H.U.グループHD
H.U. Group Holdings,Inc.
最終更新日: 2026年3月22日
日本の医療を「検査」で支える、臨床検査のリーディングカンパニー
「進化する一体化」をテーマに、検査・ヘルスケア・滅菌の3事業をシームレスにつなぎ、医療の質向上と効率化を両立する未来を描いています。
この会社ってなに?
健康診断で血液検査を受けたことがある方は、その検体がH.U.グループの検査ラボで分析されている可能性が高いです。がんや感染症の診断に使われる検査試薬、病院の滅菌業務、在宅医療の看護サービスまで、「検査で病気を見つけ、治療を支える」仕組みの裏方として、日本中の医療を支えています。
H.U.グループホールディングスは、臨床検査受託のエスアールエルと検査試薬の富士レビオを傘下に持つ国内最大の臨床検査グループです。FY2022/3期にはコロナ関連検査の追い風で売上2,729億円・営業利益504億円の過去最高を記録しましたが、その後の需要正常化に伴いFY2024/3期には営業赤字40億円に転落。FY2025/3期はLTS(検査・関連サービス)事業3社統合や価格適正化が奏功し営業利益26億円と黒字転換を果たしました。FY2026/3期は営業利益80億円への回復を見込み、新中計「H.U.2030」のもとDOE6%の株主還元方針と高収益体質の構築を推進しています。
会社概要
- 業種
- サービス業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR
- 公式
- www.hugp.com
社長プロフィール
一体化経営のさらなる深化と、検査を基盤とした新たな価値創造により、H.U.グループの持続的な成長と企業価値の向上を実現してまいります。中期経営計画「H.U.2030」のもと、高収益体質への転換を加速させます。
この会社のストーリー
検査試薬メーカーとして創業し、日本の臨床検査の草創期から医療の質向上に貢献してきました。
上場により資金調達力を強化し、臨床検査受託事業の全国展開を加速させました。
エスアールエルとの統合により、検査受託と試薬の両輪を持つ国内最大の臨床検査グループが誕生しました。
PCR検査・抗原検査キットの供給で感染症対策の最前線を支え、過去最高業績を記録しました。
LTS事業統合やH.U. Bioness Complexの本格稼働を通じ、高収益体質への転換と持続的成長を目指します。
注目ポイント
エスアールエルと富士レビオの統合により、検査受託と検査試薬の両方を手がける唯一無二のポジションを確立しています。
業績悪化局面でも年間125円の配当を維持し、DOE6%を目指す明確な株主還元方針を掲げています。
あきる野市に建設したH.U. Bioness Complexは、検査の集約化・自動化により生産性を飛躍的に高めるグループの成長基盤です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 110円 | 71.5% |
| FY2017/3 | 114円 | 1952.1% |
| FY2018/3 | 130円 | 2882.5% |
| FY2019/3 | 130円 | 116.1% |
| FY2020/3 | 130円 | 71.5% |
| FY2021/3 | 144円 | 47.0% |
| FY2022/3 | 125円 | 24.1% |
| FY2023/3 | 125円 | 45.4% |
| FY2024/3 | 125円 | 71.5% |
| FY2025/3 | 125円 | 257.2% |
株主優待制度なし
FY2021/3期の年間144円からFY2022/3期に125円へ減配しましたが、以降は125円を維持しています。FY2024/3期は赤字でしたが減配せず安定配当を継続。配当利回りは約4.0%と高水準で、新中計ではDOE(自己資本配当率)6%を主たる配当KPIとする方針を打ち出しており、業績回復に伴う増配への期待もあります。
同業比較(収益性)
サービス業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2022/3期にコロナ関連検査需要で過去最高の売上2,729億円・営業利益504億円を記録しましたが、特需剥落とLTS事業の構造改革費用によりFY2024/3期は営業赤字40億円に転落。FY2025/3期は価格適正化と固定費削減により営業利益26億円と黒字転換を果たし、FY2026/3期は営業利益80億円への回復を見込みますが、3Q時点で下方修正が入り60億円に改定されています。
事業ごとの売上・利益
エスアールエルを中心とする臨床検査受託事業。2025年10月にLTS事業3社を統合し効率化を推進。売上高の約7割を占める主力事業で、価格適正化と固定費削減により黒字転換。
富士レビオを中心とする検査用試薬・機器の開発・製造・販売事業。新型コロナ抗原検査キットで大きく貢献した実績があり、認知症血液検査など新規領域にも展開中。
日本ステリによる病院内滅菌業務の受託サービス。安定的な収益基盤を持ち、病院のアウトソーシング需要の拡大が追い風。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0.2% | 6.9% | 6.7% |
| FY2022/3 | 9.9% | 10.3% | 6.3% |
| FY2023/3 | 21.1% | 5.3% | 9.5% |
| FY2024/3 | 14.9% | -2.6% | 9.9% |
| FY2025/3 | 30.1% | 1.0% | 12.4% |
FY2022/3期にはコロナ検査需要でROE21.1%・営業利益率18.5%の高収益を記録しましたが、特需剥落後はFY2024/3期にROE-5.3%・営業利益率-1.7%まで急落。FY2025/3期はROE2.0%・営業利益率1.1%と黒字復帰したものの、コロナ前の水準にはまだ遠く、「H.U.2030」で掲げる高収益体質への転換が急務です。
財務は安全?
