日鉄鉱業(株)
Nittetsu Mining Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月24日
日本製鉄を源流に持つ総合資源会社。地下資源から地熱・環境まで、地球の恵みを価値に変える
「総合資源会社」としてグループの総合力を発揮し、持続的成長を実現する
この会社ってなに?
道路やビルの建設に不可欠なセメントの原料となる石灰石は、日鉄鉱業の主力製品です。チリのアタカマ砂漠にある銅鉱山からは世界中に銅精鉱を供給し、スマートフォンやEVに使われる銅の安定供給に貢献しています。また、鹿児島県の大霧発電所への地熱蒸気供給や、工場排水をきれいにする排水処理剤「ポリテツ」の製造など、環境分野でも活躍。株主優待では岩手県釜石鉱山の天然水「仙人秘水」がもらえます。
日鉄鉱業は1939年に日本製鉄の鉱業部門を母体に設立された総合資源企業です。石灰石の採掘・販売を主力に、銅精鉱・電気銅の生産、地熱エネルギー開発、排水処理剤の製造、不動産事業まで幅広く展開しています。FY2025/3は売上高1,968億円(前年比+17.9%)、営業利益103億円を計上。第3次中期経営計画のもと、2033年度のROIC 7%以上を長期目標に掲げ、国内外の資源獲得と非資源事業の成長強化を推進しています。TSRは5年間で348%とTOPIXを大幅にアウトパフォームしており、100億円規模の自社株買いも実施中です。
会社概要
- 業種
- 鉱業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区丸の内二丁目3番2号 郵船ビル6階
- 公式
- www.nittetsukou.co.jp
社長プロフィール
「総合資源会社」としてグループの総合力を発揮し、持続的成長を実現する。国内外の資源事業を基盤に、機械・環境事業や不動産事業など非資源分野の成長も推進し、社会に貢献してまいります。
この会社のストーリー
日本初の近代製鉄所である釜石鉱山を母体に鉱業事業がスタート。日本の近代化を支える鉄鉱石の採掘を開始した。
日本製鉄の鉱業部門を分離して日鉄鉱業株式会社として設立。石灰石・鉄鉱石の採掘を本格化した。
鹿児島県の大霧発電所への地熱蒸気供給を開始。再生可能エネルギー分野への進出を果たした。
チリ・アタカマ砂漠の銅鉱山事業を拡大。海外資源開発のグローバル展開を加速させた。
「総合資源会社」として2033年度のROIC 7%以上を長期目標に掲げ、国内外の資源獲得と非資源事業の成長強化を推進。
100億円規模の自社株買いを発表し、資本効率の向上と株主還元の強化を打ち出した。株価は1年で2倍超に上昇。
注目ポイント
配当利回り7.11%と鉱業セクターでトップクラス。さらに100億円の自社株買いを実施中で、総還元利回りは極めて高い水準です。配当性向40%を目安とした安定的な株主還元が魅力です。
5年間のTSRは348%と、TOPIXの213%を大幅にアウトパフォーム。銅価格の上昇と経営改革が株価を押し上げ、長期投資家に優れたリターンを提供しています。
地熱蒸気供給や排水処理剤「ポリテツ」の製造など、環境分野にも注力。台湾・ベトナムへの新工場建設でアジア市場を開拓中。資源だけに依存しない成長モデルを構築しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 8円 | 14.9% |
| FY2018/3 | 45円 | 15.0% |
| FY2019/3 | 55円 | 17.1% |
| FY2020/3 | 45円 | 16.6% |
| FY2021/3 | 50円 | 22.2% |
| FY2022/3 | 167.5円 | 30.0% |
| FY2024/3 | 169円 | 42.6% |
| FY2025/3 | 224円 | 41.0% |
| 必要株数 | 100株以上(約26万円) |
| 金額相当 | 約3,600円相当 |
| 権利確定月 | 3月 |
配当は業績連動型で、FY2022/3には1株335円という高水準の配当を実施しました。配当性向は40%前後を目安としており、FY2026/3予想は1株183円(配当利回り7.11%)と鉱業セクターの中でもトップクラスの高配当です。さらに、100億円規模の自社株買いも実施しており、総還元利回りは極めて高い水準にあります。
同業比較(収益性)
鉱業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
