創業ストーリー
1952年12月設立の日本ヘリコプター輸送を前身に、1958年12月、全日本空輸株式会社(ANA)が発足。1960年代に国内線網を急速に拡大し、戦後日本の空の交通インフラの中核を担いました。
1986年、成田=グアム線で国際線初就航を果たし、日本のフラッグキャリアの一角を確立。その後、国際線ネットワークを急拡大し、欧米・アジア主要都市への直行便を相次いで開設しました。「Inspiration of JAPAN」のブランド理念を国際線で本格展開し、日本ならではのおもてなしを世界に発信する起点となりました。
2013年4月、全日本空輸が持株会社制へ移行し、ANAホールディングス株式会社を発足。ANA本体は航空事業の事業会社として再編され、グループ経営を持株会社が統括する体制へ転換しました。Peach Aviation(LCC)の本格展開、国際線拡大、コードシェアパートナー戦略など、グループ多角化の起点となった転換点です。
COVID-19パンデミックで国際線旅客需要が壊滅し、2022/03期は売上1兆29億円・営業損失1,731億円・最終損失1,436億円・無配と上場以降最大級の財務危機を経験。2021/03期〜2023/03期の3年間無配、自己資本比率も2022/03期末で24.8%まで低下しました。雇用調整助成金活用と機材・人員のスリム化で耐え抜き、構造改革の出発点となりました。
2022年4月1日、芝田浩二氏が代表取締役社長に就任。1957年鹿児島県加計呂麻島(奄美群島)生まれ、1982年ANA入社の生え抜き経営者で、欧州室長→アジア戦略部長→経営企画室長を歴任。就任直後のCOVID-19影響を構造改革と需要回復対応で乗り越え、2024/03期に4年ぶり配当再開、2026/03期に過去最高益・自己資本比率37.7%回復、新中計2026-2028の発表へとつなげる実行力重視のリーダーシップを発揮しました。
2025年8月に日本郵船から日本貨物航空(NCA)の全株式を取得し連結子会社化、貨物事業を大幅強化。さらに2025年12月に第1回社債型種類株式(4,000万株×5,000円=2,000億円)を発行・東証プライム上場(コード92025)——JAL(9201)に先行する5ヶ月先行発行で、議決権希薄化なしに自己資本を構造的に拡充しました。
2026年1月30日、「2026-2028年度 ANAグループ中期経営戦略」を発表——DX・人財・航空機の3重点領域に5年累積2.7兆円規模の成長投資を投下、2028/03期 営業利益2,500億円・営業利益率9%、2030期 営業利益3,100億円・営業利益率10%を掲げました。4月30日の2026/03期本決算は売上2兆5,392億円(+12.3%)・営業利益2,174億円(+10.6%)・純利益1,690億円・自己資本比率37.7%と過去最高益で着地し、新中計起点として強固な財務基盤を確立しました。
新中計2026-2028の初年度=2027/03期は中東情勢の影響で営業利益△31.0%・純利益△43.2%の保守的予想を据置きつつ、AirJapan休止(2026年3月)でANA+Peachのデュアルブランド戦略へ集約。中間配当制度を新規導入(年60円・中間30+期末30、定款変更条件付き)し、株主還元の安定性も強化。2030期の営業利益3,100億円・営業利益率10%、国際線旅客1.3倍・貨物1.3倍を達成し、Inspiration of JAPANの理念を体現する持続的成長を実現します。