住石ホールディングス(株)
Sumiseki Holdings,Inc.
最終更新日: 2026年3月24日
石炭の先に見える未来。人工ダイヤモンドで半導体時代を切り拓く、麻生グループの隠れた変革者
資源と素材の力で、産業の未来を支える
この会社ってなに?
住石HDの製品は一般消費者の目に直接触れることは少ないですが、実は私たちの生活を支えています。グループ会社のダイヤマテリアルが製造する工業用人工ダイヤモンドは、スマートフォンの半導体加工や自動車部品の精密切削に使われています。また、泉山興業が手がける砕石は道路や建物の基礎材料として使われ、石炭は発電所や製鉄所のエネルギー源として日本のインフラを支えています。
住石ホールディングスは石炭の輸入販売を主力とする持株会社で、工業用人工ダイヤモンド(ダイヤマテリアル)や砕石事業も展開しています。2024年5月に麻生が過半数株式を取得し連結子会社化。FY2025/3は石炭価格下落で売上高103億円(前年比-54.6%)と大幅減収ながら、持分法投資利益などで純利益42億円を確保しました。自己資本比率96.5%・無借金経営と財務基盤は極めて堅固。2025年5月に3カ年中期経営計画を策定し、人工ダイヤモンドなど先端素材分野への成長投資30億円を計画しています。
会社概要
- 業種
- 鉱業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区西新橋1丁目7番14号
- 公式
- www.sumiseki.co.jp
社長プロフィール
住石グループは石炭事業で培った資源開発・流通のノウハウを活かし、人工ダイヤモンドを中心とした先端素材分野への事業転換を推進してまいります。麻生グループとの連携を深めながら、持続可能な成長と株主価値の向上に取り組みます。
この会社のストーリー
住友系の石炭採掘会社として設立。日本の戦後復興を支える石炭エネルギーの供給を担った。
東京証券取引所に株式を上場。石炭産業の全盛期に事業を拡大した。
豪州の炭鉱会社Wambo Mining Corporationを売却し、石炭採掘から輸入販売へ事業モデルを転換。
住石ホールディングスとして持株会社体制に移行。石炭・新素材・砕石の3事業体制を確立した。
株式会社麻生が追加取得により過半数株式を保有し連結子会社化。新たなグループ経営体制が始動。
3カ年の中期経営計画を策定。成長投資30億円を計画し、人工ダイヤモンドなど先端素材分野への転換を加速。
注目ポイント
子会社ダイヤマテリアルの工業用人工ダイヤモンドは、半導体加工や精密切削に不可欠な素材。脱炭素・半導体テーマの本命銘柄として注目されています。
有利子負債ゼロ・自己資本比率96.5%と、上場企業の中でもトップクラスの財務安全性。280億円の純資産が経営の安定基盤を支えています。
5年間のTSRは722.8%とTOPIX(213.4%)を大幅にアウトパフォーム。石炭テーマと人工ダイヤモンドテーマで注目を集め、長期投資家に大きなリターンをもたらしました。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 2円 | 11.5% |
| FY2017/3 | 2円 | 36.9% |
| FY2018/3 | 3円 | 7.9% |
| FY2019/3 | 3円 | 6.4% |
| FY2020/3 | 3円 | 15.8% |
| FY2021/3 | 3円 | 0.1% |
| FY2022/3 | 5円 | 12.2% |
| FY2023/3 | 7.5円 | 11.0% |
| FY2024/3 | 60円 | 41.5% |
| FY2025/3 | 30円 | 39.1% |
株主優待制度はありません。
配当はFY2024/3に1株60円(配当性向41.5%)と前年比8倍の大幅増配を実施しましたが、FY2025/3は業績連動で30円に減配。配当方針は「配当性向40%以上を目安」としており、FY2026/3は15円(予想)とさらに減少する見通しです。石炭市況に連動する業績変動型の配当となっています。
同業比較(収益性)
鉱業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
住石HDの業績は石炭市況に大きく左右される構造です。FY2023/3にはウクライナ情勢を背景とした石炭価格高騰で売上高399億円を記録しましたが、価格正常化に伴いFY2025/3は103億円まで減少。一方、営業利益はほぼゼロながら、持分法投資利益などの営業外収益で純利益42億円を確保しており、投資先からの安定的な利益貢献が特徴です。FY2026/3は売上高87億円・純利益20億円を予想しています。
事業ごとの売上・利益
石炭の輸入販売が主力。海外炭鉱からの仕入・国内販売を手がける。石炭市況に業績が大きく連動し、FY2025/3は価格下落で営業赤字に転落。売上構成比約71%。
子会社ダイヤマテリアルが工業用人工ダイヤモンドの製造・販売を展開。半導体加工・自動車部品向けの精密切削工具用途が中心。中計の成長ドライバー。
子会社泉山興業が岩石の採取・加工・販売を手がける。道路・建築向け骨材が中心で、安定的な収益貢献。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 26.3% | -0.6% | - |
| FY2022/3 | 3.6% | 10.5% | - |
| FY2023/3 | 17.2% | 14.0% | - |
| FY2024/3 | 23.3% | 24.2% | -1.1% |
| FY2025/3 | 46.1% | 14.4% | 0.5% |
収益性は石炭市況の変動を反映し、年度によって大きく振れるのが特徴です。FY2024/3にはROE 27.9%・営業利益率35.4%と驚異的な数値を記録しましたが、FY2025/3は営業利益率0.5%まで低下。ただし純利益ベースではROE 15.0%を維持しており、持分法投資利益による下支えが効いています。
財務は安全?
