創業ストーリー
検査試薬メーカーとして創業し、日本の臨床検査の草創期から医療の質向上に貢献してきました。
上場により資金調達力を強化し、臨床検査受託事業の全国展開を加速させました。
エスアールエルとの統合により、検査受託と試薬の両輪を持つ国内最大の臨床検査グループが誕生しました。
PCR検査・抗原検査キットの供給で感染症対策の最前線を支え、過去最高業績を記録しました。
LTS事業統合やH.U. Bioness Complexの本格稼働を通じ、高収益体質への転換と持続的成長を目指します。
H.U. Group Holdings,Inc.
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
健康診断で血液検査を受けたことがある方は、その検体がH.U.グループの検査ラボで分析されている可能性が高いです。がんや感染症の診断に使われる検査試薬、病院の滅菌業務、在宅医療の看護サービスまで、「検査で病気を見つけ、治療を支える」仕組みの裏方として、日本中の医療を支えています。
H.U.グループホールディングスは、臨床検査受託のエスアールエルと検査試薬の富士レビオを傘下に持つ国内最大の臨床検査グループです。2022/03期期にはコロナ関連検査の追い風で売上2,729億円・営業利益504億円の過去最高を記録しましたが、その後の需要正常化に伴い2024/03期期には営業赤字40億円に転落。2025/03期期はLTS(検査・関連サービス)事業3社統合や価格適正化が奏功し営業利益26億円と黒字転換を果たしました。2026/03期期は営業利益80億円への回復を見込み、新中計「H.U.2030」のもとDOE6%の株主還元方針と高収益体質の構築を推進しています。
エスアールエルと富士レビオの統合により、検査受託と検査試薬の両方を手がける唯一無二のポジションを確立しています。
業績悪化局面でも年間125円の配当を維持し、DOE6%を目指す明確な株主還元方針を掲げています。
あきる野市に建設したH.U. Bioness Complexは、検査の集約化・自動化により生産性を飛躍的に高めるグループの成長基盤です。
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
エスアールエルを中心とする臨床検査受託事業。2025年10月にLTS事業3社を統合し効率化を推進。売上高の約7割を占める主力事業で、価格適正化と固定費削減により黒字転換。
富士レビオを中心とする検査用試薬・機器の開発・製造・販売事業。新型コロナ抗原検査キットで大きく貢献した実績があり、認知症血液検査など新規領域にも展開中。
日本ステリによる病院内滅菌業務の受託サービス。安定的な収益基盤を持ち、病院のアウトソーシング需要の拡大が追い風。
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 15.2% | 6.9% | - |
| 2022/03期 | 23.2% | 11.0% | - |
| 2023/03期 | 10.8% | 5.4% | - |
| 2024/03期 | 5.2% | 2.6% | 1.7% |
| 2025/03期 | 2.0% | 1.0% | 1.1% |
| 3Q FY2026/3 | 4.6%(累計) | 2.0%(累計) | 2.2% |
2022/03期期にはコロナ検査需要でROE21.1%・営業利益率18.5%の高収益を記録しましたが、特需剥落後は2024/03期期にROE-5.3%・営業利益率-1.7%まで急落。2025/03期期はROE2.0%・営業利益率1.1%と黒字復帰したものの、コロナ前の水準にはまだ遠く、「H.U.2030」で掲げる高収益体質への転換が急務です。
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 2,230億円 | — | 175億円 | 306.4円 | - |
| 2022/03期 | 2,729億円 | — | 296億円 | 519.5円 | +22.4% |
| 2023/03期 | 2,609億円 | — | 157億円 | 275.5円 | -4.4% |
| 2024/03期 | 2,370億円 | 40.4億円 | 75.5億円 | -132.8円 | -9.2% |
| 2025/03期 | 2,430億円 | 26.4億円 | 27.6億円 | 48.6円 | +2.6% |
2022/03期期にコロナ関連検査需要で過去最高の売上2,729億円・営業利益504億円を記録しましたが、特需剥落とLTS事業の構造改革費用により2024/03期期は営業赤字40億円に転落。2025/03期期は価格適正化と固定費削減により営業利益26億円と黒字転換を果たし、2026/03期期は営業利益80億円への回復を見込みますが、3Q時点で下方修正が入り60億円に改定されています。 【3Q 2026/03期実績】売上1867億円(通期予想比74%)、営業利益42億円(同52%)、純利益56億円(同102%)。
