470円から2022/12期末1,814円へ急落し、2025/12期末は665円まで下がりました。

※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。

配当・優待はもらえる?

しっかりもらえます
1株配当(最新期)
49
方針: 2026年度は基本目標を連結配当性向30%とし、財務の健全性及びフリー・キャッシュ・フローを総合的に勘案して安定配当を実施(FY2025は目標を連結配当性向50%以上としていた)
1株配当配当性向
2016/12期438.5%
2017/12期1031.8%
2018/12期2530.9%
2019/12期3331.9%
2020/12期4131.0%
2021/12期4342.6%
2022/12期5631.2%
2023/12期5350.4%
2024/12期5750.3%
2025/12期49217.6%
2026/12期(予想)16-
株主優待
なし

株主優待制度はありません。会社はIRのよくあるご質問「株主優待制度はありますか?」への回答として「ございません。また、自社サービスの利用につながる優待の提供が難しいこともあり、導入に向けた具体的な検討は行っておりません。」と明言しています。株主総会での記念品もありません。

配当は中間・期末の年2回、取締役会決議で実施しています。2016/12期の4円から2024/12期の57円まで概ね増配基調(2023/12期のみ56円→53円へ減配)で推移してきましたが、2025/12期は49円(中間25円+期末24円)へ減配し、2026/12期は年16円(中間8円+期末予想8円)へさらに67%の減額となりました。配当方針も改定されており、有価証券報告書によれば「これまで基本目標を連結配当性向30%以上とし、2025/12期については目標を連結配当性向50%以上としていた」のに対し、2026年度は基本目標を連結配当性向30%に戻し、財務の健全性とフリー・キャッシュ・フローを総合的に勘案して安定配当を目指す方針に切り替わりました。2025/12期の連結配当性向は217.6%と利益を大きく超える水準(配当総額10.6億円に対し純利益4.9億円)で、この超過分の反動として2026期の減額に至った構図です。2026/12期は当期純損失8.0億円の予想のため配当性向は算出できません。なお会社自身の表現も揺れており、有価証券報告書(2026年3月26日)は「連結配当性向30%」、2025/12期短信は「配当性向30%」(2026期は非連結決算のため)、最新のQ2短信・第2四半期決算説明資料(2026年7月29日)は性向目標に触れず「財務の健全性及びフリー・キャッシュ・フローを総合的に勘案したうえで、安定した配当の実施を目指す」とのみ記載しています。減配後も配当総額は年約3.5億円で、営業CFと100億円の手元資金に対して負担は軽い水準です。なお表の利回りは各期の配当実額を2026年7月30日終値460円で割った現在株価ベース(実際の購入時利回りではありません)、currentYieldは会社予想の年16円ベースで、公開情報サイトの表示(予想配当利回り3.48%)と同じ基準です。

もし5年前に投資していたら?

2021期初めに100万円を投資した場合
100万円が 28.9万円 になりました (-71.1万円)
-71.1%
年度末時点評価額損益TSR
2021期141.5万円41.5万円41.5%
2022期60.0万円▲40.0万円-40.0%
2023期50.8万円▲49.2万円-49.2%
2024期43.4万円▲56.6万円-56.6%
2025期28.9万円▲71.1万円-71.1%

※ 配当込みで算出したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。各期の値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の株主総利回りです。将来のリターンを保証するものではありません。

株の売買状況と今後の予定

信用取引の状況
買い残827,900株
売り残330,200株
信用倍率2.51倍
2026年7月24日時点
今後の予定
2026年12月期 第3四半期決算発表2026年10月下旬(予定)
2026年12月期 決算発表2027年1月下旬(予定)
第31期定時株主総会2027年3月下旬(予定)

PBRは0.88倍で解散価値を下回る水準です。1株当たり純資産522.5円(2026年6月末)に対して株価(2026年7月30日終値460円)が下回っており、公開情報サイトと同じく中間期末のBPSを基準にしています。時価総額159億円(2026年7月30日時点)は発行済株式総数34,471,000株ベース(Yahoo!ファイナンス・IRBank等の公表基準)ですが、当社は発行済の36.9%が自己株式のため、自己株式を除いた21,738,086株ベースの株式時価は約100億円で、手元の現金及び預金100.1億円とほぼ同額です。1株当たりの現預金は460.6円(100.1億円÷21,738,086株)で、株価460円はこの手元現金とほぼ同水準にあります。無借金であることを踏まえると、市場は事業価値をほとんど評価していない計算になります。PERは実績EPS22.5円ベースで20.4倍ですが、会社予想は1株当たり36.9円の損失で、予想ベースのPERは算出できません(Yahoo!ファイナンス等でもPERは表示されません)。配当利回りは会社予想の年16円ベースで3.48%です。信用取引は買い残827,900株に対し売り残330,200株で信用倍率2.51倍(2026年7月24日)と買い越しに傾いており、需給面の重荷になり得ます。株価は年初来高値680円(2026年1月6日)から3月に408円まで下げ、その後は米カナメ・キャピタルの買い増しで下値を固める展開です。52週高値858円は2025年8月、LINEヤフーが保有株を全売却する前の水準で、年初来高値680円との差はこの1年での水準低下を表しています。なお業種平均のPER・PBR・配当利回りは、出典と基準日を示せる公表値がないため非掲載としています。

税金はいくら払ってる?

税引前利益法人税等実効税率
2021/12期54.5億円21.9億円40.2%
2022/12期83.2億円25.1億円30.2%
2023/12期50.4億円16.4億円32.5%
2024/12期41.1億円12.6億円30.6%
2025/12期11.4億円6.5億円57.4%

税引前利益は各期の連結損益計算書の「税金等調整前当期純利益」、税額は「法人税等合計」の実額を採用しています(経常利益とは特別損益の分だけ異なるため、経常利益を税引前として代用していません)。実効税率は2022期〜2024期が30〜33%と法定実効税率に近い水準でしたが、2021/12期は40.2%、2025/12期は57.4%と高くなっています。2025/12期の要因は、税引前利益が11.4億円まで縮んだ一方で、今後の業績動向を踏まえた繰延税金資産の回収可能性の見直しにより法人税等調整額1.7億円(費用)を計上したためで、法人税・住民税及び事業税4.9億円との合計6.6億円が分子になっています。減損損失12.7億円のように税務上すぐに損金算入されない費用が税引前利益を押し下げる一方、税額が同率で減らないことも税率を押し上げます。なお2026/12期は当期純損失8.0億円の予想で、会社は税引前段階の予想を個別に開示していないため予想行は設けていません。

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バリューコマース まとめ

業績
低迷
営業益 前年比△52.6%(オンラインモール向け2サービスの契約終了で減収が続き、FY2026は営業赤字予想。中間期も営業損失5.6億円)
配当
高め
1株 49円(年49円→16円へ減額。FY2025は配当性向217.6%と利益を大きく超える水準だった反動)
安全性
安定
自己資本比率 73.7%(FY2026/12 2Q末時点)(有利子負債ゼロ・現預金100億円。自己資本比率は2026年6月末73.7%で財務余力は厚い)
稼ぐ力
普通
ROE 3.9%(FY2025/12実績)(営業利益率はFY2021の23.6%からFY2025は8.2%へ低下し、中間期はマイナス圏)
話題性
不評
ポジ 25%(赤字転落の一方、米カナメ・キャピタルが純投資目的で9.71%まで買い増し筆頭株主になりました)

1999年から続く国内有数のアフィリエイトASP。LINEヤフー向けサービス終了で売上4割減・赤字転落、無借金の手元100億円で立て直しに挑む

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