日精樹脂工業
NISSEI PLASTIC INDUSTRIAL CO., LTD.
最終更新日: 2026年3月28日
経営統合でさらなる進化へ!世界を舞台に活躍する射出成形機のパイオニア
射出成形技術の革新を通じて、持続可能な社会の実現に貢献し、世界中のお客様から最も信頼されるパートナーとなること。
この会社ってなに?
あなたが毎日使うペットボトルや、スマートフォンのケース、自動車のバンパー。そうした身の回りのプラスチック製品がどうやって作られているか、考えたことはありますか?実は、日精樹脂工業が作っている『射出成形機』という機械が、熱で溶かしたプラスチックを金型に流し込み、様々な形に仕上げているのです。普段何気なく目にしている多くの製品の裏側で、この会社の技術が私たちの暮らしを支えています。
射出成形機の国内最大手。FY2025は売上高474.9億円、営業利益4.42億円と、原材料価格の上昇や需要低迷で厳しい業績となった。しかし、FY2026には営業利益10.0億円への回復を見込む。最大の注目点は、同業のTOYOイノベックスとの経営統合計画であり、2026年4月に共同持株会社「GMSグループ」を設立予定。PBR0.40倍という極端な割安水準は、この統合によるシナジー発揮への期待と、先行きの不透明感の両方を織り込んでいる。
会社概要
- 決算期
- 3月
- 本社
- 長野県埴科郡坂城町大字南条2110
- 公式
- www.nisseijushi.co.jp
社長プロフィール

私たちはお客様の価値創造を第一に考え、射出成形技術を通じて社会に貢献することを使命としています。グローバルな視点での環境経営を推進し、持続可能な未来の実現に向けて挑戦を続けてまいります。
この会社のストーリー
長野県埴科郡坂城町で、青木固により日精樹脂工業株式会社が設立され、プラスチック射出成形機の製造販売を開始した。
名古屋証券取引所市場第二部に株式を上場。同時に米国に初の海外拠点を設立し、グローバル展開の第一歩を踏み出した。
業界に先駆けて、世界で初めて電気式射出成形機を開発・販売。その後の業界標準となる画期的な技術革新を成し遂げた。
東日本大震災の影響で株価が上場来最安値を記録するなど厳しい状況に直面したが、全社一丸となってこの困難を乗り越えた。
イタリア最大手の射出成形機メーカー「ネグリ・ボッシ」を買収。欧州市場でのプレゼンスを大幅に拡大し、グローバル競争力を強化した。
「グローバル環境経営」の進化を掲げ、2028年3月期に売上高600億円、営業利益30億円を目指す新たな中期経営計画を策定した。
同業のTOYOイノベックスと経営統合し、共同持株会社「GMSグループ」を設立。世界トップクラスの射出成形機メーカーグループとして新たなステージへ。
注目ポイント
世界で初めて電気式射出成形機を開発するなど、常に業界の先頭を走り続けてきた技術力が強み。自動車から医療まで、あらゆる分野のものづくりを支えています。
イタリア企業の買収や同業のTOYOイノベックスとの経営統合など、積極的なM&Aを通じてグローバル市場での競争力を強化。今後の大きな成長が期待されます。
株主への感謝を込めて、長野県の特産品や自社製品の「射出成形機プラモデルキット」など、ユニークで魅力的な株主優待制度を実施しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 20円 | 65.1% |
| FY2022/3 | 30円 | 21.8% |
| FY2023/3 | 35円 | 37.2% |
| FY2024/3 | 35円 | 178.8% |
| FY2025/3 | 35円 | 879.4% |
| 権利確定月 | 3月 |
配当方針としては、業績の変動に関わらず一定水準の分配を維持する安定的な還元を志向しています。ただし、業績低迷期には配当性向が極端に高まる傾向があり、現行の配当水準を維持できる収益基盤の回復が持続的な還元の鍵となります。今後、経営統合後のグループ全体での還元策がどのように変化するかが注目されます。
同業比較(収益性)
の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の業績は、射出成形機の市場環境の悪化により近年の売上高は横ばいから微減傾向にあり、2025年3月期には営業利益が約4.4億円まで大きく落ち込みました。原材料価格の高騰や需要の低迷が利益を圧迫する中、現在はTOYOイノベックスとの経営統合を見据えた構造改革を進めています。2026年3月期の業績予想ではさらなる厳しさが見込まれており、生産体制の再構築による収益改善が急務となっています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 1.8% | 0.9% | 2.8% |
| FY2022/3 | 7.3% | 3.9% | 5.3% |
| FY2023/3 | 4.6% | 2.4% | 5.1% |
| FY2024/3 | 0.9% | 0.4% | 3.7% |
| FY2025/3 | 0.2% | 0.1% | 0.9% |
収益性は非常に厳しい水準で推移しており、営業利益率は2022年3月期の約5.3%をピークに低下傾向が続いています。特に2025年3月期には営業利益率が約0.9%まで低下し、ROE(自己資本利益率)も0.2%と極めて低い水準に留まっています。効率的な資産運用とコスト削減による利益率の回復が、今後の企業価値向上のための大きな課題といえます。
財務は安全?