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
サービス業の同業他社平均と比べると…
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 検査・関連サービス(LTS)事業 | 1,680億円 | 赤字→黒字転換中 | 約1% |
| ヘルスケア関連サービス(IVD)事業 | 550億円 | 約80億円 | 約14.5% |
| 滅菌関連等サービス事業 | 200億円 | 約20億円 | 約10% |
H.U.グループは臨床検査受託(LTS)を中核に、検査試薬(IVD)・滅菌サービスの3事業で構成されています。LTS事業が売上の約7割を占め、2025年10月にグループ内3社を統合して効率化を加速。IVD事業は認知症血液検査や感染症診断の新規試薬開発に注力しています。役員報酬は7名で総額3.6億円、1人当たり約5,200万円です。
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 10,000百万円 | 8,000百万円→6,000百万円 | 進行中 | -40.0% |
| 2025年3月期 | 10,000百万円 | — | 2,640百万円 | -73.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年3月期 | 245,000百万円 | — | 236,950百万円 | -3.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中計「H.U.2030」は2026年3月期から2030年3月期の5カ年計画で、一体化経営の深化と持続的成長を目指しています。DOE6%の配当方針を掲げ株主還元を重視しつつ、LTS事業の統合による効率化を推進。しかし初年度から通期営業利益予想が80億円から60億円へ下方修正されるなど、高収益体質への転換にはまだ時間を要する見通しです。
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
検査試薬メーカーとして創業し、日本の臨床検査の草創期から医療の質向上に貢献してきました。
上場により資金調達力を強化し、臨床検査受託事業の全国展開を加速させました。
エスアールエルとの統合により、検査受託と試薬の両輪を持つ国内最大の臨床検査グループが誕生しました。
PCR検査・抗原検査キットの供給で感染症対策の最前線を支え、過去最高業績を記録しました。
LTS事業統合やH.U. Bioness Complexの本格稼働を通じ、高収益体質への転換と持続的成長を目指します。
LTS事業3社の統合が完了し、検査・関連サービス事業の効率化と最適な事業構造への転換を推進する新体制が始動しました。
2026/03期期2Qの営業利益が前年同期比143.2%増と大幅に改善し、構造改革の成果が数字に表れ始めました。
通期営業利益予想を従来の80億円から60億円へ25%下方修正。第3四半期の経常利益は前年同期比66.4%減の14.4億円にとどまりました。
一体化経営のさらなる深化と、検査を基盤とした新たな価値創造により、H.U.グループの持続的な成長と企業価値の向上を実現してまいります。中期経営計画「H.U.2030」のもと、高収益体質への転換を加速させます。
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
自己資本比率は約49%と安定的ですが、2024/03期期からは有利子負債が急増し、2025/03期期で1,504億円に達しています。2023/03期期まで実質無借金でしたが、業績悪化と運転資金確保のため借入を増やした形です。BPSは2,411円で現在株価3,115円に対しPBR1.29倍と評価されています。 【3Q 2026/03期】総資産2729億円、純資産1351億円、自己資本比率43.6%、有利子負債703億円。
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 356億円 | 283億円 | 15.7億円 | 73.2億円 |
| 2022/03期 | 552億円 | 309億円 | 217億円 | 244億円 |
| 2023/03期 | 325億円 | 296億円 | 57.6億円 | 29.5億円 |
| 2024/03期 | 166億円 | 161億円 | 57.8億円 | 5.0億円 |
| 2025/03期 | 220億円 | 160億円 | 53.0億円 | 60.1億円 |