自己資本比率96.5%・実質無借金経営と、財務基盤は極めて堅固です。総資産の大部分を自己資本が占める安全性の高い構造で、FY2025/3のBPSは468.8円。現在の株価850円に対しPBR 1.81倍と、純資産に対する評価は先端素材への成長期待を織り込んでいます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 14.5億円 | -3,700万円 | -3.0億円 | 14.2億円 |
| FY2022/3 | -30.3億円 | 4.5億円 | 14.2億円 | -25.9億円 |
| FY2023/3 | 5,300万円 | -2,200万円 | 5.0億円 | 3,100万円 |
| FY2024/3 | 188億円 | -1,100万円 | -39.8億円 | 188億円 |
| FY2025/3 | 2,600万円 | -2.2億円 | -31.7億円 | -1.9億円 |
FY2024/3には営業CFが188億円と突出しましたが、これは石炭取引の大口回収によるものです。FY2025/3は営業CF 0.3億円と平常に戻りました。財務CFのマイナスは配当支払いによるもので、投資CFは少額に留まっています。今後は中期経営計画に基づく30億円の成長投資でCF構造が変化する見通しです。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -3,400万円 | 0円 | - |
| FY2022/3 | 23.6億円 | 8,800万円 | 3.7% |
| FY2023/3 | 37.2億円 | 5,200万円 | 1.4% |
| FY2024/3 | 81.1億円 | 5.8億円 | 7.1% |
| FY2025/3 | 47.1億円 | 5.2億円 | 11.0% |
実効税率は1〜11%と法定実効税率を大幅に下回る水準で推移しています。これは持株会社構造の下、連結子会社からの受取配当金の益金不算入や、繰越欠損金の活用などが要因です。FY2026/3は税引前利益1億円の予想で、税負担はほぼゼロとなる見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 589万円 | 39人 | - |
従業員数39名と極めて少人数の持株会社です。平均年収589万円、平均年齢47.1歳、平均勤続年数19.1年と、長期勤続の社員が中心の組織構成です。事業活動の多くは子会社(住石マテリアルズ、ダイヤマテリアル、泉山興業など)で行われています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は麻生。
筆頭株主は株式会社麻生(56.94%)で、過半数を保有する親会社です。2024年5月に市場内で追加取得し連結子会社化しました。麻生グループは福岡県飯塚市に本社を置くコングロマリットで、セメント・医療・人材事業を展開しています。三井住友銀行グループ(三井住友カード・三井住友銀行・日本総研)も合計6.4%を保有し、金融面からのサポート体制が構築されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 資源事業 | 73億円 | -2.2億円 | -3.0% |
| 新素材事業 | 16億円 | 1.5億円 | 9.4% |
| 砕石事業 | 14億円 | 0.7億円 | 5.0% |
資源事業(石炭)が売上の約71%を占める一方、石炭市況の低迷でFY2025/3は営業赤字に転落しました。注目すべきは新素材事業(人工ダイヤモンド)で、売上16億円・利益率9.4%と安定した収益を上げています。中期経営計画では人工ダイヤモンドを成長の柱に位置づけ、半導体・EV分野への展開を加速する方針です。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役9名は全員男性で、女性役員はゼロとダイバーシティの面で課題があります。4社の連結子会社を統括するコンパクトなグループ経営で、臨時従業員はわずか5名。平均勤続年数19.1年と定着率は高く、専門性を重視した少数精鋭の組織です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 178億円 | — | 103億円 | -42.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 54億円 | — | 42億円 | -22.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
住石HDは2025年5月に3カ年の中期経営計画を策定し、成長投資30億円を計画しています。人工ダイヤモンドなど新素材分野への転換を進める方針で、石炭依存からの脱却が最大のテーマです。計画初年度のため進捗評価は限定的ですが、半導体・EV分野への展開に注目が集まっています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
住石HDの5年TSRは722.8%とTOPIX(213.4%)を大幅にアウトパフォームしています。FY2024にはTSR 1,253.9%を記録しましたが、石炭価格の正常化と株価下落でFY2025は722.8%に低下。ボラティリティは高いものの、長期的なリターンは市場平均を大きく上回っています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 108.6万円 | +8.6万円 | 8.6% |
| FY2022 | 152.6万円 | +52.6万円 | 52.6% |
| FY2023 | 330.6万円 | +230.6万円 | 230.6% |
| FY2024 | 1253.9万円 | +1153.9万円 | 1153.9% |
| FY2025 | 722.8万円 | +622.8万円 | 622.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
住石HDのPER 25.4倍・PBR 1.81倍は鉱業セクター平均を大幅に上回る水準です。これは人工ダイヤモンド事業への成長期待が織り込まれているためで、純粋な石炭企業としての評価ではありません。信用買い残276万株に対し売り残60万株と、信用倍率4.59倍で買い方優勢の状況です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
人工ダイヤモンド関連銘柄として注目され、ストップ高1,557円を記録。日米関税交渉に絡む半導体素材テーマで急騰。
10-12月期(3Q)の経常利益が前年同期比3.3倍増益と好調。通期計画に対する進捗率も順調。
3カ年の中期経営計画を策定。成長投資30億円を計画し、人工ダイヤモンドなど新素材分野への転換を加速。
最新ニュース
住石ホールディングス(株) まとめ
ひとめ診断
「石炭商社から先端素材企業へ。麻生グループ傘下で変革を進めるスタンダード銘柄」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。