因幡電機産業
INABA DENKISANGYO CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月30日
「商社×メーカー」の二刀流で社会インフラを支える電設資材のトップランナー
事業活動を通じて環境問題などの社会課題を解決し、豊かで快適な持続可能社会の実現を目指します。
この会社ってなに?
あなたがオフィスや商業施設で照明のスイッチを入れたり、スマートフォンを充電したりする時、その壁の裏側では無数の電線や配電盤が動いています。因幡電機産業は、そうした電気工事に不可欠な部材を供給する、いわば「社会インフラの問屋さん」です。また、夏の暑い日に活躍するエアコンの室外機から伸びる配管を覆っている化粧カバーを見たことはありませんか?その「スリムダクト」という製品は、実は同社のオリジナルブランド「INABA DENKO」かもしれません。私たちの快適で安全な生活を、目に見えないところで支えている会社です。
電設資材の専門商社として国内首位、かつ空調部材などのメーカー機能も併せ持つユニークな立ち位置で成長を続けています。FY2025実績は売上高3,840.1億円、営業利益255.56億円と過去最高を更新し、増収増益基調が鮮明です。大都市の再開発や工場の自動化・省エネ投資といった旺盛な設備投資需要を追い風に、主力の電設資材事業が業績を牽引しています。新たに総還元性向60%という高い株主還元目標を掲げ、資本効率を意識した経営姿勢も明確にしています。
会社概要
- 業種
- 卸売業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市西区立売堀4丁目11番14号
- 公式
- www.inaba.co.jp
社長プロフィール
私たちは、電設資材の卸販売を行う『電設資材事業』と、自社ブランド製品の製造販売を行う『産業機器事業』の2つを両輪に成長を続けてきました。これからも『商社×メーカー』という独自の強みを活かし、省エネや環境配慮といった社会のニーズに応えながら、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
この会社のストーリー
創業者・喜多肇が個人経営で因幡電機製作所を創業。トランスの製造販売から事業をスタートさせた。
株式会社として新たなスタートを切り、電設資材の総合商社としての基盤を築き始めた。
メーカー機能の強化を目指し、初の自社ブランド「JAPPY」を立ち上げ、プライベートブランド製品の展開を開始した。
社会的な信用を高め、さらなる事業拡大を目指して株式上場を果たした。
表示灯・回転灯でトップシェアを誇るパトライト社を子会社化し、メーカーとしての事業基盤を大きく強化した。
市場区分の再編に伴い、最上位であるプライム市場へ移行。日本を代表する企業の一つとしての地位を確立した。
資本コストや株価を意識した経営の一環として、総還元性向60%程度とする新たな株主還元方針を決定した。
注目ポイント
電設資材の専門商社として国内トップシェアを誇る一方、空調部材などの自社製品も開発・製造。安定した商社機能と高い利益率のメーカー機能を持つハイブリッド経営が強みです。
社会インフラを支える事業特性から景気変動の影響を受けにくく、安定した成長を継続しています。健全な財務体質も魅力で、堅実な経営が持ち味です。
2025年3月期から、配当と自己株式取得を合わせた総還元性向60%という高い目標を掲げています。株主への利益還元に積極的で、投資家にとって魅力的な方針です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 50円 | 49.2% |
| FY2022/3 | 55円 | 50.0% |
| FY2023/3 | 60円 | 43.2% |
| FY2024/3 | 65円 | 46.5% |
| FY2025/3 | 70円 | 41.9% |
株主優待制度は2014年3月期をもって廃止されており、現在は実施されていません。
同社は資本効率を重視し、中期的な総還元性向を60%程度とする基本方針を掲げています。配当だけでなく自己株式の取得も積極的に活用しており、株主還元への意識が極めて高い企業です。業績の拡大とともに増配を継続しており、配当利回りの高さが投資家から評価されています。
同業比較(収益性)
卸売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
因幡電機産業は、電設資材商社として業界最大級のシェアを誇り、継続的な売上高の成長を実現しています。FY2021/3の売上高2,774億円からFY2025/3には3,840億円まで拡大し、自社製品(空調部材等)の開発・製造販売という強固な『商社×メーカー』モデルが収益の柱となっています。今期も都市再開発や設備投資需要を背景に、売上高3,920億円、純利益194億円を見込む堅調な業績推移を予測しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.3% | 5.2% | 5.6% |
| FY2022/3 | 8.7% | 5.2% | 5.6% |
| FY2023/3 | 10.2% | 6.3% | 5.9% |
| FY2024/3 | 9.6% | 5.9% | 6.2% |
| FY2025/3 | 10.9% | 6.7% | 6.7% |
収益性については、卸売業としての薄利多売な構造がありながらも、付加価値の高い自社製品比率の向上により、営業利益率はFY2021/3の5.6%からFY2025/3には6.7%まで改善しています。効率性を測るROE(自己資本利益率)も10%前後で安定して推移しており、資本を効率的に活用して利益を生み出す体質が強化されています。今後も高付加価値商品の拡販により、安定した利益率を維持・向上させる方針です。
財務は安全?