自己資本比率は約49%と安定的ですが、FY2024/3期からは有利子負債が急増し、FY2025/3期で1,504億円に達しています。FY2023/3期まで実質無借金でしたが、業績悪化と運転資金確保のため借入を増やした形です。BPSは2,411円で現在株価3,115円に対しPBR1.29倍と評価されています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 356億円 | -283億円 | -15.7億円 | 73.2億円 |
| FY2022/3 | 552億円 | -309億円 | -217億円 | 244億円 |
| FY2023/3 | 325億円 | -296億円 | -57.6億円 | 29.5億円 |
| FY2024/3 | 166億円 | -161億円 | -57.8億円 | 5.0億円 |
| FY2025/3 | 220億円 | -160億円 | -53.0億円 | 60.1億円 |
営業CFはFY2022/3期の552億円をピークに減少傾向にありましたが、FY2025/3期は219億円と回復基調。投資CFは毎期160-300億円規模の設備投資を継続しており、あきる野市のH.U. Bioness Complex(セントラルラボ)への大型投資が含まれます。FCFはFY2024/3期の5億円から60億円に改善し、キャッシュ創出力が回復しつつあります。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 255億円 | 79.9億円 | 31.4% |
| FY2022/3 | 474億円 | 178億円 | 37.6% |
| FY2023/3 | 220億円 | 63.3億円 | 28.8% |
| FY2024/3 | -72.4億円 | 0円 | - |
| FY2025/3 | 47.4億円 | 19.8億円 | 41.8% |
コロナ特需期のFY2022/3期には約178億円の法人税等を納付しましたが、FY2024/3期は税引前損失により税負担はゼロ。FY2025/3期は黒字回復したものの実効税率41.8%と高めに推移しており、繰延税金資産の取崩しなどが影響しています。FY2026/3期は正常化して約31%の実効税率を見込みます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 817万円 | 5,444人 | - |
平均年収は約817万円でサービス業界では上位水準です。単体従業員数は339名(持株会社)ですが、連結ベースではエスアールエルや富士レビオなどグループ全体で約5,444名が在籍。平均年齢43.3歳・平均勤続年数12.1年と、専門性の高い臨床検査領域において安定した人材基盤を維持しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。
信託銀行2社で約26%を保有し、外国人投資家(主にSTATE STREET・JP MORGAN系)が上位に名を連ねます。外国人保有比率は45.7%と高水準で、臨床検査業界のグローバル評価が反映されています。創業家の大株主は存在せず、浮動株比率62.4%と流動性の高い株主構成です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 検査・関連サービス(LTS)事業 | 1,680億円 | 赤字→黒字転換中 | 約1% |
| ヘルスケア関連サービス(IVD)事業 | 550億円 | 約80億円 | 約14.5% |
| 滅菌関連等サービス事業 | 200億円 | 約20億円 | 約10% |
訴訟・係争
H.U.グループは臨床検査受託(LTS)を中核に、検査試薬(IVD)・滅菌サービスの3事業で構成されています。LTS事業が売上の約7割を占め、2025年10月にグループ内3社を統合して効率化を加速。IVD事業は認知症血液検査や感染症診断の新規試薬開発に注力しています。役員報酬は7名で総額3.6億円、1人当たり約5,200万円です。
この会社のガバナンスは?
取締役14名中2名が女性で、女性比率14.3%と改善途上です。連結子会社36社のグループ体制で、臨時従業員6,484名を含め大規模な人的リソースを有しています。設備投資115.2億円はH.U. Bioness Complexを中心とした大型ラボ整備に充当されており、検査の集約化・自動化による生産性向上を目指しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 10,000百万円 | 8,000百万円→6,000百万円 | 進行中 | -40.0% |
| 2025年3月期 | 10,000百万円 | — | 2,640百万円 | -73.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年3月期 | 245,000百万円 | — | 236,950百万円 | -3.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中計「H.U.2030」は2026年3月期から2030年3月期の5カ年計画で、一体化経営の深化と持続的成長を目指しています。DOE6%の配当方針を掲げ株主還元を重視しつつ、LTS事業の統合による効率化を推進。しかし初年度から通期営業利益予想が80億円から60億円へ下方修正されるなど、高収益体質への転換にはまだ時間を要する見通しです。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は当期148.7%に対しTOPIXは189.5%と、約40ポイントのアンダーパフォームが続いています。FY2022以降は配当込みでも株価下落の影響が大きく、コロナ特需後の業績悪化がTOPIXとの差を広げました。業績回復とDOE6%の還元方針により、今後のTSR改善が期待される局面です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 169.4万円 | +69.4万円 | 69.4% |
| FY2022 | 139.3万円 | +39.3万円 | 39.3% |
| FY2023 | 134.3万円 | +34.3万円 | 34.3% |
| FY2024 | 130.0万円 | +30.0万円 | 30.0% |
| FY2025 | 148.7万円 | +48.7万円 | 48.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率1.69倍と買い残がやや優勢で、株価回復への期待が見られます。PERは32.2倍とやや割高ですが、これはFY2025/3期の低いEPS(48.6円)が反映されているためで、FY2026/3期予想EPSベースでは約32倍に低下します。配当利回り4.01%は業界平均を大きく上回る高水準です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
LTS事業3社の統合が完了し、検査・関連サービス事業の効率化と最適な事業構造への転換を推進する新体制が始動しました。
FY2026/3期2Qの営業利益が前年同期比143.2%増と大幅に改善し、構造改革の成果が数字に表れ始めました。
通期営業利益予想を従来の80億円から60億円へ25%下方修正。第3四半期の経常利益は前年同期比66.4%減の14.4億円にとどまりました。
最新ニュース
H.U.グループHD まとめ
ひとめ診断
「臨床検査の国内最大手が、コロナ特需の反動とLTS事業再編を乗り越え、新中計H.U.2030で高収益体質への転換を図る」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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