ワコールHD
WACOAL HOLDINGS CORP.
最終更新日: 2026年3月22日
構造改革を経て復活する婦人下着の王者、4期連続増配で株主還元も手厚い!
VISION 2030 - 世界中の一人ひとりに寄り添い、からだと心を美しくする「相互成長経営」の実現。
この会社ってなに?
ワコールは百貨店や直営店、ECサイトで販売される女性用下着の代名詞的ブランドです。あなたやご家族が普段使っている下着やルームウェアの多くがワコール製品であり、最近はリカバリーウェア「&RECOVERY」や新素材技術「Melooop」など、日常の快適さを追求する新商品も展開しています。投資を通じて、こうした身近なブランドの復活と進化を応援できます。
ワコールホールディングスは『ワコール』『ウイング』ブランドを中核とする婦人下着国内最大手の持株会社で、海外売上比率は約4割に達します。FY2024/3期は構造改革費用を含み営業損失95億円・純損失86億円と2期連続の赤字でしたが、FY2025/3期に営業利益33億円へ黒字転換。FY2026/3期は売上高1,875億円・営業利益228億円・純利益149億円と大幅な増益を予想しており、構造改革の成果が本格化する局面です。次期中期経営計画は2026年5月に公表予定で、資本効率改善と成長戦略の両立が注目されています。
会社概要
- 業種
- 繊維製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 京都府京都市南区吉祥院中島町29
- 公式
- www.wacoalholdings.jp
社長プロフィール
ワコールグループは構造改革を通じて筋肉質な経営体質へと生まれ変わりつつあります。次期中期経営計画では、お客さまの『美しくありたい』という想いに応え続けながら、持続的な成長と資本効率の改善を両立してまいります。
この会社のストーリー
復員直後の塚本幸一が京都で婦人洋装店を創業。『女性の美を追求する』という理念のもと、日本の下着文化の礎を築き始める。
東証一部に上場。日本経済の高度成長とともに百貨店チャネルを中心に事業を拡大し、婦人下着のトップブランドへと成長。
純粋持株会社としてワコールホールディングスを設立。グローバル展開の加速と事業ポートフォリオの最適化を推進。
国内外の事業環境悪化を受け、大規模な構造改革に着手。組織再編・人員削減・不採算事業の整理を断行し、2期連続の営業赤字を計上。
FY2025/3期に営業利益33億円と黒字転換を達成。構造改革の効果が顕在化し始め、株価も上昇基調に転じた。
FY2026/3期は営業利益228億円の大幅増益を見込む。2026年5月に次期中期経営計画を公表予定で、VISION 2030の具体化が期待される。
注目ポイント
2期連続赤字から一転、FY2026/3期は営業利益228億円・利益率12.2%を見込んでいます。固定費削減とブランド力の回復が奏功し、過去最高水準の収益体質に生まれ変わりつつあります。
FY2023/3期・FY2024/3期の赤字決算時にも増配を維持し、年間40円から100円へ2.5倍に拡大。配当利回り2.46%と株主優待(自社製品20〜40%割引)を合わせた総合利回りが魅力です。
現在のPBR1.1倍・PER14.1倍は構造改革の成果が十分に織り込まれていない水準です。信用倍率0.65倍の『売り長』状態も踏まえると、次期中計発表を契機とした株価見直しの可能性があります。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 33円 | 41.7% |
| FY2017/3 | 36円 | 39.9% |
| FY2019/3 | 72円 | 1395.3% |
| FY2020/3 | 60円 | 110.6% |
| FY2021/3 | 40円 | 35.5% |
| FY2022/3 | 50円 | 67.5% |
| FY2023/3 | 80円 | 0.2% |
| FY2024/3 | 100円 | 0.2% |
| FY2025/3 | 100円 | 77.1% |
| 必要株数 | 100株以上(約41万円) |
| 金額相当 | 利用額に応じて変動 |
| 権利確定月 | 3月・9月 |
FY2021/3期の年間40円から4期連続で増配し、FY2025/3期は年間100円(配当利回り2.46%)を実現しました。FY2023/3期・FY2024/3期の赤字期にも増配を維持しており、累進配当への姿勢が明確です。株主優待は自社通販サイトでの割引購入制度で、保有株数に応じて20%〜40%引きとなります。権利確定月は3月・9月の年2回です。
同業比較(収益性)
繊維製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2023/3期・FY2024/3期は構造改革費用や海外事業の不振により営業赤字が続きましたが、FY2025/3期に営業利益33億円と2期ぶりの黒字転換を果たしました。FY2026/3期は売上高1,875億円・営業利益228億円・純利益149億円を見込み、営業利益率12.2%への大幅改善を計画しています。構造改革による固定費削減と国内外でのブランド力回復が増益の主因です。
事業ごとの売上・利益