日鉄鉱業の業績は、銅価格の上昇と石灰石需要の堅調さを背景に、FY2025/3で売上高1,968億円と過去最高を記録しました。営業利益は103億円とFY2022/3のピーク(157億円)からは低下していますが、これは海外鉱山の探鉱費用増加や設備投資の増加によるものです。FY2026/3は売上高1,760億円・営業利益91億円と減収減益予想ながら、経常利益は4期ぶり最高益に上方修正されており、収益の質は改善しています。
事業ごとの売上・利益
石灰石の採掘・販売が主力。鉄鋼向けセメント原料として安定需要。銅精鉱・電気銅の生産も含む。売上構成比約41%の最大セグメント。
チリのアタカマ銅鉱山を中心とした海外鉱山事業。銅価格の上昇により収益が大きく改善。グローバルな資源獲得を推進中。
排水処理剤「ポリテツ」の製造販売、鉱山機械・破砕プラントの製造。台湾・ベトナムに新工場を建設中。成長分野として注力。
旧鉱山跡地等を活用した不動産賃貸事業。安定的な賃料収入が収益基盤を支える。利益率が高い安定セグメント。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2.1% | 2.0% | - |
| FY2022/3 | 8.4% | 4.7% | - |
| FY2023/3 | 9.7% | 4.7% | - |
| FY2024/3 | 5.7% | 2.9% | 6.7% |
| FY2025/3 | 7.0% | 3.8% | 5.2% |
営業利益率はFY2022/3の10.5%をピークに低下傾向にありますが、これは成長投資の先行負担によるものです。ROEは3〜7%台で推移しており、長期ビジョンのROIC 7%以上に向けて改善が期待されます。鉱業セクターの中では資源価格に左右されにくい石灰石事業が安定収益の基盤となっています。
財務は安全?
総資産は約2,402億円に成長し、自己資本比率58.9%と鉱業セクターの中でも高い財務健全性を維持しています。FY2023/3まで無借金経営でしたが、成長投資のためFY2024/3より有利子負債を活用開始。BPSはFY2023/3に株式分割(1:2)の影響で減少しましたが、実質的には着実に増加しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 94.1億円 | -65.4億円 | -10.0億円 | 28.8億円 |
| FY2022/3 | 85.4億円 | -72.6億円 | -47.6億円 | 12.8億円 |
| FY2023/3 | 158億円 | -55.1億円 | -49.2億円 | 103億円 |
| FY2024/3 | 89.5億円 | -63.3億円 | -58.4億円 | 26.3億円 |
| FY2025/3 | 177億円 | -123億円 | -64.8億円 | 54.5億円 |
営業キャッシュフローは毎期安定してプラスを確保し、FY2025/3は177億円と過去最高水準を記録しました。投資CFの増加は海外鉱山開発や排水処理剤の新工場(台湾・ベトナム)への積極投資を反映しています。財務CFのマイナスは配当金支払いと自社株買い(100億円規模)によるもので、株主還元を積極的に推進しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 96.3億円 | 58.8億円 | 61.1% |
| FY2022/3 | 166億円 | 73.3億円 | 44.1% |
| FY2023/3 | 132億円 | 34.2億円 | 25.9% |
| FY2024/3 | 121億円 | 54.5億円 | 45.2% |
| FY2025/3 | 114億円 | 24.2億円 | 21.1% |
実効税率は21〜61%と年度によって大きく変動しています。FY2021/3の61.1%は海外子会社の税制や鉱業特有の減価償却方法の影響と考えられます。FY2025/3には21.1%まで低下しており、海外事業の利益構成の最適化が進んでいます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 778万円 | 2,199人 | - |
従業員の平均年収は778万円で、鉱業セクターの中では標準的な水準です。平均年齢42.4歳、平均勤続年数17.4年と定着率が高く、専門性の高い技術者が長期にわたり活躍している企業体質がうかがえます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は日鉄鉱業持株会氏・日本製鉄・公益財団法人日鉄鉱業奨学会。
