商船三井
Mitsui O.S.K.Lines,Ltd.
最終更新日: 2026年3月20日
グローバルに大きくモノを動かす、海運のスペシャリスト
青い海から人々の毎日を支え、豊かな未来をひらく
この会社ってなに?
普段の生活で手にする食料品や衣料品の多くは、商船三井のような海運会社が世界中から運んでいます。LNG(液化天然ガス)の輸送を通じたエネルギー供給や、フェリー「さんふらわあ」による国内物流・旅客輸送など、暮らしのインフラを幅広く支えています。配当利回り約5%と高配当で、株主優待ではクルーズやフェリーの割引券がもらえるため、「応援しながら配当と優待を楽しむ」投資先としても魅力的です。
商船三井は国内海運大手3社の一角であり、ドライバルク船やコンテナ船(ONE出資)に加え、LNG船やケミカル物流、不動産(ダイビル)など非海運分野への投資を加速しています。2026年3月期第3四半期では売上高1兆3,454億円、営業利益1,027億円を計上し、通期経常利益予想を1,800億円へ18.4%上方修正しました。経営計画「BLUE ACTION 2035」のもと、事業投資枠を1,500億円へ拡大し、株主還元(年間配当360円・配当利回り約5%)と成長投資の両立を図りながら持続的な企業価値向上を目指しています。
会社概要
- 業種
- 海運業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区虎ノ門2-1-1
- 公式
- www.mol.co.jp
社長プロフィール
私たちは海運業を中心としたグローバルな社会インフラ企業として、全ステークホルダーのウェルビーイング向上を目指します。次世代船の開発や環境対応を通じ、持続可能な未来への貢献と新たな価値創造を進めてまいります。
この会社のストーリー
関西の船主たちが結集し、大阪商船株式会社を設立。近代日本の海運業の礎を築きました。
海運業界の集約に伴い、大阪商船と三井船舶が合併。世界有数の船隊規模を持つ企業へと成長しました。
ナビックスラインとの合併を経て、現在の「商船三井」へと社名変更。グローバル物流の牽引役としての地位を確立しました。
国内海運大手3社でコンテナ船事業を統合し、「Ocean Network Express (ONE)」を設立。業界の荒波を乗り越える体制を整えました。
環境変化に対応し、海運業に留まらない社会インフラ企業への飛躍を目指す新たなグループビジョンを策定しました。
2035年度のありたい姿の実現に向けた長期経営計画をスタート。環境戦略と事業ポートフォリオの変革を推し進めます。
海外居住者向けEC配送サービス「MOL CART」の開始や、外国人人材事業との提携など、非海運分野への挑戦を加速させています。
クリーン代替燃料の導入や無人運航船の社会実装を通じ、世界の海運業界における環境リーダーとしての地位を目指します。
注目ポイント
業績好調による高い配当利回りが魅力。「にっぽん丸」のクルーズやフェリーで使える優待割引券など、投資家にとって嬉しい特典も充実しています。
LNG船やクリーン代替燃料の導入、無人運航船プロジェクトなど、2050年ゼロエミッション実現に向けた最先端の環境投資を行っています。
不動産事業(ダイビル)や海洋事業に加え、EC関連のBtoCビジネス(MOL CART)など、外部環境の変化に強い安定した収益基盤を構築しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 5円 | - |
| FY2017/3 | 2円 | 45.5% |
| FY2019/3 | 45円 | 20.0% |
| FY2020/3 | 65円 | 23.8% |
| FY2021/3 | 150円 | 19.9% |
| FY2022/3 | 1200円 | 60.9% |
| FY2023/3 | 560円 | 25.4% |
| FY2024/3 | 220円 | 30.4% |
| FY2025/3 | 360円 | 30.3% |
| 必要株数 | 100株以上(約70万円) |
| 金額相当 | 約3,000〜5,000円相当 |
| 権利確定月 | 3月 |
FY2022はコンテナ船ブームで年間配当1,200円(配当性向60.9%)と大幅な特別配当を実施しました。ブーム後は配当性向30%を目安に正常化し、FY2025は年間360円(利回り約5.2%)を予定。下限配当150円を設定しており、市況悪化時にも一定の還元を確保する姿勢を明確にしています。株主優待はクルーズ・フェリーの優待券があり、保有の楽しさも兼ね備えた銘柄です。
同業比較(収益性)
海運業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
商船三井の業績は海運市況と密接に連動する構造を持ちます。FY2022-FY2023はコンテナ船運賃の歴史的高騰により純利益7,000〜8,000億円を記録しましたが、FY2024は市況正常化で2,617億円へ急減しました。FY2025はONE(コンテナ船合弁)の持分法利益回復と営業利益の拡大で4,255億円に反発。FY2026予想は1,700億円と保守的ですが、同社は期初予想から上方修正する傾向が強く、実績が上振れする可能性が高い点に注目です。 【3Q FY2026/3実績】売上1.3兆円(通期予想比79%)、営業利益1027億円(同103%)、純利益1805億円(同106%)。営業利益は既に通期予想を超過しており、上振れの可能性が高い。
