新都ホールディングス
SHINTO Holdings,Inc.
最終更新日: 2026年4月8日
廃棄物を資源に変える、日本と東南アジアをつなぐリサイクルの架け橋
資源循環を通じて持続可能な社会の構築に貢献し、アジアを代表するリサイクル企業グループへ成長する。
この会社ってなに?
あなたが飲み終わったペットボトルや、使い終わった家電製品の中の金属部品。これらの「ごみ」を集めて、新しい原料として生まれ変わらせる仕事をしているのが新都ホールディングスです。たとえばペットボトルは粉砕・洗浄されてリサイクルPET樹脂となり、再び容器や繊維製品に生まれ変わります。アルミや銅などの金属スクラップも同様に回収・選別され、新しい製品の材料として世界中に輸出されます。つまり、私たちの日常から出る廃棄物を「資源」に変え、循環型社会を支える縁の下の力持ちなのです。
新都ホールディングスは1984年にカジュアル衣料卸「クリムゾン」として設立され、2017年に現社名へ変更。代表の鄧明輝氏のもと中国・東南アジアとのネットワークを活かし、PET樹脂や廃プラスチックの再資源化事業、非鉄金属リサイクル事業へと大きく舵を切りました。FY2026/1期の売上高は279億円(前期比+127%)、営業利益5.9億円と急拡大し、龍一商事・栄新商事の子会社化やカンボジア政府との金属輸出協定など、積極的なM&Aと海外展開で成長を加速しています。FY2027/1期は売上高483億円(+73%)を計画し、過去最高を連続更新する見通しです。
会社概要
- 業種
- 卸売業
- 決算期
- 1月
- 本社
- 東京都豊島区北大塚3-34-1 D.Tビル2階・3階
- 公式
- www.shintohd.co.jp
社長プロフィール
私たちは「ごみ」を「資源」に変えるビジネスを通じて、持続可能な社会の実現に貢献しています。日本で培ったリサイクル技術とアジアの成長市場をつなぎ、グループ一丸となって資源循環型の事業モデルを拡大してまいります。M&Aを通じたスピード感ある成長で、世界のリサイクルインフラを支える企業を目指します。
この会社のストーリー
東京都墨田区でカジュアル衣料の企画・卸売業として創業。Tシャツやカットソーを中心に事業を開始した。
アパレル卸売企業としてJASDAQ市場に株式を上場。資本市場からの資金調達が可能となり、事業拡大の基盤を整えた。
中国出身の鄧明輝氏が代表取締役に就任し、アパレルから資源リサイクル・日中貿易へと事業の大転換を開始。商号も変更し新たな出発を切った。
PET樹脂の再資源化や再生プラスチック製品の輸出入が軌道に乗り、初の通期黒字を達成。リサイクル企業への転身が形になり始めた。
関東の龍一商事、関西の栄新商事を相次いで子会社化し、全国規模の金属リサイクルネットワークを構築。カンボジア政府との環境協力も締結した。
FY2026/1期は売上高が前期の2倍超の279億円に急拡大し、経常利益も前期比約10倍の5.4億円を達成。M&A戦略が大きな実を結んだ。
FY2027/1は売上高483億円と3年で約10倍の成長を計画。アジア全域でのリサイクルインフラ構築と収益性向上を同時に追求する。
注目ポイント
FY2024/1の62億円からFY2027/1予想の483億円へ、M&Aを軸に3年間で約10倍の売上成長を計画。上場企業としては異例のスピード感で事業を拡大しています。
廃プラスチックと非鉄金属のリサイクルを通じて、循環型社会の実現に貢献。SDGsやカーボンニュートラルの潮流に合致した事業モデルです。
中国・香港・カンボジアなど東南アジアに広がる独自の取引ネットワークを保有。カンボジア首相との直接協定など、国家レベルのパートナーシップを構築しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2022/1 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/1 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/1 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/1 | 0円 | 0.0% |
| FY2026/1 | 0円 | 0.0% |
株主優待制度は現在導入されていません。
同社は設立以来一貫して無配を継続しています。事業転換期の赤字が長く続いたことに加え、現在はM&Aによる成長投資を最優先する方針のため、当面の配当開始は見込みにくい状況です。FY2026/1で黒字定着したものの、利益水準はまだ薄く、配当の原資確保には時間を要するとみられます。
