日本コークス工業
NIPPON COKE & ENGINEERING COMPANY,LIMITED
最終更新日: 2026年3月27日
100年以上の歴史を礎に、脱炭素時代の未来を拓く素材メーカー
地球環境との共生を図りながら、社会・経済の発展に貢献する『なくてはならない企業』を目指します。
この会社ってなに?
あなたが毎日使うスマートフォンや乗っている電車、住んでいるマンション。これらを作るために不可欠な『鉄』を生み出す過程で、日本コークス工業の製品が活躍しています。同社が作る『コークス』は、鉄の原料である鉄鉱石を高温で溶かすための強力な燃料であり、化学反応を起こすための重要な材料でもあります。普段私たちが目にする頑丈な鉄製品の裏側で、社会の基盤を力強く支えている、まさに縁の下の力持ちのような存在です。
コークス製造大手で、石炭市況や鉄鋼需要に業績が大きく左右される典型的なシクリカル企業。FY2025は原料炭価格の下落などが響き、売上高990.5億円に対し139.08億円の最終赤字を計上しました。しかし、翌FY2026の会社予想では、コスト削減や生産最適化を進め、売上高980.0億円、営業利益35.00億円への黒字転換を目指しています。株価は資源価格の動向に敏感に反応する傾向があり、業績のボラティリティの高さが投資上の最大の特徴です。
会社概要
- 業種
- 石油・石炭製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都江東区豊洲3丁目3番3号
- 公式
- www.n-coke.com
社長プロフィール

当社は100年以上にわたり、石炭・コークス事業を中核として社会の発展に貢献してきました。これからは、長年培った技術力を基盤に、カーボンニュートラル社会の実現という新たな使命に挑戦し、持続可能な社会の発展に貢献してまいります。
この会社のストーリー
官営であった三池炭鉱の払い下げを受け、三井鉱山合資会社が設立。これが当社の歴史の始まりとなる。
石炭事業で培ったノウハウを活かし、製鉄に不可欠なコークス製造事業に進出。事業の多角化を図る。
三井鉱山からコークス製造・販売事業、粉体機器事業などを継承し、専門性を高めた新会社としてスタート。
大手企業からの出資を受け入れ、経営基盤を強化。現在の日本製鉄・住友商事との強固な関係の礎を築く。
子会社の株式会社サン有明電気と有明機械株式会社を合併し、技術力の融合と経営効率の向上を図る。
脱炭素社会の実現に向け、次世代エネルギーである水素・アンモニアのサプライチェーン構築に参画。新たな挑戦を開始。
フィッシュパス社と共同で、環境DNA分析を活用した新たな環境貢献事業に着手。サステナビリティへの取り組みを加速。
注目ポイント
伝統的なコークス事業に留まらず、水素・アンモニア供給拠点の形成に参画。脱炭素社会の実現に向けた未来のエネルギー事業に挑戦しています。
コークス製造工程で発生する副産ガスを有効活用し、発電や化成品の原料として供給。資源を無駄にしないサーキュラーエコノミーを実践しています。
コークス製造で培った粉体技術を応用し、医薬品や電子材料など精密な粉砕・混合が求められる分野で活躍する化工機事業を展開しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 2円 | 0.3% |
| FY2017/3 | 2円 | 31.6% |
| FY2018/3 | 3円 | 18.8% |
| FY2019/3 | 3円 | 27.7% |
| FY2020/3 | 1円 | 1000.0% |
| FY2021/3 | 4円 | 29.3% |
| FY2022/3 | 7円 | 27.6% |
| FY2023/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 3円 | 46.0% |
| FY2025/3 | 0円 | 0.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当については業績連動を基本方針としており、近年の業績低迷に伴い無配となる期が繰り返されるなど不安定な状況です。企業価値の向上と早期の黒字化を通じた復配が株主還元の前提となります。現状では配当を通じた安定的な収益還元よりも、事業基盤の再構築による財務健全化が最優先されています。
同業比較(収益性)
石油・石炭製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の業績は資源価格の変動や設備トラブルの影響を強く受け、FY2025/3には純損失139億円を計上するなど厳しい状況が続いています。FY2023/3からFY2025/3にかけて営業赤字が散見されるなど、収益基盤の不安定さが課題です。FY2026/3予想では黒字転換を見込んでいますが、生産設備の最適化とコスト管理の徹底が回復への鍵となります。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.2% | 3.9% | - |
| FY2022/3 | 13.8% | 5.7% | - |
| FY2023/3 | -2.9% | -0.8% | - |
| FY2024/3 | 2.9% | 1.3% | 3.2% |
| FY2025/3 | -32.8% | -10.6% | -8.6% |
収益性指標は激しいボラティリティを示しており、FY2025/3にはROEがマイナス33.4%へと大きく悪化しました。FY2022/3には営業利益率が9.8%に達したものの、原料炭市況や操業状況に左右されやすく、安定的な利益創出には至っていません。現在は生産効率の改善を通じて、再び営業利益率をプラス圏へ定着させることが急務です。
財務は安全?