事業ごとの売上・利益
鉄鉱石・石炭・穀物等のバラ積み輸送、長期契約比率を高め市況変動の影響を抑制
LNG船・タンカー・FPSO等、長期契約による安定収益が特徴
日本郵船・川崎汽船との合弁ONE社の持分法利益(出資比率31%)
自動車船・フェリー・内航RoRo船等の完成車・製品輸送
ダイビル(オフィスビル)、港湾事業、クルーズ(にっぽん丸)
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 12.9% | 4.3% | - |
| FY2022/3 | 69.7% | 29.6% | - |
| FY2023/3 | 48.7% | 25.5% | - |
| FY2024/3 | 12.1% | 6.8% | 6.3% |
| FY2025/3 | 16.7% | 9.3% | 8.5% |
| 3Q FY2026/3 | 8.4%(累計) | 3.4%(累計) | 7.6% |
FY2022-FY2023はコンテナ船ブームによりROE 40〜53%という異次元の資本効率を記録しました。ブーム後のFY2024はROE 11%へ正常化し、FY2025は15.6%へ回復。営業利益率は本業の海運事業で6〜8%台ですが、ONE等の持分法利益が純利益を大きく押し上げる構造となっており、ROEと営業利益率の乖離が大きい点が海運業の特徴です。
財務は安全?
総資産はFY2021の約2.1兆円からFY2025の約5.0兆円へ5年で2.4倍に拡大しました。これは好況期の利益蓄積と積極的な成長投資(LNG船・ケミカル物流等)によるものです。自己資本比率は53.9%と安定水準を維持していますが、有利子負債はFY2024以降3兆円規模に増加しており、BLUE ACTION 2035に基づく大型投資の資金調達を反映しています。BPSは7,688円に達し、PBR0.91倍はなお解散価値を下回っています。 【3Q FY2026/3】総資産5.6兆円、純資産2.7兆円、自己資本比率38.7%、有利子負債2.2兆円。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 989億円 | -547億円 | -617億円 | 442億円 |
| FY2022/3 | 3,076億円 | -1,075億円 | -1,918億円 | 2,002億円 |
| FY2023/3 | 5,499億円 | -2,820億円 | -2,817億円 | 2,679億円 |
| FY2024/3 | 3,142億円 | -3,529億円 | 497億円 | -387億円 |
| FY2025/3 | 3,605億円 | -4,508億円 | 1,171億円 | -903億円 |
営業CFは年間3,000〜5,500億円と安定した現金創出力を示しています。一方、FY2024-FY2025は投資CFが3,500〜4,500億円と大幅に拡大し、FCFは2期連続マイナスに転じました。これはBLUE ACTION 2035に基づくLNG船・ケミカル物流・環境対応船への積極的な成長投資の結果であり、財務CFでの借入増加(FY2025: +1,171億円)で資金を手当てしています。営業CFの安定性を考慮すると、投資一巡後のFCF回復が見込まれます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 1,336億円 | 436億円 | 32.6% |
| FY2022/3 | 7,218億円 | 130億円 | 1.8% |
| FY2023/3 | 8,116億円 | 155億円 | 1.9% |
| FY2024/3 | 2,590億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 4,197億円 | 0円 | 0.0% |
商船三井の実効税率は極めて低い水準で推移しています。FY2021は32.6%でしたが、FY2022以降は2%以下〜0%と大幅に低下。これは海運業界特有のトン数標準税制(トン数ベースの課税)や、持分法適用会社(ONE等)からの受取配当金が益金不算入となる税務上の優遇措置、さらに海外子会社での軽課税が寄与しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,437万円 | 10,500人 | - |
平均年収1,437万円は海運業界トップクラスの水準です。FY2023-FY2024は業績連動賞与の増加で1,500〜1,675万円に達しましたが、FY2025はコンテナ船ブーム後の利益正常化を反映し減少。ただし1,400万円台は日本企業全体で見ても極めて高水準です。単体従業員数は1,329名と少数精鋭で、連結グループ10,500名を約1,300名の本体で統括する効率的な経営体制です。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は三井住友銀行・三井住友海上火災保険。