同業比較(収益性)
卸売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
新都HDは資源リサイクル事業への転換とM&Aにより、売上高がFY2022/1の47億円からFY2026/1の279億円へ約6倍に急拡大しています。一方で利益率は依然として薄く、営業利益率は2.1%にとどまります。FY2027/1予想では売上高483億円と引き続き高成長を見込むものの、M&Aに伴うのれん償却やPMIコストが利益を圧迫する構造が続いており、収益性の改善が今後の課題です。
事業ごとの売上・利益
PET樹脂・廃プラスチックの回収・選別・再資源化、及び再生樹脂製品の輸出入。テルフィーズとのリサイクル装置製造技術提携も推進
アルミニウム・銅を主体とする非鉄金属スクラップの回収・輸出入。龍一商事・栄新商事・北山商事のグループネットワークで全国調達
不動産関連サービスの提供。リサイクル事業と比較して利益率が高く、安定収益源の役割を担う
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2022/1 | 7.0% | 4.5% | 0.9% |
| FY2023/1 | -16.9% | -10.6% | -5.2% |
| FY2024/1 | -46.6% | -27.9% | -4.7% |
| FY2025/1 | 1.0% | 0.3% | 0.3% |
| FY2026/1 | 2.4% | 0.7% | 2.1% |
FY2023/1〜FY2024/1は事業転換期の赤字が続きましたが、FY2025/1に黒字転換し、FY2026/1には営業利益率2.1%まで改善しました。ただしROEは2.4%、ROAは0.7%と依然として低水準であり、急拡大する売上規模に対して利益の伸びが追いついていません。M&Aで取得した子会社のPMI完了と規模の経済が効き始めれば、さらなる収益性改善が期待されます。
財務は安全?
M&Aの連続により総資産がFY2024/1の14億円からFY2026/1の135億円へ約10倍に急膨張しています。自己資本比率は60%台から24%台へ大きく低下しましたが、これは子会社化に伴う連結範囲拡大と株式交付による資本調達が主因です。有利子負債はゼロを維持しており、財務リスクは限定的ですが、急拡大する事業規模に対する資本基盤の安定性が注視されます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2022/1 | 1.4億円 | -1,500万円 | 2,400万円 | 1.2億円 |
| FY2023/1 | -4.1億円 | -6,900万円 | 5.7億円 | -4.8億円 |
| FY2024/1 | -2.1億円 | 600万円 | -4,400万円 | -2.0億円 |
| FY2025/1 | 3.5億円 | -2.7億円 | -1.6億円 | 8,500万円 |
| FY2026/1 | -3.5億円 | -3.6億円 | 12.1億円 | -7.1億円 |
営業キャッシュフローは不安定で、FY2026/1は売上急拡大に伴う運転資金の膨張により3.5億円のマイナスとなっています。一方で財務CFは株式交付によるM&A資金として12億円のプラスを計上。投資CFもM&A関連でマイナスが続いています。事業拡大フェーズにあるため当面はFCFのマイナスが続く見通しですが、規模拡大に伴い運転資金効率が改善すれば営業CFの安定化が期待されます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2022/1 | 1,500万円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/1 | -2.0億円 | 0円 | - |
| FY2024/1 | -2.7億円 | 0円 | - |
| FY2025/1 | 4,900万円 | 3,300万円 | 67.3% |
| FY2026/1 | 5.4億円 | 4.5億円 | 82.1% |
赤字期には税負担がほぼゼロでしたが、黒字転換後の実効税率が67〜82%と異常に高い水準となっています。これは連結子会社間での損益通算が十分に機能していないことや、のれん償却等の税務上損金不算入項目が多いことが要因と考えられます。事業が安定しグループ全体の収益構造が改善すれば、通常の法人税率水準への収斂が見込まれます。
誰がこの会社の株を持ってる?