自己資本比率はFY2021/3の50.0%からFY2025/3には31.8%へと低下傾向にあり、財務基盤の圧縮が進行しています。また、FY2024/3以降は有利子負債が大幅に計上されており、資金繰りの硬直化に対する懸念が示唆されます。今後の業績回復に伴い、いかにバランスシートを立て直し、債務水準を健全化できるかが評価のポイントとなります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 155億円 | -58.6億円 | -78.0億円 | 96.4億円 |
| FY2022/3 | 46.1億円 | -41.6億円 | -10.7億円 | 4.5億円 |
| FY2023/3 | -124億円 | -80.9億円 | 211億円 | -205億円 |
| FY2024/3 | 108億円 | -98.8億円 | -4.1億円 | 9.5億円 |
| FY2025/3 | -31.8億円 | -167億円 | 188億円 | -199億円 |
営業キャッシュフローは業績連動で大きく振れており、赤字期にはマイナスに転じるなど不安定な推移です。FY2025/3には多額の投資支出と営業赤字が重なり、フリーキャッシュフローが約199億円の流出となりました。不足分は財務活動による資金調達で補填している状況であり、本業での安定的なキャッシュ創出能力の回復が待たれます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 64.5億円 | 24.8億円 | 38.5% |
| FY2022/3 | 115億円 | 40.7億円 | 35.6% |
| FY2023/3 | -7.5億円 | 0円 | - |
| FY2024/3 | 36.4億円 | 17.4億円 | 47.9% |
| FY2025/3 | -103億円 | 0円 | - |
法人税等の支払額は、税引前利益の増減に強く相関しています。利益が出た年度には法定実効税率付近、あるいはそれを上回る税負担が発生する傾向があります。一方で赤字決算となったFY2023/3やFY2025/3では税負担は生じておらず、業績のボラティリティが納税状況を直接的に規定しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 594万円 | 993人 | - |
従業員の平均年収は594万円となっており、石油・石炭製品業界の給与水準と比較して標準的またはやや堅実な水準です。同社はコークス製造という装置産業であり、継続的な設備投資が必要となる中で、安定した雇用環境の維持を重視していると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は日本製鉄・住友商事。
日本製鉄や住友商事など、大手鉄鋼・商社メーカーが主要株主として名を連ねており、安定した株主構成を維持しています。事業面での強い繋がりがうかがえる一方、上位株主で発行済株式の約半数を占める構造となっており、実質的な浮動株比率は限定的です。
会社の公式開示情報
役員報酬
主な事業リスクとして、原材料である原料炭の価格変動や、製造設備の火災事故等による操業停止リスクが挙げられます。業績は鉄鋼業界の景況感に強く依存しており、現在は製造プロセスの最適化と新たな環境DNA活用技術などの共創による成長戦略を模索しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は0.0%であり、多様な視点を取り入れた経営体制の強化が今後の課題となっています。監査等委員会設置会社として監査体制を構築していますが、企業規模に対して役員数が少数精鋭であるため、経営の透明性向上とガバナンスの質的向上が継続的に求められています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 不明 | N/A | -86億円 | 赤字転落 |
| FY2024 | 63億円 | — | 44億円 | -30.3% |
| FY2022 | 75億円 | — | 123億円 | +63.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 不明 | — | 991億円 | N/A |
| FY2024 | 1,590億円 | — | 1,352億円 | -15.0% |
| FY2022 | 910億円 | — | 1,247億円 | +37.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は明確な中期経営計画を開示していませんが、毎期の業績予想が実質的な目標となります。しかし、コークス市況や原料炭価格に業績が大きく左右されるため、期初予想と実績の乖離が大きい傾向があります。FY2024は売上高・利益ともに期初予想を大幅に下回り、FY2025は巨額の赤字に転落しました。投資家は、会社の計画達成能力よりも、マクロ経済や商品市況の動向を注視する必要があります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)を見ると、FY2025を除きTOPIXを上回る年が多く、特にFY2022は254.1%と高いパフォーマンスを記録しました。これは、資源価格の上昇局面で業績が急回復し、株価が大きく上昇したことが背景にあります。しかし、FY2025は業績悪化を背景に163.9%とTOPIXの213.4%を大きくアンダーパフォームしており、業績と株価の連動性が非常に高いことを示しています。安定的な資産形成より、市況を読んだキャピタルゲイン狙いの投資家向けの銘柄と言えるでしょう。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 193.4万円 | +93.4万円 | 93.4% |
| FY2022 | 254.1万円 | +154.1万円 | 154.1% |
| FY2023 | 160.7万円 | +60.7万円 | 60.7% |
| FY2024 | 242.6万円 | +142.6万円 | 142.6% |
| FY2025 | 163.9万円 | +63.9万円 | 63.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は2.93倍と、買い残が売り残を上回っていますが、過熱感がある水準ではありません。業界平均と比較するとPERは割高ですが、これは赤字からの黒字転換期待を織り込んでいるためと考えられます。PBRは業界平均並みですが、時価総額は業界内で小さい部類に入ります。FY2025は無配だったため、配当利回りは見劣りします。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2025年3月期決算短信を公表し、当期純利益が-139.08億円という大幅な赤字を計上した。
火災事故の影響等を踏まえ、通期業績予想を最終赤字84億円へと修正した。
フィッシュパスとの共創を開始し、環境DNA分析を活用した新規事業への取り組みを強化。
最新ニュース
日本コークス工業 まとめ
ひとめ診断
「石炭市況で業績がジェットコースター、脱炭素の逆風下で活路を探る製鉄の黒子」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。