三井グループの海運会社ですが、三井住友銀行・三井住友海上の保有は合計3.3%と低く、実質的には機関投資家中心の分散型構成です。信託口(マスタートラスト+カストディ)が約23%を占め、外国法人の保有比率は約40%に上ります。高配当利回り(約5%)を背景に個人投資家の保有比率も増加傾向にあり、PBR0.91倍と依然として解散価値を下回る水準が続いています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| ドライバルク事業 | 2,900億円 | 250億円 | 8.6% |
| エネルギー・海洋事業 | 3,200億円 | 400億円 | 12.5% |
| コンテナ船事業(ONE持分) | - | 1,500億円 | - |
| 製品輸送事業 | 4,800億円 | 180億円 | 3.8% |
| 不動産・その他 | 1,600億円 | 200億円 | 12.5% |
商船三井はエネルギー・海洋事業とONE(コンテナ船合弁)が利益の二本柱です。エネルギー事業はLNG船を中心に長期契約ベースで安定収益を確保し、ONE社からの持分法利益がコンテナ市況に連動して大きく変動します。BLUE ACTION 2035では非海運分野(不動産・ケミカル物流等)を第三の柱として育成し、市況に左右されない安定収益比率の向上を目指しています。主要リスクは海運市況・地政学・為替変動であり、ポートフォリオ分散でリスク耐性の強化を図っています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が30.8%と日本企業の中では極めて高い水準にあり、多様性を重視したガバナンス体制を構築しています。447社に及ぶ連結子会社を抱える巨大企業でありながら、厳格な監査報酬の支払いを通じた監査体制の強化を図り、透明性の高い経営を維持しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 1,520億円 | 1,800億円 | 1,800億円(修正見通し) | +18.4% |
| 2025年3月期 | 2,200億円 | — | 4,197億円 | +90.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年3月期 | 1兆5,000億円 | — | 1兆6,300億円 | +8.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 5,000億円 | — | 7,960億円 | +59.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
商船三井は現在、経営計画「BLUE ACTION 2035」のもと、市況変動の影響を受けやすい伝統的な海運事業から、LNG船や非海運分野(ケミカル物流や不動産など)への投資へとポートフォリオの転換を図っています。直近の決算でも経常利益予想を1,800億円へ18.4%上方修正するなど、保守的な期初予想から上振れして着地する傾向が強く、高い利益創出力が評価されます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
商船三井の当期TSRは1163.9%と、TOPIXの213.4%を劇的にアウトパフォームしています。これは過去数年にわたる未曾有の海運ブームによる記録的な利益成長と、それに伴う大幅な配当増額が株主総利回りを強力に押し上げた結果です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 四期前 | 230.4万円 | +130.4万円 | 130.4% |
| 三期前 | 664.6万円 | +564.6万円 | 564.6% |
| 前々期 | 741.8万円 | +641.8万円 | 641.8% |
| 前期 | 1002.9万円 | +902.9万円 | 902.9% |
| 当期 | 1163.9万円 | +1063.9万円 | 1063.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
商船三井のPERは14.2倍、PBRは0.91倍と、海運業セクター平均と比較するとやや高めのバリュエーションです。これはFY2026予想の純利益が1,700億円と保守的に設定されていることによるPER上昇が主因であり、実態としては割安圏にあります。信用倍率は2.84倍と低下傾向にあり、需給環境は良好です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2026年3月期通期の経常利益を従来予想から18.4%上方修正。海運市況の変動を吸収し安定収益を確保する姿勢が評価されました。
オランダのケミカル物流大手LBC社の持分取得を完了。海上・陸上を一体とした輸送ネットワークの拡大を推進しています。
外国人人材紹介を行うNODEとの資本提携を発表。グループの人的基盤強化と採用力向上による事業競争力強化を図ります。
最新ニュース
商船三井 まとめ
ひとめ診断
「海運市況の波を乗りこなし、LNG船・非海運事業で安定成長基盤を構築する国内海運大手」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。