『ワコール』『ウイング』ブランドの女性用インナーウェアを百貨店・量販店・EC等で販売。国内売上の約5割を占める中核事業
米国・中国・欧州を中心にグローバル展開。米国子会社Wacoal Americaが主力。構造改革により収益性改善中
若年層向けインナーウェアブランド「Peach John」を展開。EC・直営店が主要チャネル
スポーツウェア「CW-X」、リカバリーウェア「&RECOVERY」、素材開発「Melooop」などの新規事業
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.6% | 2.2% | -0.7% |
| FY2022/3 | 2.0% | 1.4% | 2.9% |
| FY2023/3 | 3.3% | -0.2% | 3.6% |
| FY2024/3 | 2.3% | -2.8% | 3.9% |
| FY2025/3 | 13.7% | 2.1% | 7.9% |
FY2023/3〜FY2024/3期は構造改革費用により営業利益率がマイナスとなりましたが、FY2025/3期に営業利益率1.9%・ROE3.6%へ回復しました。FY2026/3期は営業利益率12.2%を見込んでおり、構造改革前のピーク時を上回る収益水準を目指しています。ROEは中期計画目標の10%に対しまだ道半ばですが、改善トレンドは明確です。
財務は安全?
自己資本比率は70%前後と非常に高い水準を維持しています。FY2024/3期に有利子負債346億円を計上しましたが、FY2025/3期には265億円に減少。総資産は構造改革に伴う事業整理により2,722億円へ縮小しましたが、財務基盤は引き続き健全です。BPS(1株当たり純資産)3,713円に対しPBR1.10倍と、株価はほぼ純資産水準に位置しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 113億円 | 140億円 | -202億円 | 253億円 |
| FY2025/3 | 49.4億円 | 93.8億円 | -229億円 | 143億円 |
営業キャッシュフローはFY2022/3期に130億円を確保した後、FY2025/3期は49億円に減少しました。一方、投資CFは事業売却や資産処分によりプラスが続いており、フリーキャッシュフローはFY2024/3期に253億円、FY2025/3期に143億円と潤沢です。財務CFは自社株買いや配当支払いでマイナスが続き、積極的な株主還元を行っています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 120億円 | 50.2億円 | 41.7% |
| FY2022/3 | 16.8億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 24.7億円 | 31.7億円 | 128.3% |
| FY2024/3 | 30.0億円 | 113億円 | 376.1% |
| FY2025/3 | 89.2億円 | 32.3億円 | 36.2% |
FY2023/3期・FY2024/3期は赤字決算のため法人税等の実質負担は限定的でした。FY2026/3期は営業利益228億円への回復に伴い、約79億円の法人税等(実効税率34.8%)を見込んでいます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 598万円 | 16,124人 | - |
連結従業員数は約16,124名で、平均年収は598万円です。繊維製品業界の中では標準的な水準にあります。平均年齢44.6歳、平均勤続年数17年と長期雇用が特徴で、7年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」に選定されるなど、働きやすい職場環境の整備に注力しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は明治安田生命保険相互会社・三菱UFJ銀行・京都銀行。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)で約10.8%を保有しています。明治安田生命・三菱UFJ銀行・京都銀行など京都を地盤とする金融機関が上位株主に名を連ね、創業の地である京都との結びつきの強さが特徴です。金融機関の保有比率が40%超と高く、安定した株主構成を維持しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| ワコール事業(国内) | 約900億円 | - | 約3% |
| ワコール事業(海外) | 約680億円 | - | 約1% |
| ピーチ・ジョン事業 | 約120億円 | - | - |
| その他事業 | 約40億円 | - | - |
ワコールHDは国内・海外のワコール事業を主力に、ピーチ・ジョン事業やその他事業を展開しています。国内ワコール事業が売上の約5割を占めますが、海外事業の成長余地も大きく、特に米国・中国市場での収益改善が課題です。役員報酬は取締役3名に対し総額1億6,800万円で、業績低迷期に20%減額措置も実施されました。リカバリーウェアや新素材技術など次世代の成長ドライバーの育成にも注力しています。
この会社のガバナンスは?