CEO鄧明輝氏がDADU(HONG KONG)を含め約17%、子会社北山商事出身の北山聡明氏が約16%を保有し、経営陣関連で約33%を安定保有。残りは海外証券口座経由の個人投資家が多い。
筆頭株主は子会社・北山商事の創業者である北山聡明氏(15.9%)で、次いでCEOの鄧明輝氏が個人保有(8.6%)と自身の資産管理会社DADU(HONG KONG)(8.5%)を合わせ約17%を保有しています。株主構成は中国・香港系の個人投資家や海外ブローカー経由の保有が多く、個人その他が約59%と大きな割合を占めるのが特徴です。機関投資家の保有はほぼなく、流動性と株価変動性が高い構造となっています。
会社の公式開示情報
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| プラスチックリサイクル事業 | 約100億円 | 約2億円 | 約2% |
| 金属リサイクル事業 | 約160億円 | 約3億円 | 約2% |
| 不動産関連サービス事業 | 約15億円 | 約1億円 | 約7% |
金属リサイクル事業が売上の約6割を占める主力セグメントで、M&Aにより急拡大しています。プラスチックリサイクルも主要事業であり、両リサイクル事業の合計で売上の約9割を構成します。不動産関連は小規模ながら利益率が比較的高く、収益の安定化に寄与しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026 | 279億円 | — | 279億円 | ±0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026 | 3億円 | — | 5億円 | +117.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
FY2026/1期は経常利益が当初会社予想2.5億円に対し実績5.4億円と大幅に上振れして着地しました。積極的なM&A戦略の実行力は評価できますが、統合後の収益性向上は道半ばです。FY2027/1は売上高+73%の強気予想を掲げており、達成には既存子会社の収益貢献拡大が不可欠です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近5年間のTSRはTOPIXを若干下回る「アンダーパフォーム」です。FY2025〜FY2026にかけてリサイクル事業の拡大期待で株価が急上昇しましたが、それ以前の長期低迷期の影響で累積リターンではTOPIXに及んでいません。無配のため配当による上乗せもなく、今後の株価上昇と利益成長の持続がTSR改善のカギとなります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2022 | 100.0万円 | +0.0万円 | 0.0% |
| FY2023 | 90.0万円 | -10.0万円 | -10.0% |
| FY2024 | 85.0万円 | -15.0万円 | -15.0% |
| FY2025 | 155.0万円 | +55.0万円 | 55.0% |
| FY2026 | 179.0万円 | +79.0万円 | 79.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同業の卸売業と比較すると、PER34.1倍・PBR2.09倍と割高な水準にあり、高い成長期待が株価に織り込まれています。配当利回りは0%で業界平均を大きく下回ります。時価総額69億円と小型株であり、出来高や流動性が限られるため、株価のボラティリティが大きくなりやすい点には留意が必要です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/1期の連結経常利益が前期比998.5%増の5.4億円に急拡大。売上高279億円と過去最高を大幅更新した。
京都府宇治市の金属リサイクル企業栄新商事を株式交付により子会社化。関西圏での金属スクラップ調達網を強化した。
茨城県の金属リサイクル企業龍一商事を子会社化。金属スクラップの最大供給地である関東圏での調達力を大幅に拡充した。
カンボジア首相と金属輸出と環境協力で合意。東南アジアでのリサイクル事業の基盤を拡大する重要な提携となった。
リサイクル事業の拡大期待から株価が70円台から一時188円まで急騰。出来高も大幅に増加した。
最新ニュース
新都ホールディングス まとめ
ひとめ診断
「アパレル卸から資源リサイクルへ大転換、M&A連打で売上5倍成長を遂げる異色の中小型株」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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