営業CFは2022/03期期の552億円をピークに減少傾向にありましたが、2025/03期期は219億円と回復基調。投資CFは毎期160-300億円規模の設備投資を継続しており、あきる野市のH.U. Bioness Complex(セントラルラボ)への大型投資が含まれます。FCFは2024/03期期の5億円から60億円に改善し、キャッシュ創出力が回復しつつあります。
取締役14名中2名が女性で、女性比率14.3%と改善途上です。連結子会社36社のグループ体制で、臨時従業員6,484名を含め大規模な人的リソースを有しています。設備投資115.2億円はH.U. Bioness Complexを中心とした大型ラボ整備に充当されており、検査の集約化・自動化による生産性向上を目指しています。
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 817万円 | 5,444人 | - |
平均年収は約817万円でサービス業界では上位水準です。単体従業員数は339名(持株会社)ですが、連結ベースではエスアールエルや富士レビオなどグループ全体で約5,444名が在籍。平均年齢43.3歳・平均勤続年数12.1年と、専門性の高い臨床検査領域において安定した人材基盤を維持しています。
リターン・配当・市場データを確認
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は当期148.7%に対しTOPIXは189.5%と、約40ポイントのアンダーパフォームが続いています。2022期以降は配当込みでも株価下落の影響が大きく、コロナ特需後の業績悪化がTOPIXとの差を広げました。業績回復とDOE6%の還元方針により、今後のTSR改善が期待される局面です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 110円 | - |
| 2017/03期 | 114円 | 1952.1% |
| 2018/03期 | 130円 | 2882.5% |
| 2019/03期 | 130円 | 116.1% |
| 2020/03期 | 130円 | - |
| 2021/03期 | 144円 | 47.0% |
| 2022/03期 | 125円 | 24.1% |
| 2023/03期 | 125円 | 45.4% |
| 2024/03期 | 125円 | - |
| 2025/03期 | 125円 | 257.2% |
株主優待制度なし
2021/03期期の年間144円から2022/03期期に125円へ減配しましたが、以降は125円を維持しています。2024/03期期は赤字でしたが減配せず安定配当を継続。配当利回りは約4.0%と高水準で、新中計ではDOE(自己資本配当率)6%を主たる配当KPIとする方針を打ち出しており、業績回復に伴う増配への期待もあります。
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 169.4万円 | 69.4万円 | 69.4% |
| 2022期 | 139.3万円 | 39.3万円 | 39.3% |
| 2023期 | 134.3万円 | 34.3万円 | 34.3% |
| 2024期 | 130.0万円 | 30.0万円 | 30.0% |
| 2025期 | 148.7万円 | 48.7万円 | 48.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
信用倍率1.69倍と買い残がやや優勢で、株価回復への期待が見られます。PERは32.2倍とやや割高ですが、これは2025/03期期の低いEPS(48.6円)が反映されているためで、2026/03期期予想EPSベースでは約32倍に低下します。配当利回り4.01%は業界平均を大きく上回る高水準です。
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 255億円 | 79.9億円 | 31.4% |
| 2022/03期 | 474億円 | 178億円 | 37.6% |
| 2023/03期 | 220億円 | 63.3億円 | 28.8% |
| 2024/03期 | -72.4億円 | 0円 | - |
| 2025/03期 | 47.4億円 | 19.8億円 | 41.8% |
コロナ特需期の2022/03期期には約178億円の法人税等を納付しましたが、2024/03期期は税引前損失により税負担はゼロ。2025/03期期は黒字回復したものの実効税率41.8%と高めに推移しており、繰延税金資産の取崩しなどが影響しています。2026/03期期は正常化して約31%の実効税率を見込みます。
まとめと、関連情報・似た会社へ
「臨床検査の国内最大手が、コロナ特需の反動とLTS事業再編を乗り越え、新中計H.U.2030で高収益体質への転換を図る」
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最終更新: 2026/05/22 / データ提供: OSHIKABU