同社の財務基盤は極めて強固で、自己資本比率は60%超という高い水準を安定して維持しています。有利子負債は極めて限定的であり、実質無借金経営に近い健全な財務状態を確立しています。蓄積された純資産はFY2025/3時点で1,730億円に達しており、事業投資や積極的な株主還元を支える強力なバックボーンとなっています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 141億円 | -21.5億円 | -57.5億円 | 119億円 |
| FY2022/3 | 110億円 | -52.7億円 | -62.7億円 | 57.8億円 |
| FY2023/3 | 27.0億円 | -155億円 | -60.4億円 | -128億円 |
| FY2024/3 | 151億円 | -5.8億円 | -70.4億円 | 145億円 |
| FY2025/3 | 233億円 | -105億円 | -83.7億円 | 128億円 |
営業キャッシュフローは概ね安定的にプラスを維持しており、本業による高いキャッシュ創出能力を証明しています。FY2023/3には投資活動による支出が155億円と大きく拡大しましたが、これは将来的な成長のための戦略的投資によるものです。潤沢な手元資金を背景に、成長投資と株主還元を両立させる持続可能なキャッシュフロー循環を構築しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 158億円 | 44.9億円 | 28.4% |
| FY2022/3 | 176億円 | 52.9億円 | 30.1% |
| FY2023/3 | 203億円 | 48.5億円 | 23.9% |
| FY2024/3 | 226億円 | 69.7億円 | 30.8% |
| FY2025/3 | 267億円 | 79.2億円 | 29.6% |
実効税率は概ね30%前後で推移しており、日本国内の標準的な法人税率に準じた適切な納税を行っています。FY2023/3には税率が23.9%に低下していますが、これは一時的な税務要因によるものです。業績拡大に伴い法人税等の額は増加傾向にありますが、適正な税務コントロールがなされています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 915万円 | 2,184人 | - |
従業員平均年収は915万円と業界内でも非常に高い水準にあります。電設資材商社として国内トップクラスのシェアを誇る安定した収益基盤と、自社製品の開発・製造を組み合わせた高い付加価値ビジネスが厚遇の背景となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。
大株主には日本マスタートラスト信託銀行などの資産運用会社や信託銀行が名を連ねており、機関投資家による保有割合が高い構成です。創業家や個人大株主も一定の影響力を持ちつつも、流通性の高い安定した株主構成を維持しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
電設資材の卸売事業と空調部材等の製造販売を柱としており、特に都市再開発や設備投資需要が堅調に推移していることが業績を支えています。一方で、原材料価格の変動や競合との価格競争、為替リスクといった事業リスクを適切に管理する体制を構築しています。
この会社のガバナンスは?
取締役会における女性役員比率が20.0%と、一定の多様性が確保されています。5,500万円の監査報酬を支払うなど監査体制の強化に注力しており、連結子会社4社を擁する組織として透明性の高いガバナンス体制を構築しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 3,620億円 | — | 3,840億円 | +6.1% |
| FY2024 | 3,280億円 | — | 3,454億円 | +5.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 235億円 | — | 256億円 | +8.7% |
| FY2024 | 199億円 | — | 213億円 | +7.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は毎年度、向こう3カ年の数値目標を見直すローリング方式の中期経営計画を採用しており、環境変化に柔軟に対応しています。FY2026の目標は、売上高3,920億円、営業利益267億円と、過去最高業績をさらに更新する意欲的な計画です。過去の業績予想は期初予想を上回って達成する傾向が強く、経営陣の目標達成へのコミットメントは高いと評価できます。FY2025から総還元性向60%という新たな株主還元方針を打ち出しており、今後の資本配分戦略が注目されます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、FY2024までTOPIXを一貫して下回っていましたが、FY2025に初めてTOPIXをアウトパフォームしました。これは、堅調な業績に加えて、総還元性向60%という積極的な株主還元方針への転換が市場に評価され始めたことを示唆します。従来は内部留保を厚くする堅実経営が特徴でしたが、資本効率を意識した経営へと舵を切ったことが、株価上昇と配当増加を通じてTSRの向上に繋がり始めています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 120.2万円 | +20.2万円 | 20.2% |
| FY2022 | 117.0万円 | +17.0万円 | 17.0% |
| FY2023 | 139.9万円 | +39.9万円 | 39.9% |
| FY2024 | 172.2万円 | +72.2万円 | 72.2% |
| FY2025 | 191.1万円 | +91.1万円 | 91.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは業界平均並みですが、PBRは市場から一定の評価を受けていることを示唆します。特筆すべきは5%を超える高い配当利回りで、業界平均を大きく上回っており、インカム投資家からの注目を集めています。信用倍率は1倍を下回り、売り残が買い残を上回る「売り長」の状態で、将来の株価下落を見込む投資家が多い一方、株価上昇時には買い戻しによる踏み上げが期待される需給状況です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
中間期決算において過去最高業績を達成し、堅調な再開発需要が寄与した。
総還元性向を60%程度とする新たな配当方針を導入し、株主還元策を強化。
経営体制の最適化を目的とした組織変更および人事異動を実施。
最新ニュース
因幡電機産業 まとめ
ひとめ診断
「街の電気屋さんの巨大版」が、自社ブランドのエアコン部材でも稼ぐ堅実なハイブリッド商社
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「卸売業」に分類される他の企業
EMS国内トップ、自動車業界の黒子からバイオ医薬品製造という新領域へ進出するグローバルサプライヤー
三菱電機グループの巨大商社が、M&Aをテコにスマート工場と脱炭素社会のインフラを担う商社へ変貌中
衛星画像と医療ITの二刀流で、赤字脱却とV字回復を目指す技術系商社
創業100年超の老舗建材商社が、M&Aを連発して再生可能エネルギー事業にアクセルを踏み込む第二創業期
外食産業の黒子が、コロナ禍を乗り越えデジタルとM&Aで攻勢をかける老舗食材卸
建設現場の縁の下の力持ちが、積極M&Aと15期連続増配で商社から事業体へと進化中
70年続く老舗技術商社が、店舗の万引き防止からクラウドセキュリティまで手掛ける『ビジネスの守護神』
フットサル運営からエネルギー事業へ、大胆な事業転換で黒字化を目指す連続赤字の投資会社