取締役13名中女性3名(比率23.1%)と、女性向け製品を主力とする企業にふさわしい多様性を確保しています。監査報酬は1億4,400万円。平均勤続年数17年と長期雇用が根付いており、7年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」に選定されています。設備投資は38.8億円で、国内外の生産設備の効率化に充当しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 1,900億円 | — | 1,739億円 | -8.5% |
| FY2026/3 | 2,050億円 | 1,875億円 | — | -8.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 70億円 | — | 33億円 | -52.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画「リバイズ」は2023年11月に見直しが行われ、FY2026/3期を最終年度としています。売上収益は当初目標2,050億円に対し1,875億円予想と未達見込みですが、営業利益率は目標10%を上回る12.2%を見込んでいます。次期中期経営計画は2026年5月に公表予定で、「VISION 2030」の具体化が期待されています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近5年間のTSR(株主総利回り)は232.8%で、TOPIX(213.4%)をアウトパフォームしています。FY2022/3期には一時82.3%まで低下しましたが、構造改革への期待と配当の増額により回復。特にFY2024/3〜FY2025/3期の急伸は、構造改革の進捗に対する市場の評価の高まりを反映しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 106.3万円 | +6.3万円 | 6.3% |
| FY2022/3 | 82.3万円 | -17.7万円 | -17.7% |
| FY2023/3 | 113.2万円 | +13.2万円 | 13.2% |
| FY2024/3 | 169.7万円 | +69.7万円 | 69.7% |
| FY2025/3 | 232.8万円 | +132.8万円 | 132.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER14.1倍・PBR1.10倍と繊維製品セクターの平均(PER約18倍・PBR約1.2倍)を下回っており、構造改革後の業績回復が株価に十分織り込まれていない可能性があります。信用倍率は0.65倍と売り残が買い残を上回る「売り長」の状態で、株価上昇時には買い戻しによる上昇圧力が期待できます。配当利回り2.46%はセクター平均を上回る水準です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/3期第3四半期決算を発表。売上収益1,303億円(前年同期比2.4%減)ながら営業利益227億円(同104%増)と大幅増益を達成。構造改革の成果が鮮明に。
FY2026/3期通期業績予想を下方修正。売上収益を2,050億円から1,875億円に引き下げ。次期中期経営計画の公表を2026年5月へ延期することも発表。
FY2025/3期通期決算を発表。営業利益33億円と2期ぶりの黒字転換を達成。構造改革の進捗を市場にアピールし、株価は上昇基調に転じた。
子会社ワコールサービスの保険代理店事業をエムエスティ保険サービスとJALUX保険サービスに譲渡。事業ポートフォリオの整理を推進。
最新ニュース
ワコールHD まとめ
ひとめ診断
「婦人下着最大手が構造改革を断行、FY2026/3期は営業利益228億円と大幅黒字転換を見込む」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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