総資産は800億円規模で推移していますが、2024年3月期以降、有利子負債が約676億円まで大幅に増加したことで自己資本比率は約48.2%まで低下しています。積極的な事業投資や買収資金による借入増の影響が見られ、財務の安定性には留意が必要です。純資産は400億円前後で底堅いものの、負債比率の高まりに対するコントロールが今後の財務健全性維持の焦点となります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 48.1億円 | -6.5億円 | 18.3億円 | 41.5億円 |
| FY2022/3 | 16.2億円 | -7.8億円 | -42.4億円 | 8.4億円 |
| FY2023/3 | -41.5億円 | -15.8億円 | 61.3億円 | -57.3億円 |
| FY2024/3 | -82.2億円 | -42.4億円 | 92.7億円 | -125億円 |
| FY2025/3 | -38.2億円 | -11.2億円 | 31.8億円 | -49.5億円 |
営業キャッシュフローは2023年3月期以降、マイナス圏で推移しており、本業による資金獲得力が低下しています。これに伴いフリーキャッシュフローも大幅なマイナスを記録し、有利子負債による外部調達で資金を補う厳しい状態が続いています。設備投資や事業統合のための資金需要が先行しており、今後は本業の黒字化によるキャッシュフローの正常化が待たれます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 10.7億円 | 4.7億円 | 44.1% |
| FY2022/3 | 29.4億円 | 2.6億円 | 8.8% |
| FY2023/3 | 24.3億円 | 5.9億円 | 24.4% |
| FY2024/3 | 13.4億円 | 9.6億円 | 71.9% |
| FY2025/3 | 3.4億円 | 2.7億円 | 77.8% |
近年の実効税率は税引前利益の減少に伴い、一時的に70%を超えるなど高い水準で推移する年度が見られます。これは利益の減少や税務上の調整項目などが複雑に影響しているためです。次期以降は業績の回復とともに、税負担率も標準的な水準へ落ち着くことが想定されます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 550万円 | 1,268人 | - |
従業員平均年収550万円は、製造業界の平均的な水準に位置しています。近年は円安による原材料価格上昇や需要低迷の影響で業績が振るわず、持続的な年収向上には経営効率の改善が不可欠な状況です。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は日精樹脂工業取引先持株会・八十二銀行。
有限会社アオキエージェンシーや取引先持株会などの関連先が上位を占めており、創業家や取引先による安定的な支配構造が伺えます。一方で清原達郎氏のような著名投資家も名を連ねており、安定性の中に市場の注目度も混在する構成となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
射出成形機の製造・販売を主力とし、グローバル展開を加速させています。現在はTOYOイノベックスとの経営統合によるGMSグループ設立へ向けた組織再編期にあり、市場環境の変化に伴う収益性の回復とDXによる基盤強化が喫緊の課題です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は9.1%と改善の余地があるものの、ガバナンス体制の整備を進めています。連結子会社23社を擁する企業規模であり、TOYOイノベックスとの統合を機に、グループ全体での監査・経営管理体制の抜本的な強化が期待されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 455億円 | — | 475億円 | +4.4% |
| FY2024 | 460億円 | — | 471億円 | +2.3% |
| FY2023 | 510億円 | — | 522億円 | +2.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 11億円 | — | 4億円 | -57.9% |
| FY2024 | 12億円 | — | 17億円 | +43.7% |
| FY2023 | 30億円 | — | 27億円 | -10.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2028年3月期に売上高600億円、営業利益30億円を掲げる第五次中期経営計画が進行中です。初年度のFY2025実績は売上高474.9億円、営業利益4.42億円と、特に利益面で目標達成へのハードルが高い状況です。円安や原材料価格高騰の影響を大きく受けており、利益率の改善が最大の課題となっています。TOYOイノベックスとの経営統合によるシナジーを早期に創出し、収益構造を抜本的に改革できるかが計画達成の鍵を握ります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、一貫してTOPIXをアンダーパフォームしています。特にコロナ禍以降の株価上昇局面でTOPIXが大きく伸長したのに対し、同社の株価は長期的な下落トレンドから抜け出せず、差が拡大しました。安定配当はプラスに寄与したものの、株価の低迷が全体のパフォーマンスを大きく押し下げています。業績の伸び悩みと成長戦略の不透明感が、資本市場からの低い評価に繋がっていると考えられます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 117.4万円 | +17.4万円 | 17.4% |
| FY2022 | 119.2万円 | +19.2万円 | 19.2% |
| FY2023 | 121.1万円 | +21.1万円 | 21.1% |
| FY2024 | 144.6万円 | +44.6万円 | 44.6% |
| FY2025 | 107.6万円 | +7.6万円 | 7.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRが0.40倍と業界平均の1.0倍を大幅に下回っており、資産価値に対して株価が極端に割安と評価されています。一方でPERは30.5倍と高めですが、これは直近の利益が落ち込んでいるためです。信用倍率は3.07倍と買い残が優勢で、短期的な需給の重しとなる可能性があります。2026年4月のTOYOイノベックスとの経営統合完了に伴い、当社株式は上場廃止となる予定です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
TOYOイノベックスとの株式移転により、持株会社「GMSグループ」を設立。
第3四半期累計期間の連結経常損益が8.3億円の赤字に転落し、厳しい業績を公表。
TOYOイノベックスとの経営統合に向けた経営統合契約書を締結。
ベッコフ制御システムを採用し、射出成形機のIoT対応と高品質化を強化。
最新ニュース
日精樹脂工業 まとめ
ひとめ診断
「プラスチック製品を支える射出成形機の老舗が、業界再編の荒波を乗り越えるべく同業大手と手を組んだ状態」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。