筆頭株主は親会社的存在の日本製鉄(10.32%)で、会社名の「日鉄」はその源流を示しています。日鉄鉱業奨学会(8.14%)や麻生(4.87%)など事業法人の保有比率が35%と高く、安定した株主構成です。外国人投資家も24.2%を保有しており、海外からの注目度も高い銘柄です。持株会(2.03%)の存在は従業員のエンゲージメントの高さを示しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 鉱石部門 | 812億円 | 42億円 | 5.2% |
| 金属部門 | 630億円 | 28億円 | 4.4% |
| 機械・環境部門 | 310億円 | 18億円 | 5.8% |
| 不動産・その他 | 216億円 | 15億円 | 6.9% |
鉱石部門が売上の約41%を占める最大セグメントで、金属部門(約32%)、機械・環境部門(約16%)、不動産・その他(約11%)と続きます。注目すべきは不動産事業の高い利益率(6.9%)と、機械・環境部門の成長性です。台湾・ベトナムへの排水処理剤工場の新設により、アジア市場での非資源事業の拡大が期待されます。
この会社のガバナンスは?
取締役9名中、女性は1名(11.1%)でダイバーシティの推進余地があります。22社の連結子会社を統括し、設備投資213億円と積極的な成長投資を実施。代表取締役社長の森川玲一氏のもと、第3次中期経営計画の遂行を推進しています。平均勤続年数17.4年と高い定着率が特徴です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,814億円 | — | 1,968億円 | +8.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 67億円 | — | 90億円 | +34.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
日鉄鉱業は「総合資源会社」としてグループの総合力を発揮し、2033年度のROIC 7%以上を長期ビジョンに掲げています。第3次中計の初年度(FY2025)は売上高・純利益とも期初予想を大幅に超過達成し、経常利益は4期ぶりの最高益に上方修正されました。海外事業の拡大と非資源事業の成長が今後の鍵です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
日鉄鉱業のTSRは5年間で348%と、TOPIXの213%を大幅にアウトパフォームしています。特にFY2024〜FY2025にかけて急上昇しており、銅価格の高騰、自社株買い、業績上方修正が重なって投資家からの評価が一変しました。資源価格と連動する面はあるものの、長期投資家にとって優れたリターンを提供しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 163.2万円 | +63.2万円 | 63.2% |
| FY2022 | 177.5万円 | +77.5万円 | 77.5% |
| FY2023 | 187.7万円 | +87.7万円 | 87.7% |
| FY2024 | 260.2万円 | +160.2万円 | 160.2% |
| FY2025 | 348.0万円 | +248.0万円 | 248.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは26.9倍と鉱業セクター平均(11.7倍)を大きく上回っており、成長期待が株価に織り込まれていることを示しています。一方、配当利回り7.11%は業界平均(2.36%)の約3倍と突出しており、高配当銘柄として個人投資家の注目度が高い銘柄です。信用買残が多く、短期的な需給には注意が必要です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
100億円規模の自社株買いを発表。発行済株式の6.3%にあたる500万株を上限とし、資本効率の向上を目指す。
FY2026/3の経常利益を18%上方修正し4期ぶり最高益へ。配当も5円増額。
台湾・ベトナムに排水処理剤の新工場を建設。アジア市場での環境事業を本格的に開拓。
最新ニュース
日鉄鉱業(株) まとめ
ひとめ診断
「日本製鉄を源流に持つ総合資源会社。石灰石・銅・地熱・不動産まで幅広く展開